2024年6月14日金曜日

野ばらさん、「石の上にも3年」(海外組だより)

 


きょうは、「ふだん塾」海外組のもうひと方、
野ばらさんのお庭を紹介したいと思います。

野ばらさんは、アメリカ、ワシントン州にお住まいです。
「ふだん塾」で数年前からお勉強中の女性。

以前にも、
このブログでアップさせてもらいましたが、
「女の細い腕とツルハシ一本」で、このお庭を作り上げた、スゴイ方です。
ピアノだって、
スゴイことをなさっています。
(そのことは、いつか書かせていただくかもしれません)

そのお庭には、
洋風のお庭があります。
そして、日本風のコーナーもあるのです。
そこには、フキがうわっていたりします。
そこに、今度は、
「つくばい」が新しくはいったようです。















「やっぱり、私は日本人ですねぇ、これがいいと思えるのは、、、」
と感想をお伝えしたら、
「私もこれを見て、自分が日本人なんだなーと
思いました!」とお返事が返ってきました。



 
西洋風の泉と、
和風の「つくばい」両方が見えます。
日本人でありながら、西洋の音楽まで愛してしまう
私たちみたい、と思ってしまいます。





 




 


























 












アメリカのこのあたりは、夏も涼しく、過ごしやすそうです。
バラの花が咲くのも、
フランスより、ちょっと遅めだったようです。
















野ばらさんがおっしゃるに、
庭を見ているとアイディアが次々に出てくるのですが、
行動が伴わないので、時間がかかります(笑)
ということです。
けれども、
私は、知っています。
こんなに重い天然石を運んで、3年かけて、作られたのです。

筑波いと山水を引いたような手洗い場は
3年前からの構想でした。
最近完成して、和風ガーデンっぽくなりました


時間がかかっても、3年かけて、完成させられたのは、
やっぱりスゴイ、と思います。
いえ、時間がかかるからこそ、
スゴイことを完成できるのかもしれません。

「石の上にも3年」



野ばらさん、
いい写真をありがとうございました。







Chiyo





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2024年6月13日木曜日

「両手で弾くのは、むずかしぃ」という時

 



片手ずつ弾けても、両手で弾くのが、むずかしい。
確かに、そうです!
私も、それでよく苦しみます。

そういう時に、よく観察してみますと、
まず、
片手ずつちゃんと弾けているかというと、
けっこう、そうでもないこともあります。

とくに、左手だけで弾くのは、おぼつかない。
まず、片手ずつ、きちんと弾けた方がいいです。
その方が、はやくコトが進みます。

さて、その準備がととのって、
両手にうつることにします。
その時、
あまり、完璧主義にならない方が、いいのです。

そこで、ある工夫をします。
両手を弾きながら、
片手だけに、注目する、ということです。

「両手引くけど、右手だけを、うまく弾こう」
です。
左手が、ぐちゃぐちゃになっても、いい、とします。

次に、その逆をやります。
両手を弾きながら、左手だけを、上手に弾こうとします。
右手は、どんなにミジメでも、いい、とします。

ということを、繰り返しているうちに、
だんだん、できるようになります。



まとめ
*両手で弾こうとするときに、
片手だけに、注目する練習







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2024年6月10日月曜日

 質より量、かどうか?

 



本の読み方に、

熟読、
速読、
斜め読み、など、
いろいろな読み方があるように、
ピアノの練習の仕方も、いろいろあると思います。

大曲を、ざっと仕上げる、とか、
小品を、深く掘り下げて練習する、など。

どちらも、
上達するのに、効果があると思います。
時と場合によります。

「いつも」ざっと仕上げていると、
レパートリーは増えるかもしれませんが、
まぁ、質より数、という感じになってくるかもしれません。

逆に、
小品、もしくは、
それほど技術的にむずかしくなくても、
音楽的によく掘り下げて練習する、というのは、
これは、
宝石のような価値を手に入れられるかもしれません。

そんなことを続けている人が、
たまに、
「大曲をざっと仕上げたり」すると、
ぐっと、レベルが1段も2段も上がったりすることがあります。
レパートリーも多くなく、
地味なピアニストでいながら、
そんな風になります。

これは、
おもしろいことです。






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2024年6月6日木曜日

ツェルニーで楽しめるのか?


