2022年2月14日月曜日

速いパッセージが、弾けるようになる


毎日私は、北京オリンピックの、スノーボードを観ています。
空中で回転をしながら、すごい技術で降りてくる選手たち。
そして、軽々、すんなりと着地(着雪)するなんて!
すごすぎて、
美しすぎて、
私は、感激しながら観ています。

さて、
肉眼では、速すぎて見えないくらいのことを、
どうやって、あの選手たちは、コントロールできるのでしょう?
「落下の最中に速度が落ちてきたから、
ボードを掴むのを、早めに切り上げた」とか、
そんなことを考える時間は、どこから出てくるのでしょうか。

それは、ピアノにも言えることです。
ゆっくりなら、間違えずに弾けるけれど、
速度を出すと、上手くいかない、という場合。

結論を先に言ってしまいますと、
練習を重ねていくうちに、
おかしなものですが、
速度の感覚が、だんだんゆっくりになってくる、ということがあります。

ある野球の名手が言っていたことですが、
どうやったら、そんなに良く打てるようになるのか、という問いについて、
「飛んでくるボールが、ゆっくり、ほぼ止まって見える。
だから、その場所にバットを持ってゆけばいい」
というようなことです。
ガクッときてしまいそうな答えですが、

この、不思議な境地に入ったことが、
私も、何度かあります。
すると、難しそうなアクロバット的パッセージでも、
弾ける確率が上がります。
(筋肉的な問題は、別です)


そのためには、
アニメの、1秒に何コマ、という、そのコマ数を
増やせばいいのではないかと思います。
すると、
スローモーションで見えるようになってくるわけです。

もし興味のある方は、
この練習法をなさってみてください。
そのためには、
ゆっくり練習、
もしくは、想像だけでもいいですから、
ゆっくり気づいていればいいと思います。



* まとめ

スローで、動作をたたき込む (コマ数を増やす)










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2022年2月11日金曜日

「練習しなくちゃ」の、本当の意味


 ピアノ本番が控えていると、「あ、練習しなくちゃ」という言葉が、
頭の中をうろうろし始めます。

それが、しばらく続くと、
もう、これが仕事のようになって、
次には、義務、宿題、そして、
労働のようにさえ思えてきます。

ちょっとオーバーかもしれませんが、
そういうニュアンスは、確かにあるのです。

ですが、元々は、楽しくて、
好きで趣味でやっていたものが、こうじたのです。
「こんな風に弾けたらいいな」というのが、
元々の気持ちなのです。

そのために、練習するわけです。
「あんな風に弾きたいので、そのために練習します」が、
短縮形になって、
「練習しなくちゃ」になってしまいました。

ですので、
たまに、それを思い出しては、

「練習したい」とか、
「あんな風に弾きたい」と、頭の中で言い換えることもあります。
そして、ふむふむ、そうだな、と、
もともとの気持ちを思い出して、
ワクワク、心がはずんできます。




* まとめ

練習したい」と言い換えてみると...





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2022年2月9日水曜日

スローモーションで、練習すると


 今、北京のオリンピックを観られます。
私は、スノーボード競技を観るのが好きです。
ビッグエアという種目は、
ジャンプ台を使って、ものすごいワザを
たくさん見せてくれます。

ジャンプしたあと、高いところから、
空中回転をいくつもして、
降りてきます。そして着地。

ものすごいスピードの中、肉眼で見ていても、
私には、なかなか追いつけません。
あとで、スローモーションで見てみると、
その美しさは、もう、とても人間がやってるものとは、
思えません。

すごい!の一言しか出てきません。
もう、美しすぎて、涙が出そうになります。

さて、
スノーボードのワザでも、
体操選手のワザでもそうですが、これを、
どうやって練習しているのか。

話に聞けば、
動き出す前に、頭の中で、何度もなんども、
イメージを繰り返すのだそうです。
頭の中で、スローモーションで、練習。
ビデオを、頭の中に、映し出す。

そして、実際にプレイする時は、
いちいち、あれ、こう、という暇はないですから、
もう、ただ、やるしかない、という感じだそうです。
考えてはいけない。

その点、
ピアノは、スローモーションで、練習ができます。
だから、ラク、とも言えます。
スローで練習できない楽器もあるのです。
バイオリンは、ある程度の速さがないと、音が出ませんし、
息の必要な楽器や歌は、ゆっくりやると、
息が切れてしまいます。

スローモーションでピアノ練習、というのは、
およそ、
若い子供さんたちの、苦手とするところです。
ですので、スローモーションで、
頭の中で、練習するのもいいかもしれません。

