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2022年5月18日水曜日

子どもさんが、ピアノを習いたくない時


数十年ピアノを教える仕事をしていて、
何が一番むずかしかと言いますと、
子どもさんが、ピアノを弾きたくないのに、
親御さんの意思によって、レッスンに来ている状況です。
これは、ごく、ごくたまに、です。
でも、そういうことがあると、とても残念に思います。

むずかしいと言うより、
「困った」と言うのが、本当の気持ちです。
こういう状況は、ない方がいいに決まっていますが、
なかなか、はっきり割り切れるものでもないです。

親御さんの、
「こういう技術を身につけさせたら、
将来、幸せが一つ増えるだろう」というお気持ちは、
よくわかります。

一方、子どもが勤勉に努力したくないのは、
いくらピアノが好きでも、
ほぼ当たり前のこと、なので、
いちいちそれを聞いて、
「あ、やりたくないのね。では、やめなさい」と
言っていたら、まずいのかもしれません。

コツコツ何かをやって、
だんだん身について行く喜び、というのを
ぜひ、味わってもらいたいものですし。

私は、
親御さんと子どもさんのハザマに立って、
なだめたりすかしたり、
手を替え品を替え、いろいろやります。
根本的に、私は子どもさんの味方です。
必要なら、親御さんに訴えたり、
子どもの弁護士みたいなこともします。

先日、
ピアノはいいけど、ソルフェージュがいやです、
という中学生の女の子と話しをしていました。
そして、
大笑いしました。

その長いソルフェージュの授業について、
2時間半の授業、と話すのです。

「あら、そんなに長かったかしら?」
と言うと、
「あ、違った、2時間だった。
1時間半の時もある」と訂正したので、

「そう、それほど長〜い感じがしたのね。

2時間なら、映画の長さ。
おもしろい映画だったら、
2時間なんて、あっという間にすぎるのに、
つまらない映画だと、長く感じるものね」

「うん、まぁ、そんなところだけど、
映画じゃなくて、連続ドラマよ!」

なるほど。
毎週、性に合わない連続ドラマを見に来てるのね、
と、2人で大笑いをしました。
(ソルフェージュの先生には、ぜったい内緒です。
ゴメンナサイ)

と、こんな風に、どこかで、
ピアノのレッスンも、
つまらない連続ドラマだ、と思われているかもしれません。

私には、解決法はないのですが、
せめて、生徒さんの気持ちを聞いてやれたら、と
思ったりします。












Chiyo

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2022年5月17日火曜日

レアとアンナの、バトル


 先日の、音楽院でのことです。
レアさん(中学生)が、来週は、
いつもの時間に来られないというのです。
でも、もうじき試験なので、
別な時間にちょこっと聞きましょう、と提案します。

その別な時間、というのは、
アンナちゃん(小学生)のレッスン時間なのです。
歯医者さんへ救急来院、というふうに、
横はいりになってしまいますが、
アンナちゃんには我慢してもらいます。

ですので、
レアさんが試験曲を弾いてる間、
アンナちゃんには、「先生」になってもらいます。
聞いた後で、
「よかったところ、改善するところ、を、
親切に、言ってください」と頼みます。

すると!

まぁ、アンナちゃんの、すごいこと。
堂々としたおばあちゃんのように、
ちょっと古風な話し方で、レアさんに、
指のフォームの注意を始めます。
そして、それ以外は、とっても素敵でした、と
まとめたのです。

(それにしても、その話しの切り出し方が、すごいです。
「それは、チェンバロ奏者でしょうか、
それとも、ピアニストですか?」と、始めたのです。
間接的に質問をしながら、指の批判をしたところが、古風。

ちなみに、アンナちゃんの家庭は、もと貴族の出です。
名前も、ものすごく立派で、長々としています)

