2025年5月28日水曜日

たった一晩で、何が起きた?


前回は、オンライン受講生の方が「ぐん!」と上達なさった、
という話をしました。
もちろん、これまで(私のところでは3年間)、
コツコツと、深く掘り下げて、
研究、練習なさってきたからなのですが、
ここへきて、
ずいぶんと変化がありました。

その大きな変化には、
やはりきっかけがあったように思います。
それは、
ある演奏会を聞かれたこと時に起こりましたので、
これだと思います。

それは、
あの、チケットを取るのが難しい、
マルタアルゲリッチさんの生演奏を聞いてこられたこと。

水戸まで、2時間かけて
迷いながら行かれたご様子。
下に、体験談を載せます。


***

 おかげさまで無事にギリッギリで間に合いました


開演1分前くらいに座れました(笑)


アルゲリッチ、すごいですね


️一体、いくつの音が出せるんだろうというくらい、

音のグラデュエーションが素晴らしかったです


***


シューマンの「異国から」も弾いてくれましたが、こうして弾くのね

と開眼でした。


アルゲリッチの後ろからだったので、

左手しか見えなかったのですが、

左手ベースの音、音量を出したい時には

小指と薬指使って2本で弾いてました。

こういう弾き方もあるのかと勉強になりました。


会場が中ホールで、舞台真上の2階席だったので、

目と鼻の先で演奏が聴けました


世界的に有名なピアニストが目の前にいて、

自分と同じ時間を共有しているというのが

なんだかとても不思議な感じでした。

行って本当によかったです



これから2時間かけて帰ります〜


水戸は遠いですね


帰りは寝過ごさないように気をつけます


***



腰も少し曲がってらして、

歩き方も『おばあちゃん』でお年を感じましたが、

それであれだけの演奏ができるというのがすごいですね。

アルゲリッチのすごさがわかった気がします。


とにかく音色の幅が広くて

それを素晴らしく上手に使いこなして

この曲にはこの音色がピッタリという音色で弾かれてました


頭の中にこの曲、この場面ではこの音、というのがあって

それを体現されてるんだろうなぁと思います。

これは私もマネ

(と言っても簡単にできるものではないですが)

したいです。


と色々、感動の連続でした


ご年齢がご年齢ですが、

これからもお元気で素敵な演奏を

沢山聴かせていただきたいですね


来年も来日されたら、

なんとかチケット入手してまた聴きに行きたいです


生演奏はやっぱりいいですね〜


️***



(* もっとお話聞かせてください、という私のリクエストに)


そんなにドタキャンが多い方なんですね

今年1月くらいから行きたいなぁと思っていて

狙ってたんですが、チケットが取れず、

一度は諦めたんですが、

たまたまチケットが流れてきて本当にラッキーでした



演奏会の項目はこれです(ベートーベン協奏曲2番)


他に、アンコールでシューマンの『異国から』と

『夢のもつれ』を弾いてくれました。



***


指の動き、音の出し方と

アルゲリッチの弾き方に集中してたので、

曲としては鑑賞があまりできていないのですが、

オケとピアノの音が合わさった音(全体の音)を

すごく意識して調整しているなぁというのを感じました。


オケが目立った方がいい箇所は

すこ〜し鍵盤をタッチするくらいで、

聴こえないくらいの (でもわずかには聴こえる) 音で

弾かれてて、

全体の観客に聴こえる音として

バランスがいい音になるんです。

おぉーと思いました。

本当によく聴いてるんですよね。

私なんて 自分が弾くことだけに必至で

全体の音のバランスなんか、

全然聴けてない、

意識できてないわ〜


と反省でした。


今週末、

発表会で娘と次男と合奏しますが、

アルゲリッチの演奏を聴いて、

自分のパートの音を全体として聴いた時に

どの音量で弾けばよいかと見直しました


***


アルゲリッチの『異国から』を聴いて涙出そうになって

こうして弾くんだ〜


️と開眼だったので、トロイメライでもあの感じを


(* 今、この受講生の方は、

同じくシューマンのこの曲を練習中)


️と思って気合い入れて弾いてみたんですが、

アルゲリッチへの道はだいぶ遠かったです(笑)


トロイメライ。

私はおぼろげな昔を思い出して

ちょっと切なくなる感じがするんです。

その切ない感じ。哀愁漂う感じを

もっともっと出したいんですが

どうしたらでるんですかね〜。


もっとテンポ落として、音の響きを感じてみるとか?!