いずれにしても、
スローで練習すればするほど、
細かいところが、うまくいくようになります。
いずれ、
弾いている時にも、
速い部分なのに、
スローでやっているような感覚になったりもします。
そこまできたら、もう、悟りの境地みたいなもので、
マスターになった、とも言えましょう。
(これは、まれです)



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2022年2月8日火曜日

できた所が、できなくなって焦る


 やっとできるようになった部分や、

速いテンポで弾けたところや、
トリルが、
次の日できなくなる時があります。

私はそういう時、
あせりまくります。
口惜しいので、ますますリピートして、
そのうち、ますますテンポもあがって、
ますます、できなくなるので、
腕や手にも、自然と力がはいり、
ますます、できなくなります。

かなり、アタマにきますし、
情けないです。
がんばれば、がんばるほど、
できなくなって、長びくこともあります。

いろいろ試しましたが、
今から思うと、
こんがらがったひもを、ほぐしていくように、
気長にやるのが、1番のようです。

*テンポをあげる、さげる。
*強く弾く、弱く弾く。
*別なオクターブで弾いてみる。
*弾かない(お休みにする)。
*別なことに注目する。

いろんなバリエーションでやるのがいいようです。
その問題をあえて、わきにおいて、
音楽的なことに注目するのもいいです。
フレージングをさらう、とか。

同じ方向、同じやり方でやりこめない。
「ほぐす」という感じが、よい。
いつかは、また、できるようになる、ということを思い出します。





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2022年2月7日月曜日

短気な私は...


短気は損気、と言います。ピアノを弾きたかったら、
まさに、この言葉が、当てはまると思います。
私は、短気な江戸っ子の血を引いているためか、
実に、気が短いです。
なんでも、すぐでき上がらないと、じれったくなります。

そんな私が、
ピアノを弾いているのです。
それを考えると「短気な私は、もっとエライ」と、
自分をほめたくなります。
なぜかというと、
一つの曲を仕上げるのには、絶対に、
急いだりしては、うまくいかないからです。

ですので、
私は、自分の本性を、腕ずくで曲げて、
じっくり、下ごしらえをして、練習しているのです。
それは、ものすごく、じれったいことなのです。
もっと、おっとりとした、
お嬢さんに生まれていたら、
こういうことだって、すんなりできるのかもしれません。

でも、せっかち、早口、などと言われている
江戸っ子には、
それは、まったく不自然であります。
至難の技です。

それでも
片手ずつ、
ゆっくり、ゆっくり、
あきあきしながらも、
毎日、くりかえし練習をしているのです。
たまに、それに気がついては、
自分で自分をほめてやっています。




*まとめ
 「急がば回れ」「短気は損気」
「コツコツが、一番速い」








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2022年2月2日水曜日

フランスの伝統


ピアノとはあまり関係ありませんが、
毎年、音楽院で、言ってしまうことがあります。

「きょうは、クレープの日ですよ」と
生徒さんたちに、リマインダーをするのです。

これは、
日本の節分と似たようなものです。
だんだん光が増してきますでしょう、
それを祝って、クレープを焼くという、
聖燭祭(Chandleur)です。

私も、しばらく前から、卵を買い込んでいます。
スーパーには、
小麦粉、卵、泡立て器、ボールなどが、
前のワゴンに並んでいます。

それでも、
手作りのクレープを焼く人は、そんなに多くありません。
できあいのクレープだったり、
クレープ屋さんに行ったりする人も、多いです。
また、
外国から移住してきた人たちは、
この伝統を知らなかったりします。

クレープが大好物の私は、
こういう伝統が、すたれないように、と、
次の世代に、宣伝したくなってしまうのです!

ちなみに、
私の一番好きなクレープは、
「バター砂糖」です。
たっぷり、溶かしバターをかけて、
その上に、お砂糖をふりかける。
そうすると、

ちょっとぐにゃぐにゃした
やらかいクレープと、
とろりとしたバターと、
ジャリジャリ、いうお砂糖が混ざって、
なんとも言えない味と、舌ざわりになります。
今晩が、楽しみです。

みなさんは、どんなクレープがお好きでしょうか?!

