2022年7月12日火曜日

仕事をしながら、ピアノを習う時


「仕事」というのは、「主婦業」も含みます。

さて、もちろん、
仕事とピアノを両立することは、できると思います。

どれほど、仕事がたいへんか、に、
かかってきますが、
ふつうに忙しいなら、大丈夫、できると思います。

前にも書きましたが、
独学でピアノをなさってる方なんて、
そんなことは、考えずに、
ただ、「弾きたい」という気持ちで、
続けてらっしゃるようです。
そこが、すばらしいところです。

それを、見習えば、
もう、こわいものは、ないかもしれません。

それでも、まだ、
納得できない方には。

たとえば、週に2〜3度くらいしか、
ピアノにむかえないとしても、
それを、ずっと続けていれば、
1年たって、
2年たつと、かならず、成果があるのです。

もし、
週に1度だとしても、
それでも、成果はあります。

ぜんぜん弾けなくなってしまった時期があっても、
大丈夫です。
また、
とりかかれば、いいです。

太線でなく、
細線で、いく。
たまに、点線でもよい、とすれば、
いいと思います。

そして、
そうやって、
酸いも甘いも、いろいろ知っている、
大人のピアノが弾けるのではないかと、
思います。




* まとめ

太線でなく、細線。
たまには、点線。




Chiyo

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2022年7月9日土曜日

リミットレスなあなた


「年だから」という表現を、よく聞きます。

年だから、こんなの着られない。
年だから、今さら、レベルなんか上がらない。
年だから、体力が衰えていって当たりまえ。
などなど。

ピチピチした若い人を見ると、
肌もきれいですから、
「差」を感じてしまいます。
もう、若くなんかなれないのです。

ですが、
昭和生まれの私は、思います。
年でも、できることは、いくらでもあります。

私が、そう確信したのは、
90歳のアイロンマンをやっている方を見てからです。
トライアスロンという過酷なスポーツで、
その中でも、
極度にハードなものだそうです。
それが、
定年後に始めたという日本人男性と、
シワだらけのアメリカ女性が、まだ規定時間内で
アイロンマンをやり遂げている、というのです。

それを知った時、
あ、人間は、筋肉は、年取っても
使っていれば大丈夫なのだ、と思いました。

そういえば、
日本の高齢の女性は、
農業をやっている方にも多いそうです。
腰がまがっているのに、
毎日、けっこうハードなことをなさっている方を、
テレビで見たりします。

などの例が、いくつもありますので、
私は、「年だから」とは思わないことに決めてしまいました。

ピアノだって、筋肉を使って弾きます。
感性も必要ですが、
これは、もしかすると、若い人より熟しているかもしれません。

ピアノに関していえば、
どんな年でも、可能性はリミットレスだと思います。
実際、
私は、そういう例をいくつも見ています。





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2022年7月7日木曜日

ピアノ、オーバーホール中!


きのうから、テクニシャンの方に来てもらっています。
調律のためではありません。
おもに、ハンマーの調節です。

先ほど、それが終了して、
弾いてみて、どんな感じが言ってください、と
頼まれました。

かなりいい感じ!です。

毎日弾いていると、自分では気が付きませんが、
少しずつ、ハンマーの軸がずれてきたり、
まぁ、いろいろなことが起こります。
その微調整と、

それから、
もう一つ、ハンマーの頭、フエルトの部分を、
調節してくれます。

これは、せんべい布団を、ふっくらさせるようなものです。
音が、キンキンしていたのが、
ふっくらするのです。
でもまぁ、私は、これには、あまり重きを置いていません。
理由は、しばらく弾いていれば、
また、せんべい布団状態になりますから。
長続きはしない。

また、
これで味付けをしようとするテクニシャンもいます。
ねぇ、いい音でしょう、と。
でも、私は、
バッハでも、ショパンでも、現代物でも
弾けるように、
中立的な音にしてもらいます。
味付けするのは、ピアニストです。
ピアノに味がついていては、困ります。

何をおかずにしても、ぴったりくる、
炊きたての、白いご飯のようなのがいいです。


というような要求を聞いいてくださり、
とてもいい仕事をしてくださいました。
もう、スラスラ、勝手に、いい演奏をしてくれるような、
そんなピアノになりました。

調律は、年に何回も来てもらいますが、
こういう大仕事は、
10年おきくらいです。






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2022年7月6日水曜日

どういう道順で、曲を仕上げるか

 