今週土曜なんで時間がもうないんですが、

ちょっと研究してみます



***



と、このように、
なかなか熱が冷めないという感じの文章を送ってくださいました。
そして、
ずいぶん色々なことを見て、聞いて、
吸収なさってきたようです。

ご自分は、音の出し方など、
技術的なことに目がいって、
曲の「鑑賞」はできなかったと書いておられるのですが、
ですが、
その次に送られてきた
「トロイメライ」の演奏は、
いつもと全然違うものでした。
素晴らしい演奏です。
心に響きます。

ご本人は気づいていなかったと思いますが、
実は、
演奏の「心」のようなものを
きちんとキャッチしておられたのです。

ここが肝心です。
言葉にできないこと、
頭では分析できないこと、を
私たちは感じることができる、ということです。
一瞬にして、感じることができます。

とても嬉しい変化でしたので、
書いておこうと思いました。

それにしても、、
「だから、この仕事はおもしろくて、
やめられない、止まらない」になります。




* まとめ

生演奏のショックは、言語化できなくても、
確実に私たちを変えるのかもしれない







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2025年5月22日木曜日

ある時突然、上達!


もちろん、そのきざしのようなものはあったのですが、
今回、ガクンと上達なさった受講生の方がありましたので、
とても嬉しく、おめでたく(?)思いました。

コツコツよくお勉強なさる方ですから
当然といえば当然ですが、
ふだんの、ゆるやかなレベルアップではなく、
ガクンとアップ、いう感じです。

技術的にも、最近、
だいぶレベルが上がってきましたので、
喜んでいたところです。
ですが、今回は、音楽的に、
だいぶ見違える(聞き違える)ほど、
変化がありました。
ブラボー!

前回にレッスンでお話ししたことを
一生懸命追求なされて、それがうまく行ったのですが、
でも、それだけではない感じ。
もう一つ、
心当たりがあるのです。

その影響が大きかったのでは、と思います。
このお話は、
また次に書きたいと思います。

(続く)



* まとめ

コツコツだけでなく、
「きっかけ」ということもある


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2025年5月14日水曜日

「毎日弾かなくては」という考えはもう古い


 最近よく思いますが、
60歳を超えた私は、20歳のときとは違う
練習のしかたをしています。

おおまかにいいますと、
自分の弱点がよくわかっているので
より焦点を絞れることがひとつ。
あともうひとつは、
シャクにさわりますが、
ガンガン練習したあとの回復に、
時間がかかるということです。

それと同時に、
アスリートがパフォーマンスを上げるための
科学の進歩もあります。
スポーツの世界では、「回復期間」ということを
とても大事にするようになってきました。

つまり、
筋肉が回復するということについて
いろいろ細かいことがわかってきたからです。
その点で見ますと、
20代の人と60代の人とでは、
回復時間に差が出ますから、私がいくら
腹を立てても、必要なものは必要なのです。

ということは、逆にいいますと、
毎日弾かなければだめ、という考え方は
もう古い、とも言えます。
大人になったら、
適当に休む時間を取るのが賢明ということになります。

そして驚きなのは、回復期には、
ただ筋肉や神経が休むだけでなく、
「ねかせて」いる間に、以前よりも改善する、
ということです。
休ませないと、その改善が潰される、とも言われています。

実は、私もそれを感じていますし、
長く弾き続けているピアニストを見ると、
自然にそういうことをしているようです。

私は、そのことを取り入れて、
自分の練習のリズムも、
もう一度見直すつもりです。
そして、実証できたことを、
また、ここに書いていきたいと思います。












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2025年5月10日土曜日

私のウォーミングアップ


ここロワール地方では、けさは10℃と、
とても涼しいです。
朝の散歩では、手袋をしてくればよかった、と
思うほどでした。

さて、
ピアノでウォーミングアップというと、
ハノンスケール、アルペジオなどをよく行います。
これは大切なことで、
ケガを防ぐだけでなく、
このほうが絶対よく弾けるようになります。