私は、
「えーっ、アンナちゃん。
そのこと、私、覚えときますからね。
次の時、引っ張り出してきますよ」

と、すぐに指摘します。
アンナちゃんたら、
自分のクセを棚に上げて、他人のことを ウンヌンしているのです。
「おかめ八目」と、クスッと笑ってしまいます。

レアさんは、
半ば苦笑い、半ば面白がって、そこを改善します。
そして、
「それでは、私も、アンナちゃんのピアノを聞きたいな」と、反撃

レアさんは、お父さんが弁護士なのです。
その影響か、ものすごく、口が達者です。
そして、
討論や人を説得することが、大好きなのです。

そうなると、
アンナちゃんも、弾かないわけにはいきません。
ちょっと緊張して、
とても気をつけて、
いつもより上手に弾きました。
指の形も。

そして、
レアさんも、楽譜とにらめっこして、
色々なことをアドバイスします。
足りないところは、私が、付け加えます。

そして、時間になりました。
2人とも、
あぁ面白かった、
また、やりたいね、と言っていました。

小さなアンナちゃんと、
大きなレアさんの、バトルでした。
かなり、いいバトルでした。

私としては、両方とも、勝者でした。












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2022年5月6日金曜日

ムスリムの、リトルピアニスト



 

 私の勤める音楽院では、ムスリムの生徒さんも
いく人かあります。
先日、ラマダーン月が終わりました。
ご存知かもしれませんが、
その月は、みなさん、断食をするのです。
と言っても、日が沈めば、たっぷり食べていいのですが。

最初は、みなさん顔色が悪くなって、
つらそうにしてますが、
しばらくすると、元気マンマンになっているのが、
私にもわかります。
なんとなく、身が引き締まっています。

ところで、
それが、冬に当たる年は、まぁいいですが、
夏の暑いときに、
そして、しかも日が沈むのが夜10時ごろ、となると、
ずいぶん大変かもしれません。
何しろ、昼間は、水だって飲んではならないのです。

子どもは、参加しません。
13歳ごろに、始めるといいます。
ですが、私のクラスには、
がんばりやさんが多いのか、
8〜11歳の生徒さんが、完ぺきにこなしたりしました。
休みの日だけ、とか、
バカンスの時だけ、という人もいました。

それでも、ちゃんとピアノは弾いているのです。
体育の時間だって、「ちゃんと頑張ったよ」と
得意そうにしています。
そうですか、そうですか、
これは、きっと精神もきたえられるのかな、と
思ったりします。

そして、
私も、その恩恵にあずかります。
ラマダーンが終わると、お祭りがあります。
私は、あるお母さんから、
そのお祭りの、おすそ分けをいただきました。
手作りのお菓子です。

それが、美味しいのなんのって!

オレンジの花の味、
バラの香り、
ニッキ、
はちみつ、
ゴマ、
アーモンド、
それがまざって、何個でも食べられそうになります。
断食をしなかった私は、
これでいいのだろうか、とちょっぴり心配になりますが。

まぁ、いいか。







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2022年5月3日火曜日

何を練習するかで、上達が決まる


 

趣味でピアノを弾いているのですから、

どんな曲を弾いたっていいのです。
別に、規則はありません。

一方、
教える側としましては、
上達してほしい、という願いがありますので、
もし、どなたかがレッスンに見えれば、
曲選びは、慎重に行います。

曲を選ぶときに、
私のアタマの中に、どういうことが起こっているかと言いますと。

1)ご本人が、今、「どんな曲の気分か」を大事にする

2)その曲を通して、どんなスキルをゲットできるか

と、
この2つが、大きな基準になります。

1)は、おわかりのように、
「弾きたい」という気持ちは、とても強力なエンジンですから、
これがあると、スイスイ進めます。

次の、2)ですが、これには、いろんなことが含まれます。

テクニック、
リズム、
楽想、
様式を学ぶ、
筋肉をつける、
ある特定のクセをほぐす、
などなど、

書き出したらキリがありません。

ということは、逆にいうと、
どんな曲でも、たいてい、ゲットできるスキルがある、
ということかもしれません。
ここは、
およその、目的をはっきりさせて、
取り組むようにしています。

