2022年5月26日木曜日

どの楽譜が、自分に合っているか


 

インターネットができてからは、

楽譜が、とても手にはいりやすくなりました。
それは、とてもよろこばしいことです。

同時に、
いろいろな種類の楽譜が手にはいるので、
どれを選んでいいのか、困ることもあります。

無料の楽譜図書館(IMSLP)、
楽譜制作ソフトで作った、手作りっぽい楽譜、
機械が作ったらしい、楽譜、
有料の楽譜、

などなど、いろいろ手に入れることができますが。

クラシック音楽の楽譜の場合、
原典版を使うのが、一番てっとり早いと、思います。
理由は、
作曲者の意図を、そのまま楽譜に読みとれるからです。
ムダな、回り道をしなくてすみます。

ただし、
作曲者によっては、
指使いが書かれていなかったり、
初心者には、不親切だったりもします。

でも、
教師の私としては、
親切なペダル記号や、エディターの好みの強弱記号は、
親切が過ぎて、「おせっかい」の部類に入ります。
作曲者の意図を、まず、知りたいのに。

そこが、微妙なところです。

ですから、
「この記号は、作曲家の書いたものか?」と、
いつも、問い続ける、ということは、しておくといいと思います。


興味があれば、
IMSLPに行って、他の版と比べるのもいいです。

まぁ、そういうのが、
音楽学の研究者の姿勢なのですが、
そこまでしなくても、
いちおう、
いろんな人が、「親切に」、いろいろ記入してくれていた、
という可能性を、覚えておくといいと思います。

まとめ 

* 「この楽譜は、作曲者の意図そのものか、
それとも、どなたかの好みも入っているか?」と自問する習慣






Chiyo








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2022年5月25日水曜日

電子ペーパー楽譜


 今、この時代では、
演奏会でも、タブレット楽譜を使う人が増えています。

特に、譜めくりを足踏みペダルでできる、というところが
大きな魅力だと思います。
私も、タブレットに楽譜を入れて、
いろいろ使っています。

もちろん、素敵な紙の楽譜には、負けます。
たとえば、ヘンレ版の紙の美しさ、譜面づらの美しさなんて、
ほれぼれするのです。
それには、絶対おとります。

ところで、
ちょっとマイナーですが、
私は、普通のタブレットではなくて、
電子ペーパーのタブレットを、使っています。
それは、目に優しいですし(疲れない)
譜面の見た目も、なかなかいい感じ、と思っています。

電子書籍を使ってらっしゃる方は、この
電子ペーパー、もしくは E-ink
お馴染みでしょう。




私にとって、
楽譜をタブレットに入れるメリットといえば、

* たくさんの楽譜を詰め込んで、持ち運べる

* IMSLP 無料図書館からダウンロードして、そのまま使える
(プリントしなくていい)

* 譜めくりを、足踏みペダルでできる

* スタイラスペンで、書き込み、消すことが、簡単



(参考までに、
電子ペーパー専用の楽譜アプリは、

Mobile Sheets Pro  "E-ink"

普通版のより、ずっとサクサク動きます。 
Zubersoft というところにメールを出すと、売ってくれます)




先日、
持ち運びのためにと、
革の職人さんに、ケースを作ってもらいました。
一枚革で、なかなか気に入っています。
丈夫そうで、長持ちしそうです。
ひょっとすると、中身のタブレットよりも、
寿命が長くなるかもしれません。










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2022年5月24日火曜日

練習方法の、カン違い




よく、おちいる間違い、というのがあります。

練習のしかたについて、初心者の方が、
よく、勘違いされています。

大きく分けて、2つあります。

1)「速ければ、速いほどいい」と思って、スピードで弾く

2)「両手で弾いた方が、上手にできる」と思って、両手練習をする


私は、初心者ではありませんが、
気をつけていないと、

すぐ、

スピードを出して、
両手で、弾きたくなります。

その方が、ぜったい気分がいいです。
もう、ほぼ完成した気分にもなれます。

両手で弾くと、
片手ずつうまくいかなかった部分も、
なんとなく、さらっといってしまうような気がします。

でも、そうでは、ありません。
結局、元にもどって、
ちゃんと、片手ずつきれいに手入れをして、練習して、
次に、ゆっくり両手にうつるという作業をしなくてはなりません。

特に、左手だけ、というのは、
ものすごく効果がありますが、
ものすごく退屈なので、やるのを忘れてしまうこともあります。
これは、ちゃんとくりかえし練習するのが、いいのです。

