2024年4月19日金曜日

「ふだん塾」対面レッスン


ここしばらく、風邪をひいたりして、
スローになっていました。
思い通りにコトが運ばないというのは、
じつに忍耐のいることだと、
思いました。
元気でいられるっていうのは、
本当にいいこと、とつくづく思いました。

さて、
だいぶ良くなりましたので、
予定どおり、2週間ほど、日本へ行きます。
いつもは「ふだん塾」はフランスよりオンラインですが、
希望の方は、
日本での、対面レッスンも受けられることになっています。

リピートの方、
またお目にかかれるのが楽しみです。

そして、
その間、このブログは、ちょっとお休みにいたします。
フランスに戻りましたら、
また、お目にかかります。

去年は、
日本から戻ったら、スズランが咲いてました。
今年は、もう、行く前から咲き始めています。

それでは、
しばらくごきげんよう。




Chiyo








Chiyo

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2024年4月15日月曜日

こうやって、ガラッと変化




ピアニストは、音を扱う芸術家です。

ですから、耳を使うのが、一番大切なはずです。

それが、
ともすると、目の方が優先になっている時もあります。

目に見えるものと、
耳から聞こえるものと、どちらの方が、
われわれに影響を与えるかというと、
がぜん、「目に見えるもの」なのだそうです。

テレビのコマーシャルだって、
しゃべっている内容より、
見えたものの方が、影響するそうです。

それを逆手に取ります
楽譜のオタマジャクシを追いかけてばかりいると、
耳が使われていない可能性がある。

ですので、
そういう時は、暗譜で弾けばいいですし、
さもなければ、そのパッセージだけを目をつむって弾く。

すると、
聞こえ方が、ガラッと変わると思います。
私は、よく、こうやって、
ピンチを乗り切っています。


* まとめ

聴覚を、優先させる方法









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2024年4月11日木曜日

「脱力」という誤解


ピアノを弾くのには、

脱力をしなくてはいけないと思っている方は多いです。
特に、先生に多いです。

ですので、そう言われた生徒さんは、
そう思ってしまいます。
ですが、ちょっと考えてみると分かりますが、
脱力して弾いているピアニストは、いません。

例えば、手のアーチ、と言いますが、
これは、脱力していては、できません。

また、ピアノを弾くときには、
椅子に座って、
背筋をまっすぐにしますが、
これは、脱力していては、できません。

だらっと、寝っ転がっている時でさえ、
きちんと脱力しているかといったら、
そうとは言えないのです。

さて、
先生が、「脱力して」とおっしゃる時は、
たぶん、きっと、
肩が固まっている、とか、
息を詰めていて、横隔膜が上がりっぱなし、とか、
そういうことだと思います。

まぁ、先生の前では、
上手に弾きたいですので、
どうしてもそうなってしまうのかもしれません。

解決策は、
ちょっと逆説的ですが、
きちんと指のエクササイズをして、筋肉をつけておくことです。
練習をこなすことで、柔軟性もつきます。

また、腹筋など、体幹の筋トレをしておくと、
体の使い方に余裕が出てくるような気もしています。
無駄なところに、力を入れないですみます。
猫のように動けるようになります。

そういうことの積み重ねで、
徐々に、「脱力」して、ラクラク弾いてるように見えるのだと
思います。



* まとめ

よく練習して、筋肉をつけておくと、
しなやかに、弾けるようになる



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2024年4月8日月曜日

曲を通して、伝えたいこと


(しばらく、スローになっていました。
どうやら、タチのわるい風邪にかかったようです。
もうだいぶよくなりました)