きょうは、
クレープのお話でした。








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2022年2月1日火曜日

生徒さんの、演奏会


 音楽院でのことです。
このところコンサートの数は、ちょっと控えめですが、
先日、ミニコンサートが、いくつかありました。

生徒さんが、いっしょうけんめい準備した曲を、
弾きます。
ライトに照らされて、得意そうなのか、緊張しているのか。
生徒さんそれぞれ、ちがった音がします。
そして、
それは、頑張りや、工夫や、表現が、
心に、飛び込んできます。
それは、聴衆の、シーンとした感じでも、わかります。

ちっともカッコつけていませんから、
それだけ、ストレートに、心に響くのかもしれません。
終わって、お辞儀をするときの、ニコリ顔。
拍手の音。
あぁ、良かった、とか、
あそこがどうのこうの、と、いろいろ感想はあるかもしれません。

でも、
達成した、と、うれしそうでもあります。
聞いている方は、
あぁ、キラキラしてたなぁ、と、
感動します。

小さな生徒さんも、大きな生徒さんも、
ほんとうに、素敵でした。
ブラボー!
そして、こういう素敵な時間を、ありがとう、と
言いたくなります。






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2022年1月28日金曜日

テンポを上げていく方法


 

いったん、譜読みはできあがって、

ゆっくりテンポでなら、弾けるようになりました。


これから、
もっとテンポをあげていきたい、
でも、
速く弾くと、くずれる。
どうしたらいいのでしょう。

ゆっくりめの曲でしたら、
少しずつあげていくと、
いいかもしれません。

アップテンポの曲でも、
少しずつあげていくのは、いいと思います。

ただし、
例外も、あります。
それは、ゆっくり練習のときと、
理想のテンポの時との、手首の動かし方が、
ぜんぜん違っているときです。

たとえば。

アルぺジオを弾く時、
たいていは、手首をゆるめて、動かしながら、
親指をくぐらせる動作をします。
たまに、
手首の動作を使わず、手を、平行に左右に動かした方がいい時もあります。
とても速いテンポの時。

そういう時は、
いくらゆっくり練習をしても、
あまり役に立ちません。
ひとっとびに、テンポを上げてしまった方が、いいです。

練習している手の動作と、
目標としている動作が、ちがうのです。
ちがう動作をいくら練習しても、、、。


まぁ、それは例外的で、おおかたは、
ゆっくり練習、
片手練習、
リズム練習を、よくやって、
徐々にテンポをあげるのが、ふつうです。

脱力して弾いて、
少しずつ、速度をあげれば、着実に、技術もあがりますし、
テンポも、あがります。

まとめ

*ふつうは、ゆっくり練習〜少しずつテンポ上げ
*例外的に、段階をふまず、すぐアップテンポにする


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2022年1月26日水曜日

手放す作業が、ピアノの上達


 ピアノを上手に弾けるようになるために、
一生懸命に、情報を集めます。
知識をさがします。
どんどん知識が増えていきます。
それもいいですが、
また、手放すことも、けっこう楽しいです。

たとえば、
ピアノで表現するときに、
恥を捨てると、本番に強くなります。
あぁ、こんな感じでいいのだ、と
少しは気楽に行けますし、楽しくなります。

それから、
「自分にはできない」という思い込みを捨てると、
楽にできるようになります。
発想を逆転させます。

また、
「私なんか」という劣等感を捨てると、
ぐんぐん推進力が増してきます。
誰だって、どこかに取り柄があるのです。
そして、どんどん練習をしたくなります。

ピアノ講師としては、
私のところにいらっしゃる方に、
私は、そのような「捨てる」作業のお手伝いをしているのだと、
たまに思うことがあります。
それをどう捨てていくかは、
それぞれ、その方によって違いますが、
大体は、そのようにして、上達なさっているなぁと、思います。






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2022年1月25日火曜日

年を重ねて、できるようになったこと


 以前はできたのに、今は、どうのこう、などと、
年を重ねることを、ディミニュエンドのようにお話しする方が多いです。
私も、
見かけの方は、髪の毛に銀の筋が入ってきたり、
他にも、いろいろとあり、
どう見ても、若いとは言えません。
あぁ、年を重ねたな、と思います。
ですので、人生は無常、と哀しく思います。

そう腹をくくって、
考えてみると、一方で、たとえば、

*フランス語が、前よりできるようになった、とか、
*スマホが使いこなせるようになった、とか、
*お料理が、ルーチン化して、楽になってきた、とか、

まぁ、できるようになったことも、あります。

ピアノを練習していて、
いろいろなことがわかってきた、というのは、
昔の練習曲をもう一度弾いてみて、気がついたりします。
あの時は、この程度で、がんばっていたけど、
今は、経験を積んだから、
「あぁ、こういうことなのだ」と、スッキリわかったりもします。

大人になって、
ピアノを始める方とか、
ピアノを再開なさる方は、こういう発見も多いようです。
だんだん、何かができるようになる、というのは、
楽しいです。

楽譜が、どんどん軽やかに見えるようになる。
いろいろな音が聞こえるようになる。
タッチの指回りが良くなる。
などなど、
少しずつの変化は、なかなか気づきませんが、
たまに、ふりかえってみて、
「あ、こんなことができるようになってる!」と、
びっくり感激することもあります。


