2021年5月20日木曜日

「間をとる」、なんて


 日本には、「間をとる」という言い方があります。
これは、なんともいえない、素晴らしい表現です。
フランス語で、なんと言うのか、考えても、見つかりません。

落語でも、
漫才でも、たぶん、間のとり方だけで、
ずいぶん、面白さがちがってくるのでしょう。

ピアニストにとっても、これは、
知っておくと、とても便利です。

フレーズが終わって、次のフレーズに入る時。
ブレス、とも言います。
時には、空気が止まって、固まってしまったような、
そんな「間」もあります。

また、
曲を始める前。
両手を鍵盤の前にかざして、
さぁ、スタート、と言う時。
次にどんな音が出てくるのか、と言う瞬間を、
聞いてみてください。
これも「間」の一種に思えます。
素敵な、「間」。

だいたい、
ピアノを弾いていると、
先へ先へと、気持ちが行きます。
次の、あそこは、うまく弾けるだろうか、と、
考えていることが多いです。

そんな時、
「間」のとり方に注目してみると、
また、ガラッと、変わった見方ができます。
これも、また、やってみると演奏に深みが出たりします。

日本独特の、この感じを、
たまには、ピアノ音楽に当てはめてみるのも、
おもしろいように思います。





Chiyo

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