先日、同業者の方に(つまり、ピアノ教師の方に)
質問を受けました。

数年前のことですが、
音楽院、教師就職試験の際、
私の生徒さんの一人が、レッスンの試験台となりました。

「あの時に弾いていたツェルニーの曲は、なかなか良い。
いつもより、音楽的で美しい」

ということでした。
「自分も使いたいので、ツェルニー何番か、教えてください」
ということでした。

「はい、それは、リトルピアニスト これこれこういう番号ですよ」
と答えました。

そして、
はてな、と思いました。
この練習曲集だけが、特別音楽的、というわけでもないのです。
まぁ、最後の方に、
魅力的な曲がそろっているのは、確かですが。

「ツェルニーというのは、つまらない曲が多いけれど」
という前提でお話がありましたので、
私は、心の中では、
私はそうは思わないけれど、
そう思う人はフランスでは多いな、とつぶやいていました。

それから、あともう一つ、
弾き方による、ということです。
ツェルニーのとてもシンプルな和声運行では、
つまらない、と思う人が出てくるのはわかります。
(I - IV - V - I というような)

それだって、どういう表現で弾くか、を
ちゃんと考えて、強弱をつけて弾けば、
とてもステキな一品になるのも確かです。




* まとめ

あいかわらず、フランスでは、
ツェルニーの人気がない






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2024年6月4日火曜日

「ふだん塾」海外組だより (イギリス)

 

「ふだん塾」受講生の中には、
海外からの方が、幾人かあります。
オンラインですから、どんなに遠くても、
まるでそばにいるように、レッスンを行います。

きょうは、
イギリスにお住まいの方から
お庭の写真をいただきましたので、紹介します。

志乃さんは、ピアノ歴9年になる女性の方。
「ふだん塾」に来られて数ヶ月たちました。
今は、モーツァルトのソナタを練習中。
しっとりした感情を込めた演奏をなさいます。

その志乃さんですが、
以前にいただいた写真に、
ステキなお庭が見えたのと、
植物の話をなさっていたことで、これは、きっと
庭いじりの好きな方に違いないと思いました。

私も、庭いじりが好きなので、
ピーンときました。
写真をお願いしてみますと、案の定。

写真には、大きくどっしりとした木が
とてもすてきです。

今年は、なかなか暖かくならず、
お花もちょっと遅いということですが、
「葉っぱもくもく」の時期も、11月と並んで大好き、
と、志乃さんはおっしゃいます。
確かに。
今、若葉がきれいです。


 
























クレマチスでしょうか。
その門をくぐると、またお花の小道が。













そろそろ、バラも咲き始めたようです。
そばに、お庭用のテーブルと椅子がちょっと見えます。


お話を聞いていると、
私の住むフランスと、天気が似ていたりします。
「今年の春はずいぶん涼しいですね、
私は暖房を入れました」と言えば、
「こちらももう笑っちゃうくらいに寒いです」
「フリースジャンパーを着込んでおります」
というようなお返事が返ってきます。