ただ一つ、
気をつけていることは、
その人の、今という時にかなっているか、です。
やさしすぎでもなく、むずかしすぎでもない、
というようなこととも言えますが、
もうちょっと、複雑です。
今、そういう波に乗っているか、というようなことです。
そこが、微妙です。

言葉では、説明できませんし、
考えても見つかりません。
カン、で行きます。
そこは、教える側の、センスが問われると思います。
そこが大事なように、思います。

このプロセスが進み、
その曲が弾けるようになって、
生徒さんが、ぐんとレベルアップされるのを見ますと、
とても、うれしくなります。



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2022年4月17日日曜日

ピアノの先生の、影響


コロナも下火になって来ましたので、
フランスの音楽院での色々な活動も、
元どおりになってきました。

先日は、久しぶりに、他の音楽院に招待されて、
コンクールのジャッジをしてきました。

毎回、知らない生徒さんに出会うのは、
ワクワクと、楽しい仕事です。

短い時間で、
なるべくそれぞれの生徒さんの観察をします。
もちろん、音を聞きます。
その人それぞれの個性、才能を、探し出そうとします。
そして、
色々なコメントを残して帰って来ます。

今回は、3人のピアノの先生がいるところでした。
すると、
これは、毎回そうですが、
なんとなく、
「あ、この生徒さんは、あの先生の」と、
わかってしまいます。

知らないうちに、
先生の影響が出ています。
なんとなく、シャッキーン、としている音楽。
ともかく情緒を優先する音楽。
なんとなく控えめな表現。
などなど。

ジェスチャーも、そうです。
これは、口で説明したからどう、というより、
見よう見まねで、伝わっていくものだと思います。

なかなか、面白いものです。
と、同時に、教える側にいる私としては、
しっかりしなくては、
と、エリを正す、というような気持ちにもなります。

今回は、
同時にギターのコンクールも開かれていました。
最後の上級クラスの方では、
ピアノとギターが合流しての審査となりましたので、
私も、ギターの演奏を聴けることになりました。
その中で、
「Sakura 変奏曲」という長い曲があって、
実にステキでした。
あの、「さくらさくら」のです。
なんだか、誇らしくも思いました。








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2022年4月12日火曜日

自分の、才能


 自分の才能、というのはあまり気がつかないものかもしれません。
40年くらい、色々な生徒さんを拝見していて、思いますが、
どんな方にも、独特の才能があります。
これだけは、確かなことです。

リズム感がいい。
譜読みが、速い。
歌い方が、自然。
表現が、しなやか。
手の動きが、なめらか。
左手の歌い方が、上手。
内声を追いかけるのが、得意。
しんみりした曲の表現の、専門。
などなど、書いていたら、きりがありませんが。

ところが、
ほとんどの場合、ご本人は、気づいていません。
カンタンにできてしまうので、
それが、生まれつきさずかった宝物、とは思えないのかもしれません。

だいたい、
問題なくできてしまうところ、
そこをさらに掘り下げていくと、面白いことになるはずです。

ほとんどの場合、
普通の方は、
できないところ、難しいと思われるところ、に注目して、
そこを頑張ってらっしゃいます。
まぁ、それもいいですが、
もう片方、つまり「楽にできてしまうところ」を、
さらに掘り下げる、ということもすれば、
トンネルを右、左、の両方から掘っていくように、

開通するのが、早くなるのではないかと思います。



* まとめ

カンタンにできてしまうところ、に、
宝物が隠れているはず


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2022年3月25日金曜日

これは、コドモの希望ではない

 

