2023年6月29日木曜日

両手で弾くのは、むずかしぃ



片手ずつならうまくいくのに、

両手だと、うまくいかない、と言って嘆く人は多いです。


たしかに、初めての曲を譜読みしていくのは、
なかなか大変なことがあります。

そんなとき、
チェックすることは、2つ。

* 片手ずつ、しっかり弾けてるかどうか
* 両手の段階に入るとき、テンポを落としているか


片手ずつ、ものすごく頑丈に出来上がったら、
次の両手の段階に入るのが、いいです。
ギリギリ弾ける、というのではうまくいきません。

また、
両手の時は、超スローモーションでいいのです。
一足、一足ずつ踏み出してゆく。

そして、数小節ずつ進む、というのもいいです。
一気に、次へ次へと、弾いてもあまり効果がありません。
繰り返し、短いパッセージを、のんびり繰り返し弾きましょう。

これは、
経験者にとっても、
譜読みは、同じような、めんどくささがあるようです。
特に、ラフマニノフや現代物は、
譜読みが、ものすごく大変だと感じています。

のんびり、少しずつ進めば、
必ず、できるようになると思います。


* 両手で弾くときの、まとめ

1)片手を、しっかりやる
2)両手に入る時は、スローモーションで


 


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2023年6月27日火曜日

ピアニストも、筋トレ



たまに、
ピアニストにとっての、筋トレはあるかという話が出ます。
最近では、筋トレがメンタルにもいいとか、
色々言われるようになっていますし、
実践なさる人も増えているようです。

ずっと、
私には、そういう発想はありませんでした。
長いこと、
ただ、ひたすら、ハノンやチェルニーを練習する、というのが、
筋肉をつけるものだと思っていました。

それでも、
自分の指の、力のなさを何とかしようと、
あちこち聞き回って、
バイオリンの人に教えてもらったのは。
粘土をこねくり回す」でした。
硬い粘土を、片手で、こねる。

そして、実際に、それをやっていました。
少しは、効果があったと思います。
また、腹筋も、行っていました。

そして、
今、感じていることは、
指もそうですが、
腹筋、そして、
腕や、体幹も同じようにきたえると、いい、ということです。

例えば、
腕立て伏せとか、
ボクシングの動作*のようなものが、とてもいいです。

また、
ピアノを弾きすぎて疲れた時に、
ビリヤードをやるのが、私は、好きです。
ピアノの筋肉と、逆の筋肉を使うような、
そんな感じがして、
プラスマイナスゼロになる感じがします。
でも、これは、
科学的には、何の根拠もありません。


*ボクシングの動作で、オススメなのは、
ふだんは、ジムでやっているのですが、
ロックダウンの時、パソコンで、
毎週一回、エンジョイしていました。
気持ちのいいジェスチャーが、いっぱいです。
これをやっていると、
ピアノを弾く時に、軽々と(?)弾けるような感じがします。

もっと昔に、そのことを知っていたらよかったのに、
と、思います。



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2023年6月22日木曜日

片手練習は、人気がない


 初心者の方だけが、

「片手ずつ練習」をめんどくさがるのではありません。
どんなレベルの方にも、
片手練習は、人気がないようです。
私も、ですので、そのお気持ちは、よくわかってしまいます。

特に、左手だけの練習。
これほど、地味で、退屈なものはありません。
早く、両手で、あのステキな響きを聞きたい、と思ってしまう。

また、ついでに書きますと、
ペダルを使って、弾きたくなる、というのも、
私の、ワルイ癖です。
まだ、部分練習が、ままならないのに、
すぐ、ペダルを使って、いい響きを聞きたくなってしまいます。

ですが、
やはり、最初のうちに、
片手練習、
そして、それをきちんとマスターしてから、両手に入りますと、
仕上がりが、ぐっときれいになるようです。

それは、
折り紙で遊んだことがある方なら、ご存知かもしれませんが、
出だしのところで、
ほんのちょっとでも、ぴったり折れていないと、
最後の最後まで、そのズレが付きまとう、という、あの感じに似ています。

最初から、
ピタッと、きれいに合わせて折っておくと、
最後まで、きれいに折れます。
日本の方なら、折り紙で、そのコツを身につけられていると思います。

その要領で、できるようになります。


 * まとめ。

地味な片手練習は、その先、いい結果を生み出します。







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2023年6月20日火曜日

装飾音の練習

 