そして、

やっぱり、そういう王道を進んでいくと、
きれいな、いい仕上がりになります。

基本のキホン、

1)ゆっくり、
2)片手ずつ、よく練習する




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2022年5月23日月曜日

暗譜で弾く、練習


ピアニストは、よく暗譜で弾きます。
私は、
暗譜でも、楽譜付でも、自分の楽な方で、
そして、音楽的によりいい演奏ができるのなら、
それがいいチョイスだと思います。
どちらでもいいと思います。

さて、どちらにもメリットはあります。

暗譜で弾くといいことの一つに、
まるで、自分のハートから直接音楽が出てくるように、
演奏できる、というのがあります。

結婚式のスピーチを想像してみればわかると思います。
紙を見ながら、棒読みにするのと、
メモを時々見て、その場でお話しするように話すのとでは、
ちょっと、説得力に違いがあります。

という意味で、
お家でも、たまには、あるパッセージを
暗譜で弾いてみると、音楽的にコツがつかめたりすると思います。

楽譜のオタマジャクシを追いながら弾くのと、
まるで、自分が作曲したかのように、
暗譜で弾くのとでは、
ちょっと、雰囲気が違ってくると思います。

部分的でいいですから、
試されると、おもしろいと思います。


* まとめ

部分暗譜で、表現練習できる



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2022年5月20日金曜日

クラシックか、それとも「軽音楽」か

 



どういう曲を弾くか。

練習曲でしたら、先生にご相談するのがいいですが、
そうでなくて、いわゆる「曲」、
楽しくて、ステキな曲を選ぶときのこと。

ポピュラーがいいのか、
クラシックか。
「軽音楽」なんていう表現もありますが、
では、クラシックは「重い」音楽なのか。

どちらの方が、むずかしいということはありません。
自分にあったレベルのを選べばいいのです。
弾けるかどうか、ちょっと試してみれば、
すぐ、わかるでしょう。

ポピュラーの方が、やさしい、
と考える方もありますが、そうとも限りません。

ただし、楽譜には、アレンジされた曲が多いですから、
難しかったら、音を全部弾かなくてもいいですし、
自分でアレンジしても、いい、という自由があるかもしれません。

クラシックものは、
楽譜に書いてあることを、弾く、というのが、
一応の、ルールです。
でも、
アレンジしたかったら、したっていいのです。
自分で、「アレンジをしている」ということを知ってさえいれば。

もっと、
掘り下げて、言いますと、
クラシック以外では、
楽譜がなくて、和声進行(コード)だけを元に、
音楽を作っていく、ということをします。
(クラシックでも、古音楽にも、そういうのがあります)

それはそれは、
興味深い、アプローチだと思います。




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2022年5月19日木曜日

あなたが、主役

 



レッスンを受けていて、曲がある程度、仕上がってくると、

うれしくなります。
ラクに弾けてきますし、
音楽表現を追求したりして、どんどん、
弾くのが、楽しくなります。

先生が、
もうこれでいいでしょう、と言ってくださると、
誇らしい気持ちになります。
あ、これでもう終わりか、と
残念な、名残惜しい気持ちにもなります。

もし、
曲が、むずかしすぎたり、
あまり好きでない曲だったりすると、
「あ、先生がいいと言ってくださった」と、
ホッとします。
やっと、合格した、という感じです。

両方の場合があると思います。

もし、
ホッとする場合の方が多かったら。。。

おすすめしたいことがあります。

自分の心の中で、「合格」かどうかを決める、ということです。
自分で、何を目標にしているか、
気にする、ということです。

そうすると、
もし先生がいいとおっしゃっても、
いえ、まだ、この部分が達成していません、と
言えますし、
先生がいいとおっしゃらなくても、
早い話が、自分がよければ、いいかもしれないのです。
先生に、そうお話するのも、いいと思います。

大人ピアノを弾いてらっしゃる方は、
ぜひ、そうしていただきたいです。
そして、そうすることの一番いいことは、

あなたが、主役になる、ということです。
そうしていると、いつの間にか、グッと大人っぽいピアノになります。






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2022年5月18日水曜日

子どもさんが、ピアノを習いたくない時


数十年ピアノを教える仕事をしていて、
何が一番むずかしかと言いますと、
子どもさんが、ピアノを弾きたくないのに、
親御さんの意思によって、レッスンに来ている状況です。
これは、ごく、ごくたまに、です。
でも、そういうことがあると、とても残念に思います。