若い生徒さんが、私のピアノのクラスに入学する時、

ほとんどの場合、それは、親御さんの希望です。

そして、
レッスンをはじめて、
お話をしたり、
お話をきいたりしているうちに、
お母さんや、お父さんが、
とっても音楽好きだということが、判明します。

そういう時は、
ちょっとずつ、
ピアノをやってはどうですか、と
おすすめします。
どうせ、楽器は、おうちにあるのですし。

すると、
ほとんどの場合、
特に、お母さんですが、
ものすごい才能をもってらっしゃいます。
とういうことが、判明します。

そして、
今まで、お子さんの教育に、
一生懸命だった、そのエネルギーをつかって、
ご自分の練習に精をだされます。
なかなか、指が思うように動かない、とか、
昔のように、うまく弾けない、とか、
いろいろつまづきますが、

でも、その、
楽しそうなこと!
そして、その音楽センスのよいこと!

さらに、
おまけとして、いいことは、
お子さんが、
なんとなく、うれしそうだということです。
お子さんの方が、進んでいれば、
ちょっぴり優越感をもって、
「お母さん、教えて上げようか」なんて、
誇らしげです。

レベルが同じならば、
一緒に、連弾など、弾いて、
やっぱり、お子さんの方が、
アドバイスしたりしています。
これまた、誇らしげです。
そして、
ますます、練習に精がでるようです。

ある日、
私は、小さなファミリーコンサート、
というのを開いたことがあります。
親御さん、
おねえちゃん、お兄ちゃん、
妹、弟、いとこ、などなど、
そして、
いろんな楽器があつまって、
一緒に、弾きました。
いずれにしても、
若いコドモさんの方が、親御さんより、
なんとなく、誇らしげです。

親御さんは、親御さんで、
若いころにもどったように、
ドキドキして、
やりとげて、
これまた、大満足そうでした。
おすすめして、よかった、と
思ったりしました。




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2022年2月24日木曜日

ピアノに合っていない体質


 私の勤めている音楽院では、
いろいろな国の出身の生徒さんがいます。
40年前、勤め始めた時は、
フランス人ばかりだったのですが、
今では、他の地から移り住んできた人が、
7割以上になっています。

(私も、よその地から来た、その一人です)

さて、
ヨーロッパ、
アメリカ大陸、
アジア大陸、
アフリカ大陸から来た人々を生徒さんに持って、
思うことがあります。

それぞれ、体つき、手の作りが、ちょっとずつ違いますから、
当然、ピアノに合ってるかどうか、というのも、
出てきます。
大ざっぱに言ってしまうと、
ピアノにあまり適していない体つき、というのもあります。
気の毒ですが、
人一倍か、もしくは2倍3倍の努力が必要になってくる。

その点、
アジア大陸出身の人は、
この楽器に、合っているように思えます。
いともすんなり、こなします。

もっとも、
楽器を奏でるには、
ただ体が動けばいいということでなく、
奏でる内容を、どう感じて、
どう表現するか、が、とても大事だと思いますが、

それにしても、
こうも体の使い方に差があるとは、と、
びっくりすることも多いです。

この観点から言いますと、
これを読んでらっしゃる日本の方は、
とても得をしていると思います。









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2022年2月16日水曜日

大人ピアノ初心者の方、増加中

コロナのせいかどうか、よくわかりませんが、
最近、大人の方が、ピアノを始めたい、という人口が
私のところでは、増えています。

特に、珍しいことは、
男性の割合が、増えています。
コンピューター関係の若者、とか、
機動隊の方、中年の方、とか、
定年近くの、サラリーマンの方。

もちろん、女性の方も、あります。
年齢は、いろいろです。
春からはいっている予約では、
70代の女性もあります。

なぜ、そうなっているのか、
私は、その理由を調査することもなく、
ただ、ただ、うれしいなぁと、
顔をほころばせて、レッスンをしています。

ぐんぐん上達なさる、その感じは、
大人ピアノ、ならでは、です。
モチベーションは、ものすごく大きいです。
そこが、子どもさんレッスンとの違いです。

それにしても、
大人の方も、
子どもさんも、
ご一緒にピアノを追求していくと、
それぞれ、楽しさがあります。
ですので、
私は、様々なレンジの方を対象に、
レッスンを行っています。






 


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2022年1月12日水曜日

生徒さんの、本当の実力


 きのうは、しんみり感動しました。
そして、同時に「!」と、驚き、
おやおや、と、ちょっぴり複雑な気持ちも、
ありました。
(でも、これは喜ばしいことなのです!)