装飾音の練習の仕方について、よく聞かれます。

もともと、
装飾音は、さらにキレイに聞こえるように、と、つけられた、
「かざり」です。
プレゼントの包みにつける、リボン結びみたいなものです。

まずは、
装飾音は無しで、シンプルに、練習します。
土台を作っておくのです。
それは、大事です。

それに慣れてきたら、
そこで、初めて、装飾音に取りかかるようにしています。
プロの人も、そうするのがスタンダードです。

プレゼント包みの「リボン」を連想させるような装飾音なら、
軽く、なめらかに、しなやかに弾きます。
トリル音の数が多ければ良い、ということはありません。

たまに、
アクセントっぽく、元気よく、弾くこともあります。
それは、
どこに、重心があるか、によります。
ケースバイケースです。



* まとめ

装飾音は、あくまでも「かざり」

 


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2023年6月19日月曜日

バイエルでも、ショパンでも

 



バイエルでも、ブルグミューラーでも、ショパンでも、

これをやっておくと良い、ということがあります。

それは、
左手の伴奏を、よくさらっておく、ということです。
と、申し上げると、
すぐに、
生徒さんの目の光が、失せてしまいます。

これは、つまらない、地味な練習になります。
ですが、これをやっておくと、良い。
伴奏をよく弾き込んでおくと、
ほぼ、自動的に、それが動くようになります。

すると、
もう、いちいち考えなくても、よくなるのです。
まるで、一流のオーケストラとか、
一流のバンドをバックに得たようなものです。

そして、
メロディのことだけを考えて、弾けるようになります。
気分いいです。
グッと、音楽的になります。





* まとめ

左手伴奏だけを、練習

 



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2023年6月15日木曜日

やはり、みなさんバッハが気になるようです




また、バッハの弾き方についてご質問を受けました。
この質問は、定期的に受けます。
どうしてでしょうね。


 さて、その質問の意味は、およそ、

1)チェンバロのために書かれた作品を、
ピアノで、どう弾くか、ということです。

また、
2)バッハは、いろいろ難しそうだから、
そのルールを教えて欲しい、という時もあります。

私の考えは、
わりと自由に、「歌ごころ」で弾く、です。
元は、チェンバロ曲だった、ということだけを
頭の隅に置いておけば、
あとは、ふつう(?)に、練習すればいいと思います。

レガートにするか、
ノンレガートにするか、は、これは、
チェンバロを弾くと分かりますが、
自分で決めるしかないです。
人それぞれ、になります。
フレーズが、どうなっているか、を
気にしていれば、およそ間違うことはありません。


あと、
複数の声部が、同時にからみ合って進む形が多いです。
ですので、
右手でメロディ、
左手で伴奏、という、
いつものパターンではないので、
ちょっとまごつくかもしれません。

それだって、
あぁ、いま、3人の人が、
一緒に歌って、ハモっているんだな、と
考えれば、簡単に思えてきます。
3つの声のために書かれた曲を、
ピアノで、弾いているんだ、ということです。

もう少しシンプルに、歌ごころを使って、
バッハを、
ピアノで、弾いてみるのがいいと思います。



* まとめ

バッハも、歌ごころで弾く

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2023年6月13日火曜日

ピアノを弾くとき、何に「注目」?


一曲を演奏するときに、何に注目して弾くか。

私は、
その曲の雰囲気を、かもしだすこと、
そして、そのストーリー、
起承転結」を、しっかり伝える、ということに、
注目して弾いています。

そうすると、音楽のメッセージを伝えるために、
曲を弾くことになります。
ギッチョな部分があっても、
それが伝えられればいいので、誰でもできます。
また、それは、楽しい作業だと思います。



* まとめ


演奏するときは、
ひたすらメッセージの内容に注目


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2023年6月12日月曜日

いい音色を出したい

このたび、私は自分の楽器のハンマーを新しくして、
音色が少し変わりました。
楽器がいい音を出す、ということはありますが、
同じ楽器でも、弾く人によって、
音は違ってきます。

いい音を出せるというのは、
ピアニストとして、とても得になることです。
それでは、どのようにすればいいのか。

その一つに、
タッチを深く、ということがあります。

音色は、
タッチの時に決定します。
タッチのスピード、角度、勢い、いろいろあります。
その時、
タッチを深くしておくのは、いいことです。
キーの底を、きちんと感じてみます。

それは、f フォルテの時だけではありません。
p ピアノ、弱い時に、タッチを深くするのも、
音色のバリエーションを増やすのに、
とても役に立ちます。
弱い音で、表現たっぷりに歌いたい時など。

音色のバリエーションが少ないと思っている方は、
タッチをもう少し深くすることを
トライしてみるといいです。
いろいろな可能性が開けてくると思います。





*まとめ

キーの底を、しっかり感じてみる





 


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2023年6月8日木曜日

指は立てるのかどうか?