どういう順序で、一つのピアノ曲を、仕上げるか、と、
たまに聞かれます。

だれだって、なるべく早く、雰囲気をつかんで、
なるべく早く、仕上げて、楽しみたいのです。

私も、なるべく近道をしよう、として、
ただ、ひたすら、弾いて弾いて、弾きこんだりします。

それでもいいですが、
一番の近道は、やっぱり、

まずは、
1)柱とか、土台などの大きな組み木

つまり、音楽的なことを、無視して、ともかく、
形を組み立てる。

次に、
2)内装
つまり、音楽的なことを、味つけてゆく。

という定番です。

そうでなくて、
まだ、基礎とか、柱を作っているのに、
もう、カーテンや、じゅうたんを持ってきてしまうときが、
あります。
すると、話が、めんどくさくなります。

どんな家になるかは、たえず考えるのがいいですが、
施工の順序は、ステップ by ステップに。


この二つは、分けて、段階的にやったほうが、
近道になると思います。


*まとめ

1)まずは、土台、柱、屋根、の大きな組み木。

2)次に、カーテン、壁紙、じゅうたん、畳など内装を施工。



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2022年7月4日月曜日

一回のみレッスン(ご相談)


「ふだん塾」では、オンライン動画添削レッスンが主です。
ですが、レッスンを受けられない方のために、
ワンショットレッスン」を設けました。

主に独学の方が、
一人で悩んでいられるような時、
たまにご質問を受けるのです。
やはり、じっくりお話を聞いていきますと、
解決への道が広がったりすることが多いです。

「ワンショットレッスン」は、一回のみ50分
Zoom やスカイプ、LINE を使って、リアルタイムで、
お話をします。

ピアノを前にして、

* テクニックについて、
* 曲選び、レパートリーについて、
* 暗譜の仕方について相談
* 発表会など、本番準備について
* 楽器メンテナンスについて、などなど、

行きづまっていても、いなくても、
いろいろなテーマがあると思います。
パソコンや、スマートフォンで、ご相談に乗ります。

40年来のピアノ教育経験を活かして、
ご一緒に解決を考えていきます。


独学の方も、
今、レッスンを受けられている方も、どちらも可能です。






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2022年6月30日木曜日

こちらも、グッときてしまう


フランスの音楽院では、
けっこうソルフェージュが、きらわれています。
私の勤めるところでも、
楽器を習う生徒さんが、やめていく時の第一の理由に、
「義務ソルフェージュ」があがっています。

楽器を練習するのだって、
たまには、アキアキすることもあるくらいなのに、
その上、
ソルフェージュなんて。。。という感想になるようです。
特に、中学生。
まぁ、わかります。

さて、
先日、やはり同じ理由で、
ピアノをやめていく中学生の女の子がありました。
グッときてしまったので、書いておきます。

***


いつも、
ちょっとふてくされているような感じの生徒さんです。
ピアノは、まぁまぁ練習していますが、
それより、今は、
バレエだとか、クライミングだとか、
別なことをやりたい、と言っています。

でも、やめると決めてからは、
どういうわけか、張り切ってピアノを練習するようになります。
最後のレッスンでは、
もう、がんばって、曲を最後まで仕上げています。
なかなかいいのです。
「へぇ、こんなに練習したの、初めてでしょう?」
「うん、自分でもすごいと思う」

そして、
時間が来ても、なかなか帰りません。
ちょっぴり照れながら、
「今まで、ありがとうございます」なんて、言っています。
また、
時間かせぎなのかどうだか、
「あらまぁ、きょうは、先生と同じコーディネートですね!」なんて、
全然関係ないことも、言います。

見れば、
彼女も私も、白いTシャツなのは同じですが、
私は、オレンジ色のパンタロン、
彼女は、からし色のショートパンツです。
オレンジとからしでは、ぱっと見では、あまり似ていませんが。
そう見えてしまったのかどうか。