何が起こったかと言いますと。

ここ、しばらくレッスンに来られなかった、大人の方がありました。
2ヶ月ほど、です。
悩み事があって、来られなかったのです。
おじいさんが入院されて、とても心配してらっしゃいました。

その方が、
きのう、ご自分で仕上げられたドビュッシーの曲を、
録音で送ってくださいました。
パソコンで聞いてみますと
それは、それは、美しく、
最初は、プロの演奏かと思ってしまいました。

よく聞けば、ミスリーディングがあったり、
テンポが動いたりしましたので、
やはり、あの彼女だ、ということが、
判明しましたが、

それにしても、感動します。
ものすごく素敵で、
フレージングは、心がこもっていて、
とにかく素晴らしい。
心が動く、というのは、このことです。
こういう演奏ができたら、もう、言うことありません。

それを聞いて、
私は、すごい!と、誇りに思いましたし、

同時に、
「まぁ、レッスンを受けなくても、
ここまでできるのですね!」とか、
さらには、
「レッスンがないほうが、上達されるのかしら」
などと、
教師としての反省も、始まります。

私の気持ちは、ちょっと複雑になってしまいます。
さて、
このような気持ちは、さておいて、
この方が、どのような状況で、弾かれたか、ということを知ると、
納得がいくように思います。

コロナの関係で、
病院にも、あまり付き添いができなかったのかもしれません。
そんな中、おじいちゃんのために、と
一生懸命、練習されたのだそうです。
そして、この録音は、
お葬儀の時に、流したのだそうです。

あぁ、なるほど、この演奏には、
おじいちゃんへの愛が、いっぱいつまってるのだな、と思いました。

おじいちゃんへのやさしさ、
切なさが伝わってきます。
心を込めて、弾いてらっしゃいます。

あぁ、
いざとなれば、ここまで、できるのだな、と
あらためて、
人間の可能性は、すごい、と感じました。






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2021年12月13日月曜日

アクションに移せない人たち


(きのう、もみの木を、家にかざりました。
今、そのそばで書いているのですが、、、とてもいい香り!)

さて、ピアノに関してだけ言えば、
ともかく、実行に移せる人は、上達します。

今までに、
才能がない、とか、
センスがよくない、とか、
いろいろ言われてきた人たちが、
長い目で見ると、とても上手に楽しめるようになってきていることが、
多数あります。
むしろ、それが、ほとんどです。

ほんとうに、へんな話だと思いますが、
音楽院などでは、
若いのによく弾ける人、
先生が何も言わなくても、もう、弾ける人、などが、
ちやほや、褒められることが多い。

ですが、
そういう「きらびやか」でない人たちが、
それでも、続けていますと、
自分の持ち味を感じて、
どんどん、上達していって、
しまいには、たくさんのスキルを身につけて、
楽しめるようになるのです。
むしろそういう方の方が、現実感をしっかりお持ちで、
楽譜を読んで、
音の粒を聞いて、練習をなさっています。
弾けた時の、喜びも、味わってらっしゃる。


そんな風に、
長いこと、そういう上達を目の当たりにしてきて、
もう、これは、実行するか、しないか、にしか
差はない、と思えてきます。

その、
実行に移す、というのが、いいのです。
気が弱くなっていても、
慎重すぎてもいいですから、
少し、小さなアクションを起こすのがいいです。

慎重さは、自分を守ってくれる、と
考えて、
少しずつ、毎日、歯を磨くみたいに、
アクションできるようになります。



* ピアノは、小さなアクションから





 


