40年ちかく使っていたピアノ椅子が、新しく生まれかわって、
また、わが家にもどってきました。
座る部分がやぶけて、中のスポンジが見えていたのです。
フランスでは、
タピシエという職人さんがあります。
イスやソファのすわる部分の布、
そして中に入れる「あん」?
植物繊維、と呼んでいるようですが、
そういうものを、オーダーできます。
作りなおしてくれます。
何百年も前の家具も、
自分の趣味で、新しく張り直してもらうことができます。
また、カーテンや、ベッドカバー、クッションも、
オーダーできます。
壁紙ならず、壁「布」も、やってくれます。
そういう職人さんに、頼んでやってもらいました。
アトリエに行くと、
布のサンプルが、たくさんあります。
Japonなどというシリーズもありました。
(私からみると、あまり日本っぽくはないのですが)
この場合は、合成皮です。
何100種類も、チョイスがありました。
ツヤツヤのもの、もみ皮風のもの、、、。
あ、これだと、すべりそう、
でも、これだと、お尻にくっつきすぎ、などと、
さわりながら、選びます。
そしてそれぞれ、たくさんの色!
オレンジ色とか、
紫色、もしくは、
緑色にしたら、ステキそう、と、思います。
少し迷いました。
ですが、
そういう色は、もしボールペンの先がさわったりすると、
たいへんなことになります。
シミになって、とれません。
ですので、
おもしろ味もありませんが、
チャコール黒、にしました。
結果は、
気に入っています。
うれしいです!
新品のようですし、
ちょうどいい具合に、しっかりとしていて、
それでいて、フカフカです。
今まで、ここにすわって、いろんな曲を弾いて、
いろいろ苦労した日々のことも、
ぐーっと、思い返されます。
あと、
この先、この合成皮がやぶけることはあるのだろうか、とも
考えてしまいます。
あまりに質がわるい場合をのぞいて、
たぶん、きっと、これが最後?
いや、もしかすると、
また修理に出すことがあるかもしれない、
などと、考えたりしました。
この次は、
何色にしようか、
もう、きっと最後になるのだから、
シミのことなんか考えないで、
もうちょっと「ふまじめな色」にしたい、
とも、思いました。
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