さて、
前回の、曲を通して言いたいことをよくわかっているといい、
というテーマについて。
いく人の方から、どうしたらいいのか、というような
ご質問を受けました。

すぐ、答えが浮かばない方は、
それで、大丈夫です。
方向として、そちらの方を見る、という感じでいいと思います。

それまで、
手始めとして、
他の人の生の演奏を聴いて、
「好き」
「何かちがう」というような感想を
持つ習慣をつけるのもいいかもしれません。

この人は有名な人だから、とか、
この人は、賞を取った人だから、と、
そういうことは脇に置いて、
純粋な感想に、注目します。

そのほか、
この作曲者のものが好き、とか、
いろいろ出てくるでしょう。

そのためにも、
アンテナをめぐらせておくのは、いいと思います。

お稽古事ですから、
「型」を覚えなくてはなりません。(技術、楽譜の読み方など)
そして、
それと同時に、もう少し自由に、
感性」を育てておくのもいいと思います。

そのバランスが、いいのだと思います。






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2024年3月26日火曜日

これがないと、ちっとも上手くなれない

先日テレビで、心に残った言葉がありましたので、
書いておきます。

先週は、ちょっと風邪をひいていました。
やっと起き上がれるようになって、
まぁ、テレビも見られるようになった時。

とてもマニアックな世界を見せてくれる番組を見ました。
ラーメンを自作する人たちのコンテスト。

ファイナリスト3人は、
自由自在に、
課題「あなただけにしか作れない塩ラーメン」を、
創造していきます。
2週間かけて準備。
そして、本番スタジオでは、
審査員の前で、1時間半作り上げます。

ピアノコンクールを体験したことのある方は、
ちょっとは共通点があるような気がして、
手に汗をにぎるかもしれません。

さて、
みなさん、ものすごいレベルの
追求の仕方です。
ラーメンとはいえ、これですと、
もう、芸術のはんちゅうに入るといえます。

そして、
最後、審査員の一人、フランス料理のシェフ(日本人)
がおっしゃっていた言葉。
それが印象に残りました。

「何を伝えたいか、何を言いたいか、がわかっていること」
というようなことです。
あぁなるほど、
実に、その通り。

ピアノでも、私は、技術に気を取られて、
結局、何を言いたかったのか、
忘れている時があります。
特に、コンクールのステージで、そうなります。

そして、
そういうケースも、よく見てきました。
それが、
ラーメンの世界でも、そうなのですね。
なるほど。

そして、これは、
ピアノのどんなレベルの人にも言えることだと思います。
これをわからずに、ただ「上手くなりたい」だけでは、
なかなかうまくいきません。
逆に、それがわかっている人は、
上達が早いです。




* まとめ

「この曲で、何を言いたいのか」を、わかっていること






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2024年3月18日月曜日

「そんなことが今の自分にもできるのか」と思わせてくれた


今日は、「ふだん塾」受講生の Judyさんの体験談を
ご紹介します。
私と同年代のJudyさんは、
ずっと暗譜はできないと思っておられましたが、
今回、できるようになりましたので、
喜んでおられます。
それどころか、さらに音楽的に、ぐっと上達なされました。
さらにステキな演奏になってきました。

ご存知の方もあると思いますが、
プロのピアニストとして、私は、ピアノで暗譜することは、
大して問題にしていません。

暗譜であろうが、なかろうが、
大事なのは、聞こえてくる演奏だと思っています。

けれども、
今回は、数年来の受講生でおられるJudy さんに、
暗譜することをご提案したのには
ワケがあります。

まず、ご本人は暗譜できないと思っています。
そんなはずはないのですが。

次に、あまりにも楽譜を見つめて演奏されているために、
目が活発になりすぎているということがあります。
その分、
耳がおろそかになっている疑いは、あります。


というわけで、
少しずつ、暗譜をする練習をしていただきました。
やり方は、ここでは省きますが、
その時の、メッセージのやり取りを、
ご紹介したいと思います。




*****


 2024年 1/31


暗譜の件、わずかな一歩ですが、

前回の課題を終えた時、実はとても頭がスッキリした感じがしました。

普段使っていない脳の部分に 足を踏み入れて開拓したような感覚でした。

人間は日々慣れた営み以外のことを あえて行おうとしないから、

新たに開発されることがなくなって どんどん衰えていくんですね。

今回の課題は 今まで踏み入れてこなかった部分が回転し始めたような感覚でした。

小さな事ですが、

そんなことが今の自分にもできるのかと思わせてくれた瞬間でした。

先生の粘り強い指示のお陰ですね(笑)


バッハはやはり先生の演奏が物語っていますね。

同じ曲なのに、自分の演奏とは全然違うことがよくわかります。

これからは内なる耳を頼りにする感覚を捉えられるようになるといいです。


2/1


Chiyo先生

こんばんは♪


ショパン、良い方向に行っているとのこと、とても嬉しいです!