 

先日、初心者の生徒さんに、
ショパンの小曲を弾きました。

そのあとに、
「先生の手を見ていたら、
ちっとも指が立っていないんですけれど」と
言ってきました。
いつも、指を立てるように、と言われているのに、と
不満そうです。

わかります、わかります!
初心者の方が、迷うのも当然です。

さて、
私の答えは、こうです。

「初めは、立てて弾くことを心がける」です。
この先、ショパンを弾くようになったら、
ベタ指で弾くこともあるかもしれません。
ですが、今のところは、
まずは、これを覚えましょう、というのが私の提案です。

それに、初心者の方にはよく見えないかもしれませんが、
オクターブなど、手が広がっているときは、
あまり立てて弾くことはできませんし、
ベタ指に見えるかもしれませんが、
それでも、わずかではあるけれども、
アーチ型になっているのです。

手がペシャンコになっているわけではない。
ですが、その差をわかって、
それだけを習得しようとしても、なかなかうまく行きません。

それよりも、
まずは、易しい曲で、
指立てを習っておく。
そうすれば、あとから色々なことができるようになります。



* まとめ

まずは、指立てフォームを、体で覚える




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2023年6月6日火曜日

ピアノがなかったり、時間がない時は


やっと大工事が終わって、ピアノが家に戻ってきました。
しばらく、思うように弾けませんでした。
別な場所に行って弾くこともできたのですが、
結局、あまり弾きに行きませんでした。

さて、
そんな時、どのようにしているのですか、と
聞かれます。

まずは、
弾けない、ということを反省したり、
ダメだなぁ、と思わないことです。
このことに、一番気をつけています。

そうでないと、
私は、すぐ、気持ちが苦しくなります。
たぶん、若いころに先生方に言われてきたことを、
思い出すからだと思います。
なので、
それでいい、と開き直ります

(開き直ってからは、
先生方がおっしゃっていたことは、
あまり現実的ではないこともわかりました)

次に、
大きく分けて、2通りのケースがあります。

*今は、バカンス、とみなして、
ピアノ断食をする場合と、

*今、ちょっと立て込んでいるから、
効率的な練習をする、地味にやっていく、という場合です。
そういう時は、
派手に筋肉を使うような曲は、あまり練習せずに、
どちらかというと、
ツェルニー練習曲で、筋肉をキープする、とか、
少しずつめんどくさい譜読みを進める、など、
あまり面白くないけれど、やっていれば、
やっているだけ進む、というようなものを中心にします。

すると、
そういう時期を終えたあと、
また、すんなり普通のリズムに戻れる感じがします。






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2023年6月2日金曜日

ロボットと、遊ぶ


 先日、チャットGPTというロボット*を
初めて試しました。
せっかく存在するのですから、
何に使えるだろうか、興味しんしんです。

まずは、色々質問してみようと思いました。
「『リストの愛の夢』と、
『ショパンピアノ協奏曲1番』とでは、
どちらが難しいですか?」

すると、
まぁ、長い説明文が返ってきました。
一言で言えば、
ピアニストの技量によるし、
また、どれだけ練習時間があるかにもよる、
ということでした。

それにしても、
この曲は、ここが難しい、
この技術が大変、というようなことをよく教えてくれました。
よく知ってるね!と、
思いました。

次に、
ヘンデルのサラバンドでは、
どれが有名ですか?」と聞きましたところ。

「d-mollの」ということで、
あぁ、なるほど、私もそう思っていた、
と考えつつ読んでいきますと、
「Harmonious Blacksmith」という副題がついています。
ふーん、
変だなぁと思います。

このサラバンドは、厳かな感じのする、
どちらかというメランコリックな曲。
なんで、「Blacksmith(鍛冶屋)」という題がつくのか。
ですので、思わず、
「そんな副題がつくなんて、変なの!」と答えてしまいます。

そこで、
ロボットが、謝ってくるのです。
変な感じに思わせてしまって、ごめんなさい」ということです。
おかしくなります。
ですので、
「謝らないでよ、あなたのせいじゃないんだから」
と入力します。

「それもそうだ」というような内容の、
長い説明文が、返ってきます。

それにしても、
Blacksmithと、このサラバンドが、結びつきません。
そして、ようやく
あ、これは「調子の良い鍛冶屋」のことだ!と気が付きます。
ロボット君は、この2つの曲を混ぜこぜにしているのです。

あぁ、そういうことか、
こういう知識については、
まだまだ、ウイキペディアの方が、鋭いな、と
思います。

そして、
ロボット君に、この違いを指摘しておきます。
すぐには、認めず、
しばらくは強情をはっていましたが、
しまいに、「ごめんなさい、あなたが正しい」と言ってきました。
「また、何かあったら、教えてください」とも。

今回のような内容は、まだ熟していないようですが、
このロボット君、
また別な方面で、役に立ってくれそうです。
いろいろ試してみたいと思います。



*ChatGPT は、インターネット上で無料で使える
人工頭脳チャットロボットです。






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2023年6月1日木曜日

リズム感も、ユーモアも抜群!