むずかしいと言うより、
「困った」と言うのが、本当の気持ちです。
こういう状況は、ない方がいいに決まっていますが、
なかなか、はっきり割り切れるものでもないです。

親御さんの、
「こういう技術を身につけさせたら、
将来、幸せが一つ増えるだろう」というお気持ちは、
よくわかります。

一方、子どもが勤勉に努力したくないのは、
いくらピアノが好きでも、
ほぼ当たり前のこと、なので、
いちいちそれを聞いて、
「あ、やりたくないのね。では、やめなさい」と
言っていたら、まずいのかもしれません。

コツコツ何かをやって、
だんだん身について行く喜び、というのを
ぜひ、味わってもらいたいものですし。

私は、
親御さんと子どもさんのハザマに立って、
なだめたりすかしたり、
手を替え品を替え、いろいろやります。
根本的に、私は子どもさんの味方です。
必要なら、親御さんに訴えたり、
子どもの弁護士みたいなこともします。

先日、
ピアノはいいけど、ソルフェージュがいやです、
という中学生の女の子と話しをしていました。
そして、
大笑いしました。

その長いソルフェージュの授業について、
2時間半の授業、と話すのです。

「あら、そんなに長かったかしら?」
と言うと、
「あ、違った、2時間だった。
1時間半の時もある」と訂正したので、

「そう、それほど長〜い感じがしたのね。

2時間なら、映画の長さ。
おもしろい映画だったら、
2時間なんて、あっという間にすぎるのに、
つまらない映画だと、長く感じるものね」

「うん、まぁ、そんなところだけど、
映画じゃなくて、連続ドラマよ!」

なるほど。
毎週、性に合わない連続ドラマを見に来てるのね、
と、2人で大笑いをしました。
(ソルフェージュの先生には、ぜったい内緒です。
ゴメンナサイ)

と、こんな風に、どこかで、
ピアノのレッスンも、
つまらない連続ドラマだ、と思われているかもしれません。

私には、解決法はないのですが、
せめて、生徒さんの気持ちを聞いてやれたら、と
思ったりします。












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2022年5月17日火曜日

レアとアンナの、バトル


 先日の、音楽院でのことです。
レアさん(中学生)が、来週は、
いつもの時間に来られないというのです。
でも、もうじき試験なので、
別な時間にちょこっと聞きましょう、と提案します。

その別な時間、というのは、
アンナちゃん(小学生)のレッスン時間なのです。
歯医者さんへ救急来院、というふうに、
横はいりになってしまいますが、
アンナちゃんには我慢してもらいます。

ですので、
レアさんが試験曲を弾いてる間、
アンナちゃんには、「先生」になってもらいます。
聞いた後で、
「よかったところ、改善するところ、を、
親切に、言ってください」と頼みます。

すると!

まぁ、アンナちゃんの、すごいこと。
堂々としたおばあちゃんのように、
ちょっと古風な話し方で、レアさんに、
指のフォームの注意を始めます。
そして、それ以外は、とっても素敵でした、と
まとめたのです。

(それにしても、その話しの切り出し方が、すごいです。
「それは、チェンバロ奏者でしょうか、
それとも、ピアニストですか?」と、始めたのです。
間接的に質問をしながら、指の批判をしたところが、古風。

ちなみに、アンナちゃんの家庭は、もと貴族の出です。
名前も、ものすごく立派で、長々としています)