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2021年12月1日水曜日

起伏の多い、アルプスのように


 
オンラインではなくて、
オンラクイン(音楽院)でのことです。
中学生のお嬢さんが、小さなエチュードを練習しています。

それは、1〜2小節ごとに、強弱がコロコロ変わります。
すばやく、強弱を変えたり、
短い期間に、クレッシェンド、ディミニュエンドをする、
その目的の、練習曲です。

さて、
一応、弾けるようになったのはいいですが、
タッチの弱い音で、まっ平らな感じ。
起伏はありません。

そういえば、
私たちが住む、ロワール地方は、
実に、まっ平らな平地が続くのです。
そういう景色ばかり見ていると、
こういう音楽になってしまうのかもしれない、と
思ってしまいます。
私は、東京生まれですが、
東京というところは、
ちょっと郊外に出れば、すぐに山あり、谷ありの、
景色になります。

思わず、
「うーん、それだと、ロワール地方の平らさです。
あなた、ここ出身でしょう。
もうちょっと、起伏を」と、言ってしまいます。

一生懸命やって、
なんとか、少し、起伏が出てきます。
「いいですね。
今のところ、『中央台地』っていう感じです」と言えば、
クスッと笑っているのが聞こえます。

「中央台地」というのは、フランスの、なだらかな山岳地帯。
とても古いので、
ゴツゴツが風化してしまった、やわらかな景色です。
標高も、あまり高くない。

アルプスくらい、ゴツゴツ起伏があるといいんですけれど」

また、
クスッと笑っています。
がんばって、弾いています。

そうしたら、
なんと、
ものすごくダイナミックな、
生き生きとした、エチュードになりました。

「そう、それ!
いい感じです」












 



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2021年11月29日月曜日

先生も、人間である


 いくら先生でも、まちがうことはありますから、
すべてを鵜呑みにすることはない、ということです。

精神的に大人になっていらっしゃる皆さんは、
そういうことはないかもしれませんが、
一応、書いておきますと、
先生だって、人間ですので、まちがえることはあるのです。

技術的なことは、そうまちがうことはないかもしれませんが、
もし、先生が、
「あなたは、〇〇ですねぇ」、とか、
「いつも、△△をなさいますね」、とか、
「ここが弱点です」などと注意をされたら、
なるべく、そこは、すらっと流しましょう。

理由は、こうです。

私が、生徒さんを拝見していて、
「こうだな」と印象を持っていても、
様子を見ながら、
しばらくやっているうちに、それがくつがえされることが、
ものすごく多い、からです。

一人の人間が、
どれほどの、知らざれる力や、面白いものを持っているか、なんて、
なかなか予言できないものです。
今の時点で、こう、ということは、
少しは言えても、
この先どうなるか、は、ちょっとわかりません。

それより、
先生にこう言われたから、といって、
それをレッテルのように大事に抱えて、行動していると、
確かに、そのようになってしまうかもしれません。

人間だから、限りはあります。
何でもできるようになる、というわけではありませんが、
少なくとも、
それぞれの人に、強みのようなものは、必ずありますので、
それを掘り出していくのが、
おもしろい作業だと思います。










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2021年11月11日木曜日

ワクワクする曲


 曲選びには、講師の側としては、大きく分けて、
2種類あります。

一つは、
今のその人によくマッチしていて、わりと、すんなりいきそうな曲。
その人の良さを、さらに引き立てるので、
コンサートとか、コンクールには、これを選びます。

もう一つは、
その人の可能性を広げるような曲。
ちょっと慣れないような技術とか、感じ方があるのです。
それも、時々やっていると、
好みも、だんだん変化してきたりします。

だいたい、
ワクワクする曲を選ぶのが、
モチベーションにつながります。
上記の、一つ目、のにあたります。
レベルが合っている必要がありますが、
でも、
ほんのちょっと、むずかし目でも、
うまくいってしまうことも多いです。