同じような天気ですし、
時差もあまり感じませんから、
ご近所に住んでおられるような感じがして、
なんとなく、うれしくもあります。

ステキなお便りをどうもありがとうございました。





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練習法「あまのじゃく」方式


 ある程度、曲を弾けるようになると、
楽しいですから、
なんども、なんども、繰り返して弾いたりします。

さて、
ここが、肝心なところです。

その時に、
繰り返し弾けば、弾けば弾くほど上手くなる、
ということは、あまりないように感じます。

むしろ、
違ったやり方で弾く方が、上手くいったりします。
速い曲なら、ゆっくり弾く。
のろい曲を、少し早めに弾く。
片手で弾く。

それも、
部分練習がいいのです。
あるパッセージを取り上げて、
そこを何回か(5〜8回)繰り返すのがいいと思います。

もちろん、
きちんと弾ける状態で、リピートします。
そうすれば、それが定着します。

そのいう練習をしておくと、
いざという時(本番)でも、
強力になっているはずです。



* 繰り返し練習のコツ
「あまのじゃく」




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2024年6月3日月曜日

ピアノ上達の、栄養剤


音楽院では、年末テストも終わりました。
7月になると、学年も終わりです。
でも、この1ヶ月はイベントがいろいろありますし、
レッスンも、続きます。

先日のテストでは、皆さん、
ストレスフルだったようですが、
でも、そのおかげでずいぶん練習したようです。

その昔、
私も、ピアノの先生に、発表会の後は
良いところをほめてもらって、
「よく練習しましたね。それにしても、
発表会のない時でも、これくらい練習するといいんですけどね」と
一言、言われていたのを思い出します。
今、私も、生徒さんに対して同じ気持ちです。

ですが、
当時、私は、先生のおっしゃることが
全然わからなかったのです。
なんでだろう、いつも、同じように
よく練習してるつもりなのに?!と、思いました。
ちょっぴり、
ふきげんな気持ちになってしまうくらいです。

ということは、今、考えますと、
本番のステージというのは、
知らないうちに、
わたしたちを奮い立たせてくれているのかも
しれません。

人によってそれぞれとは思いますが、
人前で弾くというのがストレスになる人は、
準備をよくします。
それは、やっぱりいい刺激だと思います。

* まとめ

ストピでも、発表会でも、
たまには、やってみると上達の栄養になるかもしれない




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2024年5月31日金曜日

「しぶとさ」礼賛!

音楽院でのことです。
先日のテストでうれしかったことを書きます。

いくつか、「とてもうれしかった」件があるのですが、
そして、
それは、だいたい、生徒さんが実力を発揮できた時。
それどころか、
いつもよりもっと上手に弾けたりすることもあります。

上手に、というのは、
音楽的に、はっきり、表現している、ということです。
音ミスの問題ではありません。

さて、
特に、びっくり、うれしかったのは。

とても恥ずかしがり屋さんで、
あまり話もしないですし、
したとしても、とても小さな声で答えが返ってくるだけ、
という高校生の女の子のこと。

ピアノの音も、
そんな感じで、小さく、
びくびく弾いているような感じです。
なんとなくエネルギーが足りないような感じもします。

それでも、
学校ではバレーボールクラブで、
活躍しているのです。
そのエネルギーを、ピアノで使ってほしいなぁと
そんな話が出たこともあります。

毎年、テストでも、
小さな音で、
表現も小さかったです。


でも、まぁ、
私はいつも、ご本人の感性を尊重して、
見守っているわけですが。。。

それが、
今年は、ガラッと変わったのです。
まず、弾く前に、
ピアノの上に両手をかざしていました。
7秒くらい、弾き出さなかったので、
あら?と思ったくらいです。
でも、ちゃんと出発したのですが、
その勢いと言ったら!

実は、始める前に、精神集中していたのです。
まるでプロのようです。

そして、演奏は、
いつもより、ずっと元気で、
リズム感たっぷり。
音もさわやか、エネルギーたっぷりです。
ちょっとつっかえてしまいましたが、
いつもと比べたらなんのなんの。
表現力、たっぷり、
最後まで、いいドライブで弾けました。

これがいつもの、あの生徒さん?!
と、目と耳を疑うほどでした。

こういうことが、
たまに起こるのです。

でも、それは、偶然ではなく
やはり、ご本人の「しぶとさ」にあると思います。
どんなに苦労があっても、
マイペースで、今までずっと続けてきたから、
今回、花がパッと開いたのだと思います。

拍手!です。
本人も、とても喜んでいます。



* まとめ

「しぶとく」コツコツ続けていると、
いつか、必ず変化が見られる








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2024年5月29日水曜日

いくら練習しても変化がない

 

ある曲を、しばらく弾いていると、
なんだか、ちっとも改善しない、
変化がない、という時が来ることがあります。

それは、
両手で、音楽的に弾き続けている時に、
よく起こるような気がします。
何回弾いても、同じ。
これ以上、私にはできない、という感じがしてしまいます。

そういうときは、
もう、「分解」してみるしかありません。
ペダルを外して、
片手ずつ、音をただなぞる。
それを繰り返していると、
あまりうまくいっていないところがわかりますし、
自分勝手に「解釈」していて、
そのために行き詰っていた、ということも
わかったりすることがあります。