そして、
なかなか言われていないことがあります。
これは、ピアノに向かう前に、
全身を準備する、です。

これは1〜3分で良いのです。

*あのラジオ体操でもいいですし、
*両手をぶらぶらと、前、うしろ、回して
体をねじるのもいいですし、
*首を回したり、肩、手首をゆっくり回したり、
*もちろん、お散歩もよろしい

なんでも、考えつくもので、
関節や筋、筋肉を色々な方向に動かしておく。

これだけで、
さらに、その日の練習に油がのります。


まとめ

(これは、若い頃には気にしていなかったことです)
全身ウォーミングアップは、効果あり








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2025年5月7日水曜日

こうすれば、大体安心!


レッスンでも、コンサートでも、
本番が近くなると、緊張します。
上手に弾きたい、という気持ちがあれば、
多少は緊張するのはしかたありません。

実にイヤな気持ちですけれど、
無くそうと思えば思うほど、
たいていは、その気持ちが増えるようです。

さて、
それを少しでも減らそうとする時の
コツみたいなものを、私は持っています。
準備をよくしておくということです。
それには、もちろんよく練習する、ということですが、
ただ、闇雲に出来上がったものを
何回も繰り返していてもうまくいきません。

私は、
もちろん部分練習をします。
そして、
通しの時、ちょっと、ゆっくりめに弾いてみます。
音楽的表現も同じようによくして、
テンポだけをゆっくりにします。

これができれば、
大体安心できる、と思っています。
これができないのは、
ただ習慣で体を動かしていることが多く、
まるで自分で何かをしているという感覚が
だんだん遠ざかっていくような気持ちがします。

それを取り戻すために、
こんなチェックをしています。


* まとめ

出来上がったら、
たっぷり音楽的に、そして、
ちょっとテンポを落として弾いてみる






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2025年4月28日月曜日

先生がいない時に、上達!


フランスでは、2週間のイースター休みが
ありましたので、
私も東京に帰省することができました。

その間、音楽院の生徒さんは、、、。

人それぞれですが、
今回、ものすごく変化した生徒がいます。
中学生の女の子2人。

一人は、
まだピアノを始めて3〜4年しかたっていないのに、
いつも難しい曲に挑戦して、
ガンガン仕上げてくるような人です。
柔道でも国単位で入賞したりしますが、
今、ひざにケガをして、1年間柔道はお休み中です。

それが、この数週間で、
表現力とてもアップ!
ちょっとメランコリックな小品を、
ものすごく上手に弾いてくれました。
強弱、ポリフォニー、うまくこなしています。
心にジンジン響きます。

思わず「うまい!私みたいに弾いてる」と言ってしまいました。
こんなこと言うなんて、不遜なのですが、
3〜4年の経験で、
私のような60年の年季の人のような弾き方
歌い方ができるというのは、おどろきです。

びっくり、感激しました。
めったにないことです。
この先が、楽しみ。

もう一人は、経験は7年くらいになります。
いつも、タッチが浅くて、
ふにゃふにゃした演奏をしていたのですが、
この数週間で、
タッチがはっきり、
そして、
表現がはっきりしてきました。

将来は歯医者さんになりたい、と
言っていますが、
同時に、小さいころから小説を書くのが好きです。
言葉の「あや」、
表現の機敏さが、
よくわかる人。

弾く曲の選曲に、注文がうるさいです。
子供向けの曲では、
満足がいかないことが多く、
選曲には苦労しました。
でも、レベルが上がるにつれて、
弾ける「名曲」も増えてきています。
おかげで、
上達にも加速がかかってきます。


さて、音楽的には、
理解はしていても、今まで、
表現力がイマイチだったのですが、

今回は、
ストーリの流れが、しっかり音に表れています。
細かい微妙な表情も、上手!
テンポも安定していいて、
まるでプロの演奏です。
「うわぁすごい、一体、どうやって練習したの」と
聞いてしまいます。