スタジオのグランドピアノが良かったのかもしれません。

音量を抑える為にウナコルダも使っています。

暗譜を試みたのが良い結果を生んだということでしょうか。

もっとうまく弾けるように頑張りたいです。


夫にも今動画を聞いてもらいました。

お正月に息子の家で聞いた時よりも 全然良くなっていると言ってくれました。


*指がバタバタせず、無駄な動きが減ってきたこと。


*入口と出口のつなぎ目の部分が自然になってきたこと。


*目指す曲想の方向性がわかりやすくなってきたこと。


このようなコメントをくれました。

絵の世界ととてもよく似ているといつも言っています。


先生も歯の治療後は、くれぐれも無理なさらず、

お大事になさってくださいね。


ありがとうございました😃


Judy



2/6


Chiyo先生

レッスン動画をありがとうございます♪


自分ではほとんど自覚がないですが、進展していると聞いて嬉しいです。

バッハ935の前半はなぜ全部暗譜できたのか不思議な感覚です。

引き続きがんばりたいです。


今息子が体調を崩して寝込んでいるというので、***に来ています。


家に帰ってゆっくり課題を見直します。

インベンションも改めてまた弾いてみます。


それではまたよろしくお願いします🙋‍♀️




3/3


Chiyo先生

指の具合がまだ悪い中、レッスン動画をありがとうございます♪

先生に褒めていただいて、本当に嬉しいです。


私の音楽性というものがどんなものか、

自分ではまだわからないですが、

とりあえず弾きたいように弾くということ、

自分の感性に耳を傾けて表現したいように弾くことの大切さ

やっと気付かさせていただいた感じです。


もっと若い時に気づいていれば、

もっと上手く弾けるようになっていたかも…と思いますが、

今そのことに遅ればせながら気付いたのは人生の収獲です。


ありがとうございます😊😊😊


Judy




*****



暗譜をすることが目的ではありませんでした。
目的は、より耳を活発にする、ということでした。
そして、副産物として、
暗譜で弾ける、のですから、
これまた楽しいことではないかと思います。
自由な感じがすると思います。


「とても頭がスッキリした感じ
がしました。

普段使っていない脳の部分に 足を踏み入れて開拓したような感覚でした」


↑ それにしても、冒頭の、これは、すごい体験だったのではないかと
想像します。
着々と練習をなさっている、その賜物だなぁと思いました。

ステキな体験談をどうもありがとうございました。






Chiyo

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2024年3月16日土曜日

譜読みに、時間がかかる


ピアノ初心者の方から、たまに、

譜読みに時間がかかります、ということ聞きます。

譜読みに時間がかかるのは、
ある程度しかたありません。
私も、小さいころ、
譜読みの期間が苦手でした。
実は、今でも、あまりこの作業が好きではありません。

やはり、
指が曲を覚えてくれて、
自由に弾けるようになる瞬間が、待ち遠しいです。

ところで、
楽譜の読み方の話です。

ほとんどの場合、
ヘ音記号とト音記号と、
2つの違うシステムの音符を、並行して読んでいます。
これは、すごい能力だと思います。

そうでない楽器もあるのです。
一度に1音しか出さない楽器。
それと比べたら、ピアノの譜読みは、
かなり複雑なのです。

その時、
あなたの目は、どのように働いていますか?
漠然と見ていますか。
それとも、
下、上、下、上、でしょうか。

慣れてくると、
漠然と見ているようにも思えますが、
実は、(私の場合は)和音など、
下から上、
下から上、ということを繰り返しているようです。

(まずは片手ずつ、次に両手で)

特に、初心者の方は、
そこを意識して読むと、
譜読み速度の効率が上がるのではないかと思います。


* まとめ

譜読みをできるだけ早くする
→ 下の音から上へ、と読む


 


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2024年3月11日月曜日

もっとキビキビと、カッコよく弾きたい


もっと、すっきりと、キビキビとした音で、

かっこよく弾きたいのに、と思います。
特に、
8分音符や、16分音符が並んている時。

そういう時は、ごたごたと考えずに、
リズム練習をします。
片手ずつです。

1)ターッタ、ターッタと。
そして、その逆、
2)タター、タター。

それが終わったら、
(これは、私のオリジナルなのですが)
3)元気のいい、フォルティッシモの、スタッカートで
弾きます。

ちょっとゆっくり目で、
上から指を落とすように。
すると、手が響いて、少しインパクトがあります。
それは、
以前にガッテンという番組で見た、
「かかと落とし」という体操と似ているようにも思います。