私は、
「えーっ、アンナちゃん。
そのこと、私、覚えときますからね。
次の時、引っ張り出してきますよ」

と、すぐに指摘します。
アンナちゃんたら、
自分のクセを棚に上げて、他人のことを ウンヌンしているのです。
「おかめ八目」と、クスッと笑ってしまいます。

レアさんは、
半ば苦笑い、半ば面白がって、そこを改善します。
そして、
「それでは、私も、アンナちゃんのピアノを聞きたいな」と、反撃

レアさんは、お父さんが弁護士なのです。
その影響か、ものすごく、口が達者です。
そして、
討論や人を説得することが、大好きなのです。

そうなると、
アンナちゃんも、弾かないわけにはいきません。
ちょっと緊張して、
とても気をつけて、
いつもより上手に弾きました。
指の形も。

そして、
レアさんも、楽譜とにらめっこして、
色々なことをアドバイスします。
足りないところは、私が、付け加えます。

そして、時間になりました。
2人とも、
あぁ面白かった、
また、やりたいね、と言っていました。

小さなアンナちゃんと、
大きなレアさんの、バトルでした。
かなり、いいバトルでした。

私としては、両方とも、勝者でした。












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2022年5月16日月曜日

「済んだ音色 、 消えた孤独感」

「ふだん塾」受講生の方から感想をいただきましたので、
ここに載せておきます。
アメリカ在住の、野ばらさんです。
以前にも、お庭の紹介をさせていただきました。

とてもコツコツ練習なさって、
じわじわと上達なさっている野ばらさんには、
いつも、モチベーションをいただいています。

追い求めていた音色に出会われた瞬間のお話、
これには、私も感動です。
とてもセンシティブな、
しなやかで、
心にひびく演奏をなさる、ピアニストです。

 


*****


追い求めていた音色に出会った日と孤独感が消えた日  ~この一年を振り返って~                 

                                 

Chiyo先生に巡り会ったのは一年前、

60の手習い」で通い始めた近所のピアノ教室がコロナで閉鎖されて、

一年余りが過ぎた頃でした。

教室閉鎖後もピアノを続けたかったのですが、

一人でピアノを続けていく程の基礎力は身に付いておらず、かと言って、

コロナが猛威を振るっていたアメリカで新しい教室を探すべきではないと思ったので、

どうしたらよいものか、ピアノを前に悶々とした毎日を過ごしていました。



ある日、

大人ピアノ学習者の方のブログを読めば、

ピアノを独学でやって行く動機づけができるかもしれない」と考えて読み始めたブログ集の中に、

『ピアノオンライン講座「ふだん塾」』のブログがありました。

ブログ中のサンプル動画を拝見し、

まずChiyo先生の上品な語り口に心を捉えられました。

「こんな先生なら、60代初心者の私でも安心して指導が受けられるかもしれない」



ラインで受講できるというシステムも、

時差を気にしなくて良いので好都合でした。

すぐにでも受講を申し込みたいと思いましたが、

ひとつ問題がありました。

数年前、庭の草取りで右手の人差し指を傷め、

その指でピアノを弾くことが出来なくなっていたのです。

こんな状態で指導して頂けるだろうか?と不安でしたが、同時に、

子供の頃から持ち続けた「ピアノを弾く夢」を簡単に諦めることができないという気持ちがあって、思い切ってChiyo先生にご指導をお願いするメールを出してみました。

すると、すぐに快いご返事を頂き、

Chiyo先生とのピアノライフがスタートしたのです。



最初に先生に言われたのは、

自分の指を大切にすること、

それを優しく労わる様に言って頂き、

自分は今までそんなことを考えたこともなかったと思いました

私は高度成長期の日本に育った者らしく、

何でもがむしゃらにやらないと気が済まない所があって、

日々の暮らしの中でも、自分の体や心を労わることを後回しにして来たのです。

ピアノの弾き方でも、

ただ音符を追いかけてがむしゃらに弾いていたので、

何だか雑な音がして、自分の弾く音が好きになれませんでした。



Chiyo先生が奏でられる美しいピアノの音色との違いは何なのだろう?

訝しがる私に、先生は鍵盤に当てる指の場所や手の形について、

初歩から丁寧に教えて下さいました。

とは言え、還暦をとうに過ぎた私が強張った手の形を直すのは、

柔らかな手を持つ子供のように容易でははありません。

くじけそうになる度に、

Chiyo先生の優美な手の動きを目の前に思い浮かべ、

できるだけ真似をしてみようと努力を重ねました。

悪戦苦闘する数か月が経ったある日のこと、

突然自分が弾いているピアノから耳障りではない音が聴こえて来たのです。

それは私がずっと追い求めていた、澄んだ音色でした。



私は少し物悲しくロマンチックな曲が好きなので、

バッハの短調のメヌエットや先生からご紹介頂く他の作曲家の小品と合わせて、

指の訓練のためにツェルニーの「リトルピアニスト」を指導頂いています。

技術に関しては、

音楽の知識がないので専門的な説明は出来ないのですが、

頑張ろうと力を入れるよりも、力を抜いてだらりと弾く方が良いとか、

リラックスして幸せな気持ちになれるスピードで弾くとか、

目から鱗」的なことを沢山教えられました。



この一年間、

Chiyo先生から送られるビデオは、

一貫して、的を得た指摘とやる気を引き出させる素晴らしいものでした。

ふだん塾」ブログを初めて拝読した時に直感した“安心感”