「先生のおかげで、
ピアノが好きになりました」なんていうフレーズが、
とうとつに飛び出してきたりもします。
前もって、言うことを準備してきたのかどうか。

今まで、あまり愛想が良くなかったので、
この言葉には、
ちょっとびっくりします。
私も、なんて言っていいかわからなくなります。

思いついて、つとめて明るく、
「また、いつでも、顔見せにおいで」と言えば、
「えーと、何曜日だったらいいですか?」と聞いてくるのです。

可愛らしいなぁ。
そして、
なんだか、
こちらまでオロオロしてしまいます。

まぁ、いいか、
ピアノが好きになったみたいだから、
この先、うんと楽しめるでしょう、
少しは、お役に立てたかな、と、思いました。

家に帰ってからも、思い出しては、
うれしいのが半分、
なごりおしいのが半分。
心がどぎまぎした瞬間だったなぁ、と思い返しました。











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2022年6月29日水曜日

ピアノとは関係ない話


きょうは、ちょっとローカルな話題になります。
東京に「江古田」というところがあります。
パーソナルな理由で、
私には、とても馴染みのある場所です。

それが、おかしなことに、この地名の読み方が、
よくわからないのです。
エゴタなのか、
エコダなのか、
住んでいる人にもわからない。

調べると、
2つの区がまたがっているのに、
区ごとに、読み方が違ったりします。
地下鉄の駅の名前も、また違う主張をしています。

そんなこと、
フランス住まいの私がどうして気にするのかと言いますと。

音楽院の元生徒さんが、
日本に1年間留学することになったので、
出発前に、ぜひ会いたい、と言ってきたのです。

彼女のメッセージを読んでいるうちに、
あ、この大学は、江古田にある、あの大学、と
思いましたので、

「Egota 」に行くんですよね、なつかしいです、
などと、メッセージを送ると、
いえ、
「Egota 」ではないんですが、でも、「Ekoda 」というところが、
近くにあるかもしれませんから、
ぜひ、行ってみたいです。

などと、よくわからないお返事がきます。
そして、ははん、と私も気づきます。
漢字の読めない外国人にとって、
これほどまぎらわしいこともないだろうな、
エゴタなのか、エコダなのか、
はっきりさせて欲しいだろうな、と思います。

私としては、
長年慣れ親しんだ「エゴタ」の方がいいですが、
私と同じように、
エコダの方がいい、と感じる方も、半分くらいはおられるのでしょう。

どうも決着はつきそうにない、
おかしな地名です、、、

と、
そんな話を、その学生さんに話しましたら、
ますます面白がって、
「ああ、早く日本に行きたい」と、
楽しみにしちゃっています。

8月の末に、出発予定だそうです。
コロナのせいで、出発が1年遅れたそうですので、
喜びは、さらに大きいと思います。








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2022年6月28日火曜日

ベートーベンの、筋肉


「今の若いもんは」と、お年寄りがフレーズを始めるやり方は、
ずーっと昔、
古代ローマ時代にも、そういう文献が残っているそうです。
きょう、私が書くことも、
そんな感じになります。

とはいうものの、
若い人も、そうでない人も、
同じく、対象になります。
、、というのは冗談ですが、

傾向として、
最近では、
ピアノタッチが浅くなっている人が多くなりました。

これに気がついたのは、
10年くらい前です。
もちろん、そうでない方も、たくさんあります。
ですが、
知らず知らずの間に、手首を高めにして、
パラパラと、軽く弾く人が増えているのも、たしかです。

たぶん、パソコンの習慣だと思います。

これは、仕方のないことで、
例えば、
テニスをやっている人は、
テニスっぽい手首の使い方になりますし、
フェンシングの人、
乗馬の人、
それぞれ、特徴が出ています。

ですので、たまには、
ベートーベンの時代には、
水道も、電気暖房もなかった、
だから
井戸へ水を汲みに行った、とか、
薪を運ばなくてはならなかった、という、
筋肉運動のことを、思い浮かべてみるのも、
役に立つかもしれません。
気を向けるだけで、
割とかんたんに、クリアできると思います。