(もしかすると、
同じように、骨にも影響があるかもしれない、と
このごろでは、ひそかに思っていますが、
実際どうなのかは、よくわかりません。
体に良さそうな気もします)

いずれにしても、
こうすると、てきめんに、指が器用になって、
うまく弾けるようになります。


* まとめ

きれいに弾きたくなったら、リズム練習。
そして、ff のスタッカート練習も。










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2024年3月7日木曜日

上達のコツ


 音楽表現で、大事なことがあります。

ここを、押さえておくと、
上達が、ぐんぐん進むように思います。

それは、
自分は、ここで、何を言いたいのか、
何を表現したいのか、を、
はっきり感じている、ということです。

それがなくて、
ただ、先生に言われたことを、
そのままやってみるだけでは、
なかなかうまくいかなかったりします。

先生は、あのように言われるけど、
私は、ここは、絶対こうしたい、
こういうことを、表現したい、
というのが、強くある、のがいいのです。

そうすれば、
先生は、「それを言いたいのですね。
それだったら、このように表現したらいいでしょう」などと、
お手伝いすることができると思います。
(理想的には) 

それがわかっていると、
今まで先生に頼っていたのが、
自分を頼って、表現することができるようになります。
色々なことが、
どんどん進むと思います。


* まとめ

「何を言いたいのか」を、わかっていることがコツ






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2024年3月5日火曜日

理想的な、親指のくぐらせ方



ピアノでスケールを弾くときの動きで、
「指くぐらせ」という動きがあります。
それについては、私が日本で習ったのと、
フランスでよく聞く説明では、ちょっと違いがあります。
どうするのが理想的なのでしょう。

たとえば、のぼりスケールを弾く時、
右手では、
1-2-3 と弾き、次に、1-2-3-4と続く、
その3から1への動きです。

そこがスムースに行くと、いいレガートになります。

「はい、今、指くぐらせをしました!」というのが、
ピアノの音にあらわれないように、
いろいろ工夫します。

さて、
フランスでは、手は、絶えず前を向いていなくてはならず、
コンパスのように、回転運動するのは、いけない、と
説明する人が多いです。

私は、
手首は、ゆるんでいる方がいいと思います。
まずは、3の指までふつうに弾いて、
その打鍵のすぐ後に、さっと、コンパスの動きをする、
そして、親指を次のキーの上に置く、というのが、
いいと思っています。

そして、手首がしっかりゆるんでいれば、
最小限の動きで、
なめらかに行くのではないかと思います。 

なお、
下りスケールでも、同じことが言えます。
まずは、1でふつうに弾いて、
その後に、さっと、
次の3や4を持ってきます。

その時には、親指を軸に、
コンパスのような動きを使います。


* まとめ

親指くぐらせの時に、
動きをスムースにする工夫




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2024年3月4日月曜日

「スグルー」をご存じですか?(ピアノとは少しだけ関係がある)



先日、よく切れるギザギザナイフで、
パンを切っていましたところ、
パンのみならず、指先まで切ってしまいました。

あら大変、
しばらくは、ティシューを巻いて、
おさまるのを待たねばなりませんでした。
3、4日たって、
まぁ、表面的には大丈夫になりましたが、
切りどころが悪かったようです。
ちょっとさわるだけでも、痛みがあります。

パソコンのキーボードでも、
そして、なんといってもピアノのキーを
使うときに、痛むのです。
それは、一週間たっても、です。

これでは、一本の指のせいで、
残りの9本まで、なまってしまいます。
いつになったら、ピアノは弾けるようになるのか、と考えると、
どうも気に入りません。

そこで、思いついたことがあります。
指ぬきのようなもの、です。
そういうキャップがあれば、痛みもなく、
キーボードにさわれるでしょう。
そのために、いいものがあります。
スグルーという粘土接着剤です。

しばらく前に、ある人に教えてもらってからは、
我が家では、
冷蔵庫に、いつも用意しています。
(冷蔵庫のほうが長持ちする)

ご存知の方もあるかと思いますが、
この粘土接着剤は、本当に優れものです。
パソコンのケーブルでも、
こわれた食器でも、
クツでも、
なんでも丈夫に直ります。

もう、何度も便利にお世話になっています。
そして、今回は、このキャップです!
まるで、歯医者さんのように、
もしくは、ギブスのように、
中にティシューをつけて、
指キャップを作ってみました。

一晩たって、固まりましたので、
試してみますと、
便利に使えることがわかりました。
うれしいです。














おかげで、
今朝からは、ピアノを弾けますし、
(コンサートレベルでしたら、
ちょっと困るかもしれませんが)
痛みなしで、パソコンも打てます。

スグルーは、スグレ〜ものです。
感謝!