* 「人生は無常」ということなら、
クレッシェンドも、可能かもしれない







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2022年1月20日木曜日

ネチネチした音


 タッチがすっきりしないで、
ネチネチとした感じのレガートになってしまう場合。

みなさん、指に注目します。
もちろん、指でピアノを弾くのですが、
もう少し視野を広げて、
体全体のバランスをよくするのも、いいことだと思います。

ネチネチするのは、
弾いたあとの、指上げが足りないか、
その上げるタイミングがおそすぎるからです。
指の自由度が足りなくなっている場合も多いです。

重心を、お腹にもどして、
足は、右、左、どこへでも行かれるように、
しっかりすわって、
手足の自由度を、まず上げる。
そして、
手首を解放するのです。
そして、手のアーチをよくして、
指上げのメリハリをよくするのが、いいのです。
試してみてください。


まとめ

*全体の姿勢に注目する
*弾いたあとに、指を上げることを心がける
(ゆっくり、注意して聞く)

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2022年1月18日火曜日

手づくりで、贈り物

ピアノ演奏の本番が控えていると、
何かと、緊張してきます。
まったく緊張しない、というのは、ありえないと思うのですが、
まぁ、程度の問題です。

「ミスしないで弾けるだろうか」
「音は、ちゃんと思うように出せるかしら」
「クレッッシェンド、強弱、できるかしら」
「暗譜は安全かしら」
「成功するかしら」

などと、
そんなことが気になってしまいます。
一方、
聞いている人にとっては、
たとえミスがあっても、
次の日になってしまえば、すっかり忘れてしまうようなことです。
自分のミスは気になりますが、
他人のミスは、あまり気にならないことが多い。

それより、
ミスがあったり、素人っぽかったりしても、
「あぁ、心に響いた」とか、
「元気をもらった」とか、
「感動した」
という演奏もあります。
ずっと、忘れられない演奏。

実は、
素人っぽい、というのは、
けっこう人の心を打ちます。
一心に、何かを伝えようとしているのが、
聞く人の心に響くのかもしれません。

ですが、
たいていの方は、
「かっこいい演奏」をしたがります。
私の考えでは、それが緊張の元になっているようです。
それより、
ギッチョでもいいですから、
手づくりで心を込めて奏でるほうが、
自分自身が心地よいですし、
聴く方にとっても、素敵な時間になると思います。



* まとめ

もしや、
「かっこいい演奏」を目指して、緊張していませんか?






 


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2022年1月14日金曜日

レガート奏法に、成功


 ピアノ技術の中でも、レガート奏法というのは、
一番、独特です。

どんな楽器でも、だいたい、普通にメロディを奏でていれば、
レガートになってしまうのに、
ピアノだけは、そうもいかないのです。

ちょっとタイプライターっぽい、と言いますか、
パーカッション的になる、と言いますか。
そこで、
意識的に、音と音をつなげなることをします。

これは、
初歩の段階で、身につけておくといいのです。
それを身につけるには、
まさに、反対のことに目をつけます。
まず、シンプルな曲でも、
「ブレスをとる」ことに気をつけていると、
わかりやすいと思います。

そのあとで、
レベルを上げていくうちに、
レガートの質も、深められるようになってきます。
それが、演奏の音楽性をアップすることにつながります。



 * まとめ

メロディを弾くとき、ブレスをきちんととる習慣
 



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2022年1月13日木曜日

右手と左手が、離れたり飛ぶ時


 ピアノを弾いていて、
右手と左手が、離れる時に、ほんのちょっと難しくなるように思います。
ということを知っておくと、
少し、改善されることがあるので、お試しください。

もし、
たとえば、何かが故障して、
一体、何が起こったのだろう、とその物体を見る時、
両手でその物体を、顔に近づけます。
そして、ジロジロと見ます。

老眼の始まっている人は、ちょっと遠ざけたりしますが、
それでも、
わざわざ、右手と左手を離して、
その物体を注目することは、あまりしないわけです。

それと同じで、
ピアノのパッセージで、ちょっと弾きにくいところは、
両手を近づけて、
目も近づけて、弾きたいのですが、
そうもいかない。

ということを、知っているだけで、
状況が改善することがあります。
そして、自然と、姿勢は、ピアノといい距離になります。
右手も、左手も、見渡せるような、
背骨の伸びた、いい姿勢にもなりますから、
一石二鳥で、
うまくいくことが多いです。



* まとめ

ややこしいパッセージは、
体を近づけたくなるが、それは逆効果




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2022年1月12日水曜日

生徒さんの、本当の実力


 きのうは、しんみり感動しました。
そして、同時に「!」と、驚き、
おやおや、と、ちょっぴり複雑な気持ちも、
ありました。
(でも、これは喜ばしいことなのです!)