 



 
「ふだん塾」の動画レッスンでは、
日本人の方がお相手ですので、
日本語でレッスンを行います。
当たり前です。

ところが、先日
うっかり、フランス語が出てしまいました。
それは、
休符を、2拍分取りましょう、というお話の時、
ピアノを弾きながら、
「イッチニ!」というところを、
「アンドゥ!」と、フランス語でカウントしてしまった。

動画を撮っているときは、
「あ、」と思いましたが、
そのまま続けました。

2度目は日本語で言いました。

そのあとの、
受講生Mikeyさんのコメントです。
ユーモアたっぷりに受け取ってくださいました。



TRAMSTOPをお送りします。

先生の真似して休符のところアンドゥってフランス語で拍を取りました♪」


「追伸 頭の中で。声には出してません」



「私の人生で拍をフランス語で取るなんて思いませんでした。

長生きすると色々ありますね



「フランスでレッスンしてるみたいですかっこよかったです。

(フランスである意味レッスン受けてるんですけど)」


「フランス在住の先生にピアノ動画レッスン受けてるって言うと、

必ず聞き返され、すごいねって言われます」



「長生きすると色々ありますね」って、、、。

もう、Mikeyさん、楽しすぎ。

ありがとう、という気持ちです。



そして、

その動画の中では、この曲を、

リズム感抜群に、 弾いてらっしゃいました。

いつも以上に、ノリノリ、メリハリたっぷりでした。









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2023年5月30日火曜日

本番では、「やりすぎる」くらいで

 


先日、ある人が言っているの聞いて、
たしかに、たしかに、とうなづきました。

それは、
ピアノの先生で、
試験などの本番の時には、
強弱をいつもより「やりすぎる」くらいでちょうどいい、
ということでした。

私も、
先日、そのような記事を書いたところです。
この方の生徒さんも、
本番の日には、どうしても
音の質が「はにかみやさん」になってしまうということでした。

やっぱり。
私も同感です。
ちょっとやりすぎるくらいでいいです。
大げさ、と思われるでしょうが、
聞いている側にとっては、
それくらいがちょうどいいです。





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2023年5月29日月曜日

弾き合い会について


これは、「ふだん塾」の受講生の方に
教えていただいたことです。
今の日本には、
「ピアノ弾き合い会」というものがあるということです。
読者の皆さんの中には、
もうすでに、ご存知の方も多いでしょう。

私が日本にいた、遠い昭和時代には、
「門下生発表会」というものがあるくらいでした。
私にとっては、
一年にいっぺん、なかなか緊張する場でした。

その後、
大中小、いろいろな規模のコンクール、
そして、全く新しいコンセプト、
「ストリートピアノ」があらわれたようです。

ストリートピアノは、私は大好きです。
受講生の方にも、おススメしています。
手軽に、
どんなレベルの人も、参加できるからです。

今回、「弾き合い会」なるものを知って、
これまた、いい!と思いました。

ピアノは、まずは、
自分で自分のために弾いて楽しむのが、
いいと思います。
それができたら、
それを他の方にシェアする、というのは、さらに
楽しいことと思います。

さて、それをどういう場でシェアするか。

私は、
近所の方とか、
家族にシェアすることがほとんどでした。
親類の結婚式で、BGMで、
ご馳走もいただけずに、
ずっとピアノを弾いていたことも何度かあります。

ですので、
今回知った、「ピアノ弾き合い会」。
こんな風に、
ステキなホールで、
(時には、超ステキなピアノで)
練習した曲をご披露することができて、
また、
同志の皆さんの成果も聞くことができる。

これまた、楽しいことだなぁと思いました。







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2023年5月27日土曜日

本番で、一番大事なこと


 ただいま、音楽院では、コンクールの時期です。
学年末テストのようなものです。

本番が近くなってくると、
生徒さんは、まぁ、よく練習なさいますので、
私は、うれしくってたまりません。
思わず、
「だから私、シケン大好き〜!」と言ってしまいます。
すると、
生徒さんは、たいていはイヤな顔をします。
ストレスたっぷりの毎日をすごしているのかもしれません。