 


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2024年2月28日水曜日

どこに私の才能があるか?


 私のところへピアノを習いに来る方で、

特に、再開なさった方。
初心者の方もそうですが、

レッスンを受け始めて、
私にこんな才能があったんなんて」と、
驚かれる方がほとんどです。

どこに才能があるかは、
その方、その方それぞれ違います。

初めは、
私がお世辞を言っているのだと思っていらっしゃる方もあります。
あまり信用されていない感じがしますが、
それでも、だんだん、
納得されるようではあります。
また、
そうと気付くことなく、
ただ単に、
ぐんぐん上達されていく方もあります。

いずれにしても、
どんな方でも、才能、素質があります。
(だいたいレッスンを受けに来られるような
大人の方ですと、
たいていは、音楽的素質に、
とても大きな資源があります)

まずは、それを見極めます。
そして、それをピアノの音に出して、聞いていきます。
どういう感じがするか、
そこにアンテナを張って、
それを頼りに、進んでいきます。

それが、上達の道のように思います。





* まとめ

どんな方にも、
才能、素質があります。
それを、見ていく。




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2024年2月26日月曜日

通信簿の「呪い」

フランスの、私の勤める音楽院では、
一年に2回、通信簿を書きます。

昔は、カーボン紙のついた通信簿用の
ノートがあって、
それに、書き入れていました。
今では、それ用のソフトがありますので、
パソコンから、記入します。
このソフトは、たぶん、
フランス全国、どの音楽院でも同じものを
使っているのではないかと思います。

その記入欄には、
技術的なことや、音楽的なことについて、

1)できていること、
2)この先どうするか、

ということを書くようになっています。

この1)と2)は、
昔だったら、
「長所」と「欠点」というような言い方をしていたと思います。

それを変えたのは、
「後進国」という言い方をやめて、
「発展途上国」という言い方にしたのと、
ちょっと似ている、と私は思います。

(先進国という言い方は良いのに、
後進国が良くないのは、どうしてなのか、
私には説明がつきませんが。
解決したいのなら、そういう区別をやめるのがいいと思います)

いずれにしても、
どう呼び方を変えても、
今できていることと、
今できていないこと、という区別はあるわけです。

さて、
先日、職員会議で、
ちゃんと記入欄通りに記入しましょう、という注意がありました。

私といえば、
いつも、これを無視して、自由勝手にコメントを書いています。
注意と言っても、
まぁ、先生全員に対しての勧告ですので、
今のところは、それを無視して、自分の方針で行きます。

なぜかと言いますと、
生徒さんは、自分のできていないところは、
もう、大体わかっている、と思うからです。
そのことを、わざわざ通信簿に書くこともないと思います。

それよりも、生徒さんが
意外と知らないのは、
*何ができているか、そして、
*どんなところに才能(?)がありそうなのか、
ということだと思います。
ですので、私は、それを書くことにしています。

才能、というところが、
記入欄の2番目の
「この先どうするか」ということなのかもしれません。
ですが、
欠点を克服しようとするのと、
どこに可能性がありそうなのか、を考えるのでは、
ちょっとした違いがあると思います。

このちょっとした違いは、
長い目で見ると、
かなり大きな違いになってくるのではないかと、
私は感じています。


通信簿で、
「欠点の烙印」を押されるのは、生徒さんにとっては、
とてもよくないと思います。
まるで、若い人に「呪い」をかけるようなものです。

それなら、私が怒られてもいいですから、
その欄は、空白にしておきたいと思っています。
そして、
できていること、
その人特有の才能の「芽」について、
書くようにしています。







 


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2024年2月23日金曜日

どの曲を弾くか?が問題


 