また、それは、
時期とか、
環境
それから、季節にも影響されたりします。

なかなか、おもしろいものです。








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2021年10月26日火曜日

クラシック音楽の演奏に、正解はない


 ピアノを弾くのには、皆さん、それぞれきっかけがあって、
また、その理由も、いろいろなようです。

ともかく、楽器を鳴らすのが楽しい、という方、
何か、気持ちを込めて、表現してみたい、という方、
あの人のように、カッコよく弾いてみたい、という方、などなど。

私は、といえば、
なるべく作曲家の気持ち、立場にたって、
それを、表現したい、と思っています。
すると、どうしても、私のやり方、表現の仕方になってしまうのは、
しかたないのですが、
まぁ、
やはり、その人の感性、生い立ち、が、反映してしまうから、
おもしろい、とも言えるのかもしれません。

クラシック音楽は、
どの人も、同じ、決まった楽譜を弾くので、
「こう弾かねば」と、
まるで、どこかに正解があるような気がしてしまいますが、
実は、
その人、その人によって、演奏のしかたが、
ものすごく、違っています。

あぁ、こんな弾き方もあるのだ、と、
なんども聞いた曲なのに、改めて感激することは、
よく、あるのです。

また、同時に、
ピアノ講師としては、
そこが、おもしろいと思っています。
その人、その人の表現のしかたが、あります。
そこに耳を傾けています。
その方、その方の、感性を、どんどん
引き出していけたら、と思っています。







Chiyo

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2021年10月12日火曜日

あなたの才能


 新学年が始まって、音楽院では、新しい生徒さんも、
入ってきています。
その中で、やる気満々、という生徒さんがあります。
そばにいて、気持ちがワクワクします。

そのエネルギーを、感じます。
何かを提案すれば、すぐに実行。
そうすると、
ともかく、進みます。
音楽的に、才能が、あるかどうか、は、あまり関係ありません。
逆にいうと、
どんな方も、才能は、あると思います。
ピアノが好きならば、
そこには、才能がある、と私は思います。

独学でも、
先生と一緒でも、
そのエネルギーというのは、「音楽好き」「ピアノ好き」です。
あとは、実行に移すか、どうか、の差しかないように、
私は、思います。


* あなたの才能は、「好き」に隠れています



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2021年10月7日木曜日

レッスンの受け方


 中学から高校にかけて、私は、
現役ピアニストの元で、レッスンを受けていました。

そのころは、
レッスンに行くには、
だいたい弾けるようにしておいて、
先生から教わるのを、待つ、を心がけていました。
どう言われても、すぐにその通りにできるように、
スタンバイの状態に、練習しておきました。

そして、先生が
ここは、こんな風に、
ここは、もっと〇〇のように、などと、
説明してくれることを、その通りに、やっていました。

今から考えると、
なんだか、とても受け身〜、と思います。

それでも、
高校生ぐらいになると、
先生から、あまり説明がなくなって、
ひたすら、「もっと表現を」と要求されるようになってきます。
うまくできなくて、
焦ってきたのを、覚えています。

まぁ、はじめは、
「見習い」時代だったのだろうと思います。
それが、
だんだん、「一人前」の方向にいくにつれて、
要求が変わってきたのです。

今から思うに、
「見習い」の時期から「一人前」への橋渡し、
のようなものを、もうちょっと段階的に、
やってくれていたら、と思います。
もう少しスムースに行けたのではないか。

さらには、
もっと小さい時から、初級のころから、
「ここは、どういう風に表現したいのか」と、自分で
考える練習をしていたら、もっといいように思います。

先生の、「ここはこうしましょう」という説明を待つ、
というよりも、

「私は、ここをこうしたいんですけど、
うまくいきません、どうしたらいいでしょう」
と、説明をお願いする、
というのが、
もっと、楽しいように思います。



(これを読んで、お師匠さんは、天国で
「そうですねぇ」と笑ってらっしゃるはず)






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