何が起こったかと言いますと。

ここ、しばらくレッスンに来られなかった、大人の方がありました。
2ヶ月ほど、です。
悩み事があって、来られなかったのです。
おじいさんが入院されて、とても心配してらっしゃいました。

その方が、
きのう、ご自分で仕上げられたドビュッシーの曲を、
録音で送ってくださいました。
パソコンで聞いてみますと
それは、それは、美しく、
最初は、プロの演奏かと思ってしまいました。

よく聞けば、ミスリーディングがあったり、
テンポが動いたりしましたので、
やはり、あの彼女だ、ということが、
判明しましたが、

それにしても、感動します。
ものすごく素敵で、
フレージングは、心がこもっていて、
とにかく素晴らしい。
心が動く、というのは、このことです。
こういう演奏ができたら、もう、言うことありません。

それを聞いて、
私は、すごい!と、誇りに思いましたし、

同時に、
「まぁ、レッスンを受けなくても、
ここまでできるのですね!」とか、
さらには、
「レッスンがないほうが、上達されるのかしら」
などと、
教師としての反省も、始まります。

私の気持ちは、ちょっと複雑になってしまいます。
さて、
このような気持ちは、さておいて、
この方が、どのような状況で、弾かれたか、ということを知ると、
納得がいくように思います。

コロナの関係で、
病院にも、あまり付き添いができなかったのかもしれません。
そんな中、おじいちゃんのために、と
一生懸命、練習されたのだそうです。
そして、この録音は、
お葬儀の時に、流したのだそうです。

あぁ、なるほど、この演奏には、
おじいちゃんへの愛が、いっぱいつまってるのだな、と思いました。

おじいちゃんへのやさしさ、
切なさが伝わってきます。
心を込めて、弾いてらっしゃいます。

あぁ、
いざとなれば、ここまで、できるのだな、と
あらためて、
人間の可能性は、すごい、と感じました。






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2022年1月11日火曜日

趣味ピアノのレパートリー (その8)


 この曲は、中級〜上級レベルの、短い曲です。
まるで、宝石のように美しい曲なのですが、
あまり知られていないように感じています。

リスト作曲 「即興曲(もしくはノクターン)」

実は、この曲は、
私がリスト国際コンクールを受けた年に、
一次試験の中に、課題曲として提案されていました。


ですが、その時代には、インターネットなどありません。
ですので、
はるばるハンガリーから、楽譜を取り寄せたり、
世界中の知り合いに、郵便で頼んだりして、
楽譜を手に入れる、という状況でした。
そして、この「即興曲」は、ゲットできませんでした。

ですので、
私は、この曲がどんな曲かも知らずに、
仕方なく、楽譜を手に入れることができた、
もう一方の提案曲を、弾きました。

そして、コンクール当日、
こちらの曲を弾いている人を聞いて、ほれぼれとしてしまいます。
なんて美しい曲!
そして、コピーをいただいて帰ってきました。

それが、
今では、IMSLP というバーチャル図書館から、
一瞬にして、手に入れることができるのです!

興味ある方は、お試しください。









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2022年1月10日月曜日

本番を、むかえる時に


 今、音楽院では、コンサート、フェスティバルなどは、
ちょっと控えめになっています。
とはいうものの、ミニコンサートに出る生徒さんもあります。

さて、
そんな時に、みなさんよく練習をなさるのですが、
ちょっとした注意点があります。

幼い生徒さんには、あまりお話ししませんが、
ある程度の年になると、説明を追加します。
それは、
ただ単に、でき上がった曲を繰り返し弾いていても、
準備にはならない、ということです。

やみくもに、繰り返し弾いては、
「あー、大丈夫」と、点検していることが多いです。
それを繰り返していると、
自動操縦になります。
それはありがたいことなのですが、
欠点もあります。

それを避けるには、
いろいろなやり方、つまり、

* テンポを変えて、とか、
* 片手ずつ、とか、
* 違うシチュエーションで弾いてみる、
* 場所を変えて、人に聞いてもらう、とか、

などを、
やってゆくほかありません。

これは、ケースバイケースですので、
いちいち工夫しなくてはなりませんが、
要は、「気持ち」は、新鮮に保つ、ということです。

それができると、
かなり頑丈になります。
しっかりとしたデキとなるでしょう。

* まとめ 

本番をむかえる時は、形を変えて準備









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