今日まで一度もブレることなく続き、

その上、安心感以上の感動的な出来事もありました。


ある日、送られてきた動画の中で、

先生は右手の人差し指を他の指より高く上げて、

その指で鍵盤に全く触れずにピアノを弾いていらっしゃったのです

(* 今、野ばらさんが使えない2の指は使わずに、お手本を弾いています。Chiyo注)




私は人前で自分の指のことを話すことはほとんどないのですが、

一人でピアノに向かう時、不自由な人差し指を見て、

ふと、「やっとピアノを習える環境になったのに、この指が使えないなんて…」

と自分の不遇を嘆き、

世の中から一人取り残されたような孤独感に襲われることがありました。

けれど、Chiyo先生が不自由な指でもピアノを優雅に奏でることが出来るというお手本を示して下さったおかげで、可能性が信じられるようになったし、

この困難に向かって決して孤軍奮闘している訳ではないと教えられました。

実際、その日を境に私の心から孤独感が消えたのです。



コロナの真っ只中に「ふだん塾」に参加し、

素晴らしい先生の下で音楽の喜びを享受出来るのは何とも幸運なことだと思っていましたが、今はその時よりもっと不穏な空気の世界になってしまいました。

それでもピアノに向かう時、痛む心が音楽で癒されるのを感じます。

世界中の人達に、同じような癒しを届けることが出来たら、

どんなに良いだろうと思う今日この頃です。



(10/05/2022)



*****






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2022年5月13日金曜日

「脱力」という誤解


 ピアノを弾くのには、
脱力をしなくてはいけないと思っている方は多いです。
特に、先生に多いです。

ですので、そう言われた生徒さんは、
そう思ってしまいます。
ですが、ちょっと考えてみると分かりますが、
脱力して弾いているピアニストは、いません。

例えば、手のアーチ、と言いますが、
これは、脱力していては、できません。

また、ピアノを弾くときには、
椅子に座って、
背筋をまっすぐにしますが、
これは、脱力していては、できません。

だらっと、寝っ転がっている時でさえ、
きちんと脱力しているかといったら、
そうとは言えないのです。

さて、
先生が、「脱力して」とおっしゃる時は、
たぶん、きっと、
肩が固まっている、とか、
息を詰めていて、横隔膜が上がりっぱなし、とか、
そういうことだと思います。

まぁ、先生の前では、
上手に弾きたいですので、
どうしてもそうなってしまうのかもしれません。

解決策は、
ちょっと逆説的ですが、
きちんと指のエクササイズをして、筋肉をつけておくことです。
練習をこなすことで、柔軟性もつきます。

また、腹筋など、体幹の筋トレをしておくと、
体の使い方に余裕が出てくるような気もしています。
無駄なところに、力を入れないですみます。
猫のように動けるようになります。

そういうことの積み重ねで、
徐々に、「脱力」して、ラクラク弾いてるように見えるのだと
思います。



* まとめ

よく練習して、筋肉をつけておくと、
しなやかに、弾けるようになる



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2022年5月12日木曜日

ピアニストの脳は、いつまでも若い



音楽家のあいだでは、ピアニストというと、

いろいろ、評判があります。

ソロ楽器では、一番完成した形なので、
「個人主義」などとも言われています。
これはもう、ひがまれているとしか思えません。
そういえば、ピアノは、
音楽院では、いまだに、一番人気のある楽器ですから、
ほかの楽器の人に、ひがまれるのも、
わかります!

ちなみに、一番評判いいのは、
ビオラの人だと思います。
親切な人が多いということです。
(でも、私は、そうでないビオラ奏者も知っていますが)

ところで、
ピアニストの脳みそを調べた方があります。

今、その本が手元に見つからないのですが、
ピアノが上手な、脳医学者の方です。
その方によりますと、
右手と左手で、いつも違うことをしている、
ピアニストの脳というのは、ちょっと特殊なのだそうです。

それが、
老いる時に、とても有利だということです。
「認知」にならない、そうです。

それどころか、ピアニストの脳をめざして、
予防のために、
老人ホームでは、両手じゃんけんぽんなど、
両手で違うことを同時にする体操を、
取り入れているそうです。

ですから、
ピアニストの皆さん、
だれが、なんと言おうと、
このことだけは、覚えておいてください。

私たちは、
いつまでも、若い脳みそでいます!