いずれにしても、
私がいないときに、
レッスンがないときに、このように上達したのです。
去年も、
私が風邪をひいてお休みしていた時に、
ぐんぐん伸びた人が多かったです。

ちょっと、
微妙な気持ちがしますが、

何はともあれ、
うれしい再会でした。


これからも、そういう瞬間を
たくさん持てますように。




 













Chiyo

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2025年4月24日木曜日

ライブと、対面レッスンの良いバランス



 

(オンラインレッスン、再開しています!)

2週間ほど、東京に行っていました。
お天気もよく、桜や富士山に迎えられて、
日本という国は、
なんて、美しい国だろうとあらためて思いました。

楽しみの一つに、
オンラインレッスンの方と対面でお会いできる、
ということです。
レッスンも行って、
またその後でお食事もご一緒。

動画レッスンと、
年に2回の対面レッスンで、
バランスがとれていると思います。
そして、皆さん「教わり上手」です。
今回もまた、
ぐん!と上達なさいました。

また、
アメリカの受講生の方とは、
すれ違いで東京でお会いできました。
その方が羽田を発つ日に、
着いたばかりの私と会ってくださいました。

これまた、ちょっと感激ものでした。
4年間、オンラインで熱心にピアノを習っている方です。
初めてお会いしたのですが、
でも、初めてではないような、
よく知っている方、という感じがしました。
思った通りの、魅力的な方でした。

(あとで教えてくださいましたが、
羽田では、
ストリートピアノでお弾きになったということです。
拍手!)


そして、
私は、フランスに戻ってきて、
ちょっと時差ぼけも残っていますが、
ふだんの生活になりました。
フランスも、春は青葉がキレイで、
これまた美しい国だとも思いました。

それでは、
みなさん、またピアノの奥深い道を
一緒に進んでいきましょう。






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2025年4月5日土曜日

「初めて」お会いするのかどうか?


フランスでは、イースターの休みに入っています。
その間、2週間ほど、
「ふだん塾」オンラインレッスンは、お休みにいたします。

そして、東京に出張して、
対面レッスンをいたします。
対面を希望の方と、お会いしてレッスン、
そしてオフ会も楽しむ予定です。
西日本の、遠いところから来てくださる方もあります。

また、今回は、
アメリカ在住の受講生の方と初めてお会いします。
たまたま東京ですれ違う、ということが
判明しましたので。

もう4年間も、オンラインでお話し、
レッスンを行なってきた方ですので、
とてもすぐそこにおられるような、
ご近所の方のような気もします。

でも、いざ、お会いするとなると、
なんだかドキドキ。
初めてのようで、初めてではない出会い。
これも楽しみです。

それでは、
オンラインのみなさま、
また、近いうちに。
それまで、お元気でおすごしください。


Chiyo






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2025年4月4日金曜日

弾いている時の、頭の中

たまに私がピアノを演奏しているときに
どんなことを考えているか、と聞かれます。
自分でも、以前、それを観察してみたこともあります。

答えは。。
あまり信じてはもらえませんが、
拍をカウントしていることが多いです。

言い換えますと、
ビートを感じていることが多い。

もちろん、
歌を歌うことはしていますし、
全体を聞いています。

同時に、拍をとても気にしています。
テンポの軸となるものに、いつも気をむけています。
これは、人によって違うかもしれませんが、
私は、こうなのです。
そうでないと、とてつもなく関係のないことに
思考が飛ぶこともあるのです。

「さっき、あの人がこういうことを言ったが」に始まって、
「今日の夕飯は?」などの、ごく平凡な問いも。
集中のために、
マントラのように、カウントしていますし、
同時に、それは、とても
便利なことでもあります。
曲の安定感として、とてもよろしい。
いい指揮者さんが、いい音楽を奏でられるのと同じです。

それはさておき。
皆さんは、何を思って弾いておられるのでしょうか。
今度教えていただきたいものです。

興味いっぱいです。




 


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