2021年5月10日月曜日

不まじめな、音色

初心者の方は、まだ、あまり気になさらなくてもいいですが、
知識としては、持っていただきたいことがあります。

左手の伴奏の音を、もっと弱く、とか、
このアルペジオの音は、もっと弱く、というお話をしても、
いっこうに変化がないことがあります。

先日、音楽院でのレッスンで、
やっと、誤解(?)が解けたので、
ああ、なるほど、と、
こちらが納得してしまいました。

弱く、と思って、一生懸命ボリュームを下げようとしても、
楽器によっては、限度があります。
それでは、ちっともうまくいきませんが、
音色を変えるということは、できます。

その時に、私が、「そうそう、それ!それ!」
と、興奮状態にオッケーを出している音というのは、
まさに、
生徒さんが、こりゃ、失敗した、と感じている音だったのです。

聞けば、そういう音は、
「不まじめ」であり、
「どうしょうもない音」で、
「使い物にならない、ダメな音」だということです。
タッチは浅いし、
はっきりしなくて、ぼやっとしているからです。

でも、
ちょっと考えてもみてください。
油絵の、素晴らしいと思う絵を、想像してみてください。
いろんな色があるでしょう?

雑巾のような、ばっちい色、とか、
ぼやっとした色、とか、
中間色、ともいえないような、
ともかく、
この色だけ見せられたら、「どうしようもない色」、と
思うかもしれません。
でも、
そういう色たっぷりで、できあがっていることが、多いです。

(逆に、
はっきりした、赤、黄色、青、ばかりでいくと、
子どもの、おもちゃランドの雰囲気になります。
それもまた、それで貫けば、素晴らしくなります。
私は、レゴのアーチストの展覧会で、ものすごく感激したことがあります)

ですので、
音色のパレットの幅を広げたかったら、
たまには、自分がダメ、と思っている音色も、
取り入れてやるのも、いいです。
ますます、おもしろくなってくるかもしれません。

試してみてください。

 

Chiyo


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