 
Chiyo





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2022年5月11日水曜日

音楽的、レガート奏法



レガート奏法というのは、ピアノの技術の中でも、
独特で、大事なことと見なされています。

最初はただ、音をつなげて弾けばいいのですが、
それだけでは、どうも物足りなくなることがあります。

例えば、ショパンのノクターンのメロディ。
もしくは、バッハの旋律。
ただ、つなげていても、なんとなくパサパサする、と
そう感じられたら、
あなたは、レベルが上級です。

そういう時にどうすればいいのかと言いますと、
言葉で説明するのは、ちょっと難しいですが、
主に、指で押すような感じで弾きます。

ピアノというのは、一度音を出してしまったら、
そのあとは、変えることができません。
ですので、一度弾いたら、それで終わり、と、
パーカッションのように弾くかもしれません。

そこを、ちょっと趣向を変えて(?)、
キーを押し続けるのです。
まるで、チェロで弓を引いている時のように、
押さえながら、弓を進ませます。
つまり、次の音に移ります。

と、
変なハナシですが、こんな風に考えて弾きますと、
かなり音の違ったレガートになる可能性があります。

一音一音、手首の勢いで弾いているような方は、
ぜひ、この奏法を試されてみてください。
きっと、変化が出てくると思います。


* まとめ

キーを押し続けて、次の音に移る弾き方


 

 


Chiyo

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2022年5月10日火曜日

前にできていた曲が、できなくなってる


 以前に、仕上げた曲を、また出してきた弾きたくなります。
すると、
なんだか調子が変です。
あんなにスラスラできていたのに、
ちっともできなくなっています。
逆戻りしたのかと、あわてたりします。

だから、と、
キープするために、昔の曲も、
もっと定期的に弾いておかなくてはならないと
お考えの方もあります。

でも、だんだん習う曲が増えるにつれ、
そうはいかなくなってきます。

実は、
そんな心配はしなくても大丈夫です。
冷凍庫に入っていたものを出してきて、
また、ゆっくり加熱すればいいのです。

その時に、
電子レンジでチン!と、解凍できると思ってはいけません。
気持ちとしては、
「また、この曲をゼロから習うのだ」という意気で
片手ずつ、ゆっくり、
そして、少しずつ両手で、とやっていきます。

すると、
なんのことはありません。
スラスラ行ってしまいますし、
焦りもないどころか、
基礎は固まっているのがわかります。
また、
さらにきめの細かい演奏ができたりします。

ということを、知っていると、
どんどんレパートリーの箱がふくらんでいくのが、
楽しく思えてきます。


* まとめ

以前に習った曲を出してくる時は、
「新曲」のつもりでさらっていくと、カンタン




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2022年5月9日月曜日

こういうことは、誰も教えてくれない

音楽院の授業では、
音符を読むことや、
耳をよくすること、
リズム感をよくすることを大切にしますし、
楽器では、うまく扱えるように
技術的なことを勉強します。

その一方で、
大事なのに、誰も教えてくれない、ということもあります。
まぁ、教えようがないので、
本人にまかせるしかないのかもしれません。

私が感じているのは、
イマジネーションを鍛えておくことが、役に立つ、
ということです。
音楽をやっているのですから、
特に、聞こえるものからのイマジネーション。

これができるからこそ、
人間の奏でる音楽は、素晴らしくなれるのだと思います。

ここのお寺の鐘は、寂しい感じ
このコーヒーカップの音をたたくと、活発な感じ
この人のしゃべり方は、思いやりがある感じ
などなど、

なんでも、ふだんから、
ちょっと耳をすませて、
それが、どんな感じに聞こえるか、というのを、
言葉で言ってみる、というのは、
ピアニストにとっては、
いい訓練になると思います。

あとで、ピアノで表現をするときに、
そのイマジネーション力を発揮できると思います。



* まとめ

耳と、言葉をつなげる習慣 → イマジネーション力



 


Chiyo

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2022年5月6日金曜日

ムスリムの、リトルピアニスト



 

 私の勤める音楽院では、ムスリムの生徒さんも
いく人かあります。
先日、ラマダーン月が終わりました。
ご存知かもしれませんが、
その月は、みなさん、断食をするのです。
と言っても、日が沈めば、たっぷり食べていいのですが。

