オンラインではなくて、オンラクイン(音楽院)でのことです。
がんばり屋さんの、7歳のイスラちゃんに、
バランスの話をしていたときのことです。
右手と、左手の音色をバランスよく、という話です。
7歳の女の子に、「バランス」と言っても、
ちゃんとよくわかってもらえるのか?
それならこの際、
ハンバーガーとか、フライドポテトに、
どんな風にソースをかけているか、という話を聞いてみよう、と
思います。
子供の好きなもの、ナンバーワンは、たいていマクドナルドの食事なのです。
ところが、
イスラちゃんの大好きなものは、
ブロッコリー。
!!
では、
マヨネーズか何かかけて食するのかと思えば、
塩も、かけずに食べるのが好き、ということです。
私の目論見は、失敗に終わります。
次に、それでは、
タルティンヌは、好きか、と聞きます。
タルティンヌは、バゲットパンなどに、何かを塗ったものです。
毎朝、食べる、ということで、
ホッとします。
バターとジャムをつけて食べる、というので、
ああ、なるほど、
ジャムは、イチゴジャム、それともアンズ?
すると、
珍しいことに、
「いちじく」ということです。
いちじくジャムは、作ったり、買ったり。
どちらでもいいが、
いつも、いちじくジャムだそうです。
なるほど。
感心してしまって、
どうしてそんな話を始めたのかも、忘れてしまいます。
「へぇ、いちじくジャム!珍しい。実は、
私も好きよ」
いや、私は、どちらかというとコンポートの方が好き、
おばあちゃんが昔、よく作ってくれた。。。などなどと、
話がどんどんずれてしまいます。
コンポートというのは、
果物の砂糖煮です。
砂糖味が薄いので、いくらでも食べられてしまいます。
そして、
そこまで来て、やっと、元の「バランス」の話に戻って、
ジャムつけすぎ、とか、
ジャム足りなすぎ、の話になります。
どういう味になるか。
と、ピアノの話をしながらも、
私は、私で、
そうか、イスラちゃんは、
あの優しいお母ちゃんに、毎日タルティンヌを用意してもらって、
学校に来ているんだな、と、
シーンが、目に浮かんできます。
アラブの国では、そういえば、いちじくジャムが出てきたりするな、と
思い出したりもします。
私は、東京から。
イスラちゃんはアルジェリアから。
その2人が、フランスで出会って、
同じように、いちじくの煮たのが好きで、
同じピアノの曲を弾いて、
これまた、運命だなぁ、などと
思ったりしました。
Chiyo
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