ギッチョと言っては失礼ですが、
私の生徒さんの中に、病弱で、
手が、ほんの少しこわばっている大学生の方があります。
あまり、スラスラ行きませんが、
そんなこと、かまいません。
できあがるのに、
平均より2〜3倍の時間はかかりましたが、
シューマンの小品を、弾けるようになりました。
とても味わい深い演奏です。
本人も、大満足ですし、
ステージでも、気持ちが良かった、と言っていました。
練習段階では、
そばで見ていて、
もどかしい気持ちはします。
あぁ、これほど苦労しているのだな、と
敬服の気持ちにもなります。
そして、
この先どうなるのだろうと思いきや、
練習したことは、必ず身についているのです。
だから、
まるで、石を積んで塀を作るように、
だんだんと出来上がっていくのです。
それが、一旦できたのに崩れる、ということはなく、
着々と進んでいくのです。
ものすごくノロイですが、いったんできたものは、
確かに、そこにあるのです。
思えば、
私のピアノ人生でも、
わりと簡単にできる部分と、
できない部分とがあって、
できないことは、ものすごく苦労しました。
だから、そのぶん、そこに力をつけられた、とも言えます。
よく思うのですが、
何かをすんなりこなせない、というのは、
そう悪いことでもないかもしれません。
しつこく、続けてやっていれば、
必ず、できるようになりますし、
それどころか、
それが強みになったりもするかもしれません。
Chiyo
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フランス在住ピアノ講師
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