最初は、みなさん顔色が悪くなって、
つらそうにしてますが、
しばらくすると、元気マンマンになっているのが、
私にもわかります。
なんとなく、身が引き締まっています。

ところで、
それが、冬に当たる年は、まぁいいですが、
夏の暑いときに、
そして、しかも日が沈むのが夜10時ごろ、となると、
ずいぶん大変かもしれません。
何しろ、昼間は、水だって飲んではならないのです。

子どもは、参加しません。
13歳ごろに、始めるといいます。
ですが、私のクラスには、
がんばりやさんが多いのか、
8〜11歳の生徒さんが、完ぺきにこなしたりしました。
休みの日だけ、とか、
バカンスの時だけ、という人もいました。

それでも、ちゃんとピアノは弾いているのです。
体育の時間だって、「ちゃんと頑張ったよ」と
得意そうにしています。
そうですか、そうですか、
これは、きっと精神もきたえられるのかな、と
思ったりします。

そして、
私も、その恩恵にあずかります。
ラマダーンが終わると、お祭りがあります。
私は、あるお母さんから、
そのお祭りの、おすそ分けをいただきました。
手作りのお菓子です。

それが、美味しいのなんのって!

オレンジの花の味、
バラの香り、
ニッキ、
はちみつ、
ゴマ、
アーモンド、
それがまざって、何個でも食べられそうになります。
断食をしなかった私は、
これでいいのだろうか、とちょっぴり心配になりますが。

まぁ、いいか。







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2022年5月4日水曜日

スランプ的、気分


ピアノを続けていると、
たまに、スランプ的な気分になったりします。
そういう時、何もしない、というのもいいです。
暖炉に、薪を、くべすぎて、
酸素が足りなくなっている感じの時です。

それから、
もう一つ、やってみるといいのは、
「意味のないこと」をする、です。
わざと、意味のないことをします。

気ままに弾く、
易しい曲を、スローで弾く、
易しい曲を、超スピードで弾く、
ただ、鍵盤をガチャガチャ押さえて弾く、
難しい曲を、「その気になって」弾く、
全然、思ってもみなかったジャンルの曲の楽譜をゲットする、
などなど、

いつもと逆のことをしてみます。
そんな遊び方も、あると思います。

私は、と言いますと、
変な時間に弾く、というのがあります。
たとえば、真夜中に、弾きます。
すると、なんだか、上手くなったような、
不思議な感じがします。

今では、そういうことはあまりないですが、
以前は、友だちと話し込んで、
夜更けに、ピアノにさわったりすると、
いつもと違った音が聞こえたりしました。

みなさん、どんな「意味のないこと」をなさるか。
なんでも、自由に発想なさったらいいと思います。








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2022年5月3日火曜日

何を練習するかで、上達が決まる


 

趣味でピアノを弾いているのですから、

どんな曲を弾いたっていいのです。
別に、規則はありません。

一方、
教える側としましては、
上達してほしい、という願いがありますので、
もし、どなたかがレッスンに見えれば、
曲選びは、慎重に行います。

曲を選ぶときに、
私のアタマの中に、どういうことが起こっているかと言いますと。

1)ご本人が、今、「どんな曲の気分か」を大事にする

2)その曲を通して、どんなスキルをゲットできるか

と、
この2つが、大きな基準になります。

1)は、おわかりのように、
「弾きたい」という気持ちは、とても強力なエンジンですから、
これがあると、スイスイ進めます。

次の、2)ですが、これには、いろんなことが含まれます。

テクニック、
リズム、
楽想、
様式を学ぶ、
筋肉をつける、
ある特定のクセをほぐす、
などなど、

書き出したらキリがありません。

ということは、逆にいうと、
どんな曲でも、たいてい、ゲットできるスキルがある、
ということかもしれません。
ここは、
およその、目的をはっきりさせて、
取り組むようにしています。

ただ一つ、
気をつけていることは、
その人の、今という時にかなっているか、です。
やさしすぎでもなく、むずかしすぎでもない、
というようなこととも言えますが、
もうちょっと、複雑です。
今、そういう波に乗っているか、というようなことです。
そこが、微妙です。

言葉では、説明できませんし、
考えても見つかりません。
カン、で行きます。
そこは、教える側の、センスが問われると思います。
そこが大事なように、思います。

このプロセスが進み、
その曲が弾けるようになって、
生徒さんが、ぐんとレベルアップされるのを見ますと、
とても、うれしくなります。



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