ピアノを習ってくときに、
「曲選び」という作業があります。
これは、なかなか奥が深いものだと、感じています。

曲のおかげで、モチベーションがグンと上がる生徒さんがあります。
もちろん、その逆もあります。

大きく分けて、
生徒さんに提案する曲には、

1)その人の才能が生かされて、聞きばえのするもの

2)その人が苦手としていることを、そうでなくできるようなもの

の2つがあります。

試験、コンクールなどでは、もちろん、1)の聞きばえのするものを、
選びます。

たまに、ふだん練習の時に、
2)の、苦手っぽいものを提案することも、します。


その、塩梅が、微妙ですので、
そこは、教師のセンスが問われるところです。

いずれにしても、
私は、かなりの時間をかけて、曲選びをします。
機械的に、どなたにも同じような曲を与える教師も、あります。
どちらが良い、とは言えません。

ひとつ、生徒さんに、耳打ちをしたいことがあります。
それは、
弾きたい曲を、先生にお伝えする、ということです。

先生にも、お考えがあるので、
相手にしてくださらないかもしれませんが、
もしかすると、頭の隅に置いといてくださるかもしれません。
ひょっとすると、
そうしましょう、という展開になるかもしれません。
今は、無理でも、
「あぁ、そういうものが好きなのですね」と
似たような曲を、勧めてくださるかもしれません。

お伝えするのは、ワルくないことだと思います。

そして、
私は、うれしく思います。
生徒さんが、「弾きたい気持ち」を持ってらっしゃるのが、
よく伝わってくるからです。
心に秘めたその気持ちが、エネルギー源ですから、
大切にしています。






Chiyo





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2024年2月21日水曜日

譜読みが上手になるには

  

私が、ピアノ曲を弾く段階で、一番いやだなぁと思うのは、
譜読みの段階です。

新しい曲を始める、という、うれしさ。
音は耳に流れるのに、手が動かない、というもどかしさ。
テキトウに、弾いてみたいけど、
きちんとやらないと、この先苦労する、という切迫感。

そして、
生徒さんのあいだでは、
この問題は、深刻です。
(特に、フランスの)

けれども、
私には、マジック解決法は、ないのです。
ふつうに、片手ずつ、やるしかありません。

けれども、
ふだんから、譜読み力をアップすることは、できます。
そして、譜読み期間を短縮できます。
筋力をつけるみたいに、

少しずつ、やるしかありませんが、
ちょっとずつやれば、確実に、
アップします。

1)今弾いている曲より、2ランクくらい
やさしめの楽譜を用意する。

2)毎日、5〜8分くらい、片手ずつ譜読みをする。

*その時、大事なのは、ぜったいテンポをくずさないこと。
ゆっくりでいいのですが、何があっても、
ぜんぜん違った音でも、前に進む。

これは、もっと上級の「初見法」のトレーニングをアレンジしたものです。

とてもやさしめの楽譜でやるところが、大事です。
地味ですが、
毎日続けてみてください。

2週間ほどで、効果が感じられます。
ちょっと勇気のいる、やり方ですけれど、
やれば、それだけのごほうびが、あると思います。



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2024年2月19日月曜日

ベートーベンも、言っていた?


けさ、ツイッターで(今はX)
ベートーベンの言葉を一つ、
習いました。

「間違った音を奏でることは取るに足りないが、
情熱を持たずに演奏することは言語道断だ」ということです。

これがもし事実だとすれば、
私にとってはびっくりものです。

あの時代にも、
ミスタッチを気にしすぎて、
情熱のことを忘れてしまう人があったのだなぁ、という
親近感まで感じてしまいます。

今、現代の時代では、
何もかもがとっても立派にできてしまいます。
今だって、
私の書く文章が、瞬時に印刷文字になっています。
一昔前には、そんなことはできませんでしたし、

音楽で言えば、
ライブ録音だって、手を加えれば、
ミスタッチを正しい音に変えることだってできてしまいます。
その結果、
誰の耳も、完璧な録音に慣れています。
そのため、
私は、情熱よりも正しい音を弾くピアニスト(?)
というのは、現代の特徴なのだと思っていました。

ベートーベンの時代にも
そういう人があったのか、
それとも、彼自身のことをいましめて言っているのか、
いずれにしても、
ちゃんと表現しましょう、という気持ちがあったのだなぁと、
大発見。

このことを
喜んでいいのかどうかは
よくわかりませんが、
音楽家のはしくれとしましては、
やはりここをよく押さえておかなくては、と、
改めて思いました。











Chiyo

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