先週、たったの5時間で、
3年間の悩みが解決する、という感動的なことが
おこりました。
どういうことかと言いますと、
実は、3年前に、私のピアノは
ダメージを受けてしまったのです。
これは腕の良くない技術者に任せた私のせい、といえば、
私のせい。
それがひとつ。
次に、
やむなく、ハンマーの全取り替えを行うことにしました。
とはいうものの、
そう簡単にいい技術者が見つかりません。
ここがいいな、と目をつけて、
お願いしました。
自宅から、
ベルサイユの近くのアトリエまで
ピアノが運ばれてゆき、
私も、そこへ様子を見に行ったり。
そして、ようやく出来上がって、
私も喜んでいたのですが、
どうしても、いい音が出ない。
また、別ないい人に整音をお願いしても、
一向に良くならない。
それがふたつ目。
これで合計、3人の技術者が関わっています。
そのまま、解決法が見つからず、
3年間、とても苦労しました。
私のタッチが、変わってしまったくらいです。
なにしろ、音色が、無い。
そして、
中央から右の音が響かない。
低音と高音のバランスが悪い。
これほど、ピアニストにとって
ハートブレイクなことはありません。
それが、
ひょんな偶然で、ある人と出会い、
その技術者さんが、
すぐに、
遠い南フランスから来てくれることになって、
たった5時間で、解決!
(4人目の技術者さんとなります)
私は、その仕事ぶりを、部屋の外でじっと聞いていました。
そして、
作業の終わりの方で、彼がスケールを弾き始めた時。
あぁ、以前の音がする、、、と、気づいた時、
心がジワーっと熱くなってきました。
そして、涙があふれてきました。
今までの悔しさ、
苦しみ、
悩み、
「ハンマーを変えると、音色が変わってしまう」と
言った人に、
「それは違いますよ!」と言いたい気持ち、
私の、この大好きなピアノの音色が戻ってきた、という気持ちが
混ざって、涙が止まりません。
それは、もう、
テレビでたまに見る、
人質が解放されて、戻ってきた人が、
家族と抱き合って、涙を流しているのと
同じかどうかわかりませんが、
そんな光景が浮かんできてしまいました。
今でも、
これを書いていて、
また涙ぐんでしまいます。
私のこの楽器は、
20年以上も前に、数台ある楽器から、
数時間かけて、選んだものです。
大好きな楽器です。
その時の、あの音色を取り戻せました。
めでたし、めでたし!です。
マルタ・アルゲリッチが、
「この楽器は、ピアニストよりも上手に弾けてしまう」と
表現したことがありますが、
まさに、その気持ちが、戻ってきました。
気持ちよくって、
快くって、
なんでも弾ける(?)ような気持ちになってしまいます。
3年の苦しみから解放された瞬間でした。
読んでくださり、ありがとうございました。
Chiyo
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フランス在住ピアノ講師
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