それに、
今、現代のピアノは、
ベートーベン時代の楽器よりも、さらに、
タッチが深かったり、重かったりするのです。

それを使いこなせれば、
音の表現にも、また立体感が出てきて、
ますます、かっこよくなると思います。




* まとめ

パソコンタッチと、ピアノタッチは違うのだと、
思い出すだけで改善






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2022年6月27日月曜日

ミスタッチにこだわりすぎると


ピアノを弾いていて、何かをうまくしようとすると、
逆に、それがうまくいかない原因になっていることもあります。

それを無くしていくのが、
われわれ、教師の仕事かもしれません。

その大きな一つに、ミスタッチ問題があります。
どんな人でも、ミスタッチは無くしたいと思います。
そのために、
あまり慎重になりすぎて、
体を硬くして、
呼吸も止めて、
そろりそろりと進んでいくような弾き方になってしまいます。

それでは、技術的に逆方向に進んでいますし、
そんな環境では、音楽的に自由に表現できません。

ドラッグを利用して、
そういう硬さを減らすという手段もあるかもしれませんが、
これ自体が問題となりますので、それはさておき、

真っ向にやっていこうとしたら、
ミスタッチを受け入れるしかないと思います。
まるで、赤ちゃんが初めておさじでご飯を食べる時のように、
ボロボロこぼれてもいい、とする。
それでも、
「あ〜できた、できたネ」と応援しているうちに、
だんだん大きくなって、
しまいには、大人になって、
エレガントにお食事ができるようになります。

新しい曲を習っていくときは、
毎回、赤ちゃんのように、ボロボロ音をはずす。
それは、仕方ない、と割り切って、
おおらかにやっているうちに、
だんだん弾けるようになっていきます。
体も、リラックスしたままで、
音楽的にも良い演奏ができる、いい土壌ができると思います。


* まとめ

新しい曲を習うときは、
ボロボロ音をはずして、いいジェスチャーを優先










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2022年6月23日木曜日

ギッチョな方が、得かもしれない


 ギッチョと言っては失礼ですが、
私の生徒さんの中に、病弱で、
手が、ほんの少しこわばっている大学生の方があります。

あまり、スラスラ行きませんが、
そんなこと、かまいません。
できあがるのに、
平均より2〜3倍の時間はかかりましたが、
シューマンの小品を、弾けるようになりました。

とても味わい深い演奏です。
本人も、大満足ですし、
ステージでも、気持ちが良かった、と言っていました。

練習段階では、
そばで見ていて、
もどかしい気持ちはします。
あぁ、これほど苦労しているのだな、と
敬服の気持ちにもなります。

そして、
この先どうなるのだろうと思いきや、
練習したことは、必ず身についているのです。
だから、
まるで、石を積んで塀を作るように、
だんだんと出来上がっていくのです。

それが、一旦できたのに崩れる、ということはなく、
着々と進んでいくのです。
ものすごくノロイですが、いったんできたものは、
確かに、そこにあるのです。

思えば、
私のピアノ人生でも、
わりと簡単にできる部分と、
できない部分とがあって、
できないことは、ものすごく苦労しました。
だから、そのぶん、そこに力をつけられた、とも言えます。

よく思うのですが、
何かをすんなりこなせない、というのは、
そう悪いことでもないかもしれません。

しつこく、続けてやっていれば、
必ず、できるようになりますし、
それどころか、
それが強みになったりもするかもしれません。









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2022年6月22日水曜日

ペダルの使い方

ピアノのペダルの使い方。

結論から言いますと、
これは、なるべく、いろいろ試して、
各人がフィーリングで踏むのが一番だと思っています。

あとは、
もちろん、作曲者の指示にしたがいます。

ですが、
ペダル記号が書いてあるからといって、
その通りにしても、必ず成功するとも限りません。
これは、アートです(?)。
踏みかたによって、かなり、結果は変わってきます。

ですから、
先生に頼らないで、ふだんから、
いろいろ試してみるのがいいと思うのです。
耳を頼りに。

また、
一つアドバイスを、といえば、
ロマン派の作品でですが、

もう少しバスの音を、
長いことペダルをキープする方がいい、というところで、
律儀に、
踏み替えすぎていることがあるかもしれない、ということです。

多少、休符があっても、
ロマン派では、ペダルで響きをとっておくことも、
あるのです。
まぁ、それはケースバイケースですが、
踏みすぎを恐れて、
カサカサのペダルになっている時も、
あります。




* まとめ

ペダルは、耳を頼りに、いろいろ試す





 


