めんどうくさい譜読みをしたり、
指づかいに注意したり、
ここはどの声部をメインに歌わせようか、などなど、
ピアノには、
ずいぶん細かい作業が多いです。
先生も、うるさいことを言います。
それでも、
この苦労を通り越せば、
その後に自由が待っている、というのは、
大人になった私たちには理解できることです。
まるで、
「いや、いや」と地面に身を投げて駄々をこねている子供に、
社会のルールを教えるようなものです。
大人になった時に、
自由度が増すわけです。
法に触れたりして、
かなりの自由度を失ってしまうリスクも下がります。
さて、
そんな風に、
立派に育った大人が落ちるワナがある。
ピアノについての話です。
とても微妙なので、
なかなか目には見えませんが、
確かな割合で存在しているようです。
これは私自身が落ちたワナです。
それは、
本番で弾くときに、
すべてをコントロールしようとすることです。
準備万端に練習したものを、
まるでCDのように、同じように再生しようとすること。
これは、必ず失敗します。
まず、
完璧に同じことはできませんし、
また、
そのことで音楽的にがんじがらめになります。
ミスを恐れるようになり、
かえってミスをし始めます。
恐れているので、
音楽性から、だんだん離れていきます。
などなど、
良いことはひとつもない。
それとは逆に、
コントロールしない、
これはむしろ即興、と考えて、
「何を伝えたいか」だけに集中していくのです。
すると、
だんだんと、潜在能力が表面に出てくるようになります。
それが、素晴らしいのです。
自由感、というのか、
自己実現、というのか、
言葉では言い表しにくいですが、
あ、こんなことが言いたかったんだ、
こんなこともできるのだ、という感じがします。
これはとても楽しいものです。
そして、何より、ラクなのです。
音楽(ラク)です。
これは、どんなレベルの人でもできます。
また、これは、
そうなってしまうもの、ですので、
人工的に一生懸命作ろうとしても、
できません。
たぶん、同じことが、
どんな芸術活動にも言えるのではないかと
思っています。
* まとめ
すべてコントロールしようとしない。
いったん、この仕組みがわかってしまえば、
練習の仕方もおのずからわかるようになる。
Chiyo
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フランス在住ピアノ講師
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