ちょっとハイレベルな練習法ですが、
これを行うと、
必ず、良い変化があらわれると思います。


*まとめ

同じ曲を、何度も弾きこんだら、
「分解」してみるのも、手です。




 


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2024年5月28日火曜日

本番に臨むとき


今、フランスの音楽院では、テストの時期です。
テストの時は、外部の先生がジャッジに来ます。
私も、別なところへ行って、ジャッジします。

演奏が終わって、
ジャッジも終わると、生徒さんとの対話があります。
そんな時、
「緊張のせいでうまく弾けなかった」という声を
よく聞きます。

わかります。
さぞかし、悔しいことでしょう!

同時に、
そんな時、私は思うのです。
緊張してしまうのは、仕方ないです。
でも、練習の仕方によって、
多少は、コントロールすることはできると思います。

それには、
ふだんからの練習で、
いろいろなことに気をつけているといいです。
主に、音楽的に練習することが、
成功につながると思います。
ただ、指の訓練だけに集中するのが、よくないと思います。

そして、
リハーサルをしっかりとすること。
場慣れ、といいます。
人前で弾く訓練を、積み重ねておくといいです。

他にも色々ありますが、
そのような準備なし、で、
お守りだけを持って本番に臨むのが、
一番あぶなっかしいです。





* まとめ

プロは、綿密に準備する








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2024年5月27日月曜日

大人初心者のすごさ


まったく初心者でなくとも(再開)、
大人になってからピアノを始める方は多いです。

逆に、
そんなことはできないはず、と
決めてかかっている方も多いです。

私からの感想は、
「必ずできる」です。
子どもから見たら、少しは進歩が遅い、と
決めてかかる人もありますが、
実は、
子どもさんの場合は、それはそれで
問題が多いのです。
(ちっともモチベーションがないのに、
親御さんに押されて、練習しているケースなど)

その点、
大人の方がピアノを習おう、とするときは、
モチベーションがとても大きいです。
そのエンジン力がすごいので、
私は、それに乗っかって、ぐんぐん進めるお手伝いをします。

その楽しいこと、
それは、初めは、自転車に乗っているようなもの、
そして、
次には自動車。
そして、その後はまるで飛行機です。

モチベーションと、実行の可能性さえあれば、
がんがんピアノで楽しめると思います。


* まとめ

大人ピアノのすごさは、モチベーション




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2024年5月21日火曜日

音色を、改善する


前回は 「音色」について書きました。
それでは、どのように、「色付け」をしていくかと
言いますと。

まずは、
全体的に、丸くて深みのある音色を
目指します。
これは、まるで、質の良い楽器を選ぶようなものです。

たいていの人は、
耳にまろやかな音が好きです。
その点、
がっしりした体格の人と比べますと、
細い体の女性などは、どうしても音が
細く、きつくなりやすいです。

腕の重さがないからなのか、
頑張ってフォルテの音を出そうとするとき、
ちょっと音が固くなりやすいです。

そういうときは、
(言葉で説明するのはむずかしいですが)
手首にまるでクッションが入っているように
タッチのインパクトを吸収すると、改善されます。

強い音で和音を弾くようなときは、
これを試してみてください。


* 丸くて強い音を出したいときは、
手をしっかりさせて、手首はゆるめる




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2024年5月20日月曜日

ピアニストは「音色」で、得します


 先日、日本のどこかで、マルタ・アルゲリッチが
古いアップライトで、
バラバラっと、
シューマンやらラベルの曲で、試し弾きをしていました。

その音を聞いて、
「あ、アルゲリッチの音」と思いました。
とてもアップライトとは思えない音でした。

自分で弾いているときは、
あまりよくわかりませんが、
やはりピアノの音色というのは、大事です。
同じフレージングで弾いたら、
やはり魅了的な音色の方が、グッと心に伝わります。

それには、
音色を楽器だけのせいにしないで、
弾き方を吟味していくことはいいことです。
どんなレベルの人も、
音色に注目して、弾いてみてください。


* まとめ

「音色」は、弾き方によって、ずいぶん変わる


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