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2022年6月20日月曜日

ピアノで「鼻歌」


 私は、ピアニストは何も暗譜して弾く「義務」はないと思っています。
聴く人にとって、それが素晴らしい演奏であれば、
暗譜かどうかは、関係ないと思います。

さて、
そういう私ですが、
それでも、暗譜することの面白さ、というのも知っています。

強迫的に、暗譜しよう、と思うと苦しくなりますが、
「あぁ、これだけ私は弾けるのだ」という視点に立つと、
全く見え方が変わってきます。

何週間も練習していれば、
曲のメロディは、鼻歌でも歌えるようになるでしょう。
それを、部分的でいいですから、
ピアノでも「鼻歌って」みてください。
楽しいですから。

一小節だけでもいいのです。
出だしだけでも。

そうすると、
あぁ、やっぱり私の耳(からだ)は、
こんなにちゃんと覚えてくれていたんだ、と
いうことに気がつくと思います。

それは、楽しいことだと思います。
また、柔軟に、音楽的に弾けるようになる、
一つのきっかけとなると思います。


* まとめ


「暗譜」というと、堅苦しくなりますが、
これくらいは「鼻歌で」と思って弾く



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2022年6月17日金曜日

恥ずかしい時の、参考


 きのうは、恥ずかしいという気持ちについて、書きました。
恥ずかしいからといって、恥ずかしくないようにしよう、と
考えたり、
工夫をすればするほど、
がんじがらめになって、うまくいかなくなったりもします。

私は、趣味で、
ダンスを習っています。
その醍醐味は、特に即興の時です。
輪っかの中に出ていって、一人、踊るのです。
はじめは、かなり抵抗があります。
みなさん、同じようです。

さて、
それでも、そういう集まりに何度も参加しているうちに、
だんだん慣れてきてしまいました。
先生に言わせると、
慣れてしまえば、あとは、カンタンだということです。

私が、とても参考になった、
衝動的思い出というのがあります。
それ以来、考えがずいぶん変わりました。
それは、集まりで、ハンディを持った方々の踊るのを、
見ていた時です。
中でも、ダウン症の方々。
その、踊り方といったら!

喜びいっぱいで踊っているのです。
それは、「うまい vs. へた」という考えを通り超えて、
「楽しい vs. 楽しくない」という世界に入ってしまった感じ。
生き生き、どんどん踊っています。
とっても楽しんでいる様子!

こういう集まりでは、
とてもうまい人が踊った後などは、
気後れがして、誰も輪っかに入らなくなったりします。
「私なんか出てくる場面じゃない」という気持ち、
私もよくわかるのです。

でも、この方たちは、
そんなの関係ないようです。
ただ、楽しんでいます。
その楽しみを、
まわりの人にも、ガンガン届けています。

あぁ、それ、それ、それなのだ、と思いました。
とってもいいレッスンを受けたような気持ちになりました。
彼らは、私の師です。











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2022年6月16日木曜日

恥ずかしい気持ちの、正体は?

 


私が小さいころ、

なにが恥ずかしかったかって、

ピアノの発表会で、うまく弾けなかった時です。
8才くらいのときです。
ちゃんと弾けていたはずの曲なのですが、
突然、頭がまっ白になって、
にっちもさっちも行かなくなりました。

止まってしまいました。
足は、ふるえだし、
焦りました。
しばらくして、また続きが弾けたのですが、

その、いやな気持ちといったら、
そのあとも、
長いことひきずっていました。
ほんの一瞬のことだったのですが。

その後、
私も大きくなって、
そういうことに対策できるようになりました。
そして、
今なら、
まちがえたり、
つっかえたりすることは、恥ずかしいことではない、と
思います。

でも、他人がなんと言っても、
本人は、恥ずかしいのです。
そのことも、わかるような気がします。
恥ずかしがっている人に、
「恥ずかしがらないで」と言うのは、
あまり役に立たない、とも思います。

最近では、
ヒップホップの集まりで、
みんなの前で踊るのが、
毎回、恥ずかしいかったです。
でも、
しばらくやっているうちに、
慣れてしまいました。

その時に、
ずいぶん参考になったことがあります。
あした、そのことを書きます。

 