さて、
こんな風に、よく練習しているようですので、
曲はだいたい仕上がっています。
音楽的な表現も、よく練習してあります。

ただし、
肝心の、本番の時に、
とても無表現になってしまうこともあります。
こういう演奏は、とても低いスコアが出ます。

どういうことかと言いますと、
本人は、
ミスをしないように、ミスをしないように、と
気をつけて弾いているのです。
そして、肝心な、
その曲のテーマ、雰囲気を忘れてしまうのです。

それに、
試験官が、ペンと紙を持って聞いていたら、
「試験的気分」になってしまうのも、
よくわかります。

ですので、試験前の
最終アドバイスは、
「強弱を大げさ気味に」となります。

そのことを思い出して、
それを一生懸命やっていれば、
だいたい、いつもの調子が出て、うまくいくようです。

と、こんなことを書いていましたら、
私の方まで、
ドキドキしてきてしまいました。
実は、試験の時は、
われわれ教師は、ジャッジはしないのです。
ジャッジされる側なのです。

さぁ、どうなることでしょうか。
みなさん、いつものように、ガンガン表現してください〜と、
心の中で応援しています。










Chiyo





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2023年5月26日金曜日

エマさん、着々と上達

 


 「ふだん塾」受講生のエマさんから、
先週の日曜日に演奏された、という
ステージ本番の動画が、届きました。

添えてあったコメントには、
「砕け散りました」などとありますので、
いったい、どうだったのかしら、
でも、毎回、そう言うことをおっしゃる割には、
いい演奏をなさる、、などと考えながら、
動画を拝聴します。

なかなか、ステキな演奏です!
いつも通り、表現豊かです。
メロディも、よく浮き彫りにされて、
ていねいに歌っておられます。

また、前回と比べると、
かなり「腹がすわった」感じで弾いておられる。
あぁ、
着々と上達なさっているな、と
うれしくなりました。

すると、
そのあとのメッセージには、


「今回ちょっと良かったなと思う点は 手の震えについてです。

前回は最初から最後まで手が震えましたが、

今回は途中から震え始めました。


その時に、

chiyo先生がブログに書いておられたように、

お腹に気持ちを持っていくようにすると、

しばらく震えがおさまったように思いました。」




と、ありました。
あぁ、コツをつかまれたな、と
これまた、うれしく思いました。

こうして場を踏むことを重ねられ、
ズンズン能力を発揮なされていくのは、
そばで見ていて、
本当に、うれしいことです。

これだから、この仕事は、
やめられない、止まらないのです。

どうもありがとうございました。










Chiyo

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2023年5月23日火曜日

ピアノのハンマー、全とりかえ

きのうは、パリ近郊にあるピアノ工房に行きました。
ピアノのハンマーを交換する、という
大工事をしてもらっている工房です。

この楽器は、
20数年、ガンガン弾きましたので、
ハンマーが、ちょっとくたびれ気味です。
音質が、ハキハキしなくなってきました。
ということで、
一大決心をして、とりかえることにしたのです。

ですが、それは、
パソコンのバッテリーを交換するよりは、
もうちょっと時間がかかります。
作業も、とても複雑です。
ハンマーをとりかえた後は、
88本、すべてのハンマーの調整をしてもらわないとなりません。

6週間かかりましたが、
やっと終わったということで、
試しに行きました。

お願いした通り、
すき通った、
響きの長い、
キラキラした音が特徴になっています。

(私は、
キラキラした「中立的な音」をお願いしてあります。
それは、どういうことかと言いますと、
もともとキラキラした音ならば、
それを、曇った音にすることは可能ですが、

もともと、個性があったり、
ほんわりした音ですと、
キラキラした音を出すことは、ほぼできないからです。

そして、どんなレパートリーにも
向くように、「中立的」な音がいいです)

これで、オッケーです
ホッとしました!

もし、不満でしたら、
また、テクニシャンと相談して、
注文をお願いし、
また、試しに来なくてはならない。

それは、ちょっとおっくうでもあります。
なぜかと言いますと、
言葉でいろいろ説明しても、
それがうまく反映されるとはかぎらないのです。
とても微妙なのです。

ですので、とても安心しましたし、
テクニシャンの素晴らしい技術に、
脱帽です。

こんなふうにまた、新しく生まれ変わった楽器。
早く来ないかしら、と、
わが家に配達されるのを、首を長くして待っています。







 


Chiyo






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