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2022年6月15日水曜日

レッスン室に住んでる人


先日、音楽院でのことです。

来週は来られません、という生徒さんがあったので、
「よかったら、別の日に、都合つけてもいいですよ」と
提案しました。
いつにしようか、という話になります。
あ、その日は、レッスンはありませんというと、
あぁ、そうなんですね、と、しごく感心しています。

どうしてかと思っていますと。
その女の子は、
私は、毎日毎日、
一日中レッスンをしているのだと思っていたそうです。

考えれば、
彼女が来るとき、私はいつもレッスン室にいます。
必ず、います。
ですから、そう思ったらしいです。
すごいことだなぁ、
私にはとてもできないなぁ、と思っていたそうです。
休みの日もある、と聞いて、
少し、ホッとしたようです。

そういえば、
ずいぶん前ですが、
私は、音楽院の、
レッスン室に住んでいるのだと思っている子供さんもいました。
行けば、必ずいる人。

そうか、そういう風にも考えられるな、と
思いました。



  






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2022年6月14日火曜日

ストピなんだから、自由に!


 日本の、ある受講生の方とお話をしていて、ストピの話になりました。
暗譜しなくても大丈夫か、ということです。
いいでしょう、とお話したのですが。

はたと、考えてしまいます。

クラシック音楽は、コンサートホールで行われて、
そのために、
チケットを買ったり、
楽しみにしていて、
当日夕方は、お出かけ服を着て、
聞きに行きます。
会場では、
プログラムを買ってもらったりした思い出があります。

幕あいには、飲み物を買ってもらったりもします。
最後のアンコールは、もう、楽しくって、
拍手にも、精が出てしまいます。

などなど、
そういう楽しい思い出があるものですから、
演奏者がステージに出てくるときの緊張とか、
第一音が出てくる、あの瞬間のことも、
よく覚えています。

さて、

それでは、ストピは、と言いますと、
日本のことは、よく知りませんが、
大勢の人が、自由に聞いているのだと想像します。

聞きたくなければ、通り過ぎますし、
興味があれば、ちょっと立ち止まって。

一方、弾く人は、
弾きたいから、弾くのでしょうが、
それぞれ、いろいろな気持ちで、だと思います。
練習の成果を発表しよう、と、緊張していたり、
ラクラク、得意げだったり、
もしくは、
心の慰みのためだったり、
単に弾きたいから、と、
いろいろでしょう。

私などは、夜おそく、
駅で人を待っているときなど、時間つぶしに、
弾いたりします。
駅構内で、よく響くのが、おもしろいです。

また、
バイオリンの人とのコンサートの前に、
リハーサルをしに行ったこともあります。
「めずらしい」と、楽しんでもらえましたので、
一石二鳥。
私の生徒さんの中には、
試験曲を練習に、行く人もあります。


ストリートアートは、もともと、
規則も何もなく、自然発生したのです。
社会の迷惑にならない程度で、
自由な発想で、どんどん弾いてもらいたいと思います。










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2022年6月13日月曜日

「大人ピアノ」は先生にとってどうなのか


 大人の受講生の方から、
「大人ピアノ」というのは、先生にとっては、楽しくないものなのだと
思っていました、ということを聞いたことがあります。

えーっ、そんなことはありません。

少なくとも、私は。

それは、
子どもさんのように、手が柔らかくないから、
とか、
将来性がないから、ということを思ってのことなのかもしれません。

とはいえ、
100歳くらいまで生きるのも珍しくない今、
時間は、けっこうあるのです。
定年の年になってから、一仕事始めるのもいいのでは、と
私は思います。

私にとっては、
子どもピアノは、それなりに面白いですが、
大人ピアノも、かなり、楽しいです。
まず、モチベーション問題が、ほぼありません。
わざわざレッスンを受けにくる方に、
ピアノの楽しさを宣伝する必要は、ないのです。
もう、ピアノが大好きでしょうがない、
どうやったら、弾けるようになるでしょうか?!と、
知りたくて知りたくて、という人が多いのです。


そのぶん、ムダなく、
技術的なこと、
音楽表現について、話をしていけます。
そこが、一番面白い、と感じるところです。

そして、
少しずつ進歩なさっているのをそばで見ているのは、
これは、子どもピアノも、
大人ピアノも同じです。

楽しいことです。








Chiyo

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フランス在住ピアノ講師

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