初心者の方は、まだ、あまり気になさらなくてもいいですが、
知識としては、持っていただきたいことがあります。
左手の伴奏の音を、もっと弱く、とか、
このアルペジオの音は、もっと弱く、というお話をしても、
いっこうに変化がないことがあります。
先日、音楽院でのレッスンで、
やっと、誤解(?)が解けたので、
ああ、なるほど、と、
こちらが納得してしまいました。
弱く、と思って、一生懸命ボリュームを下げようとしても、
楽器によっては、限度があります。
それでは、ちっともうまくいきませんが、
音色を変えるということは、できます。
その時に、私が、「そうそう、それ!それ!」
と、興奮状態にオッケーを出している音というのは、
まさに、
生徒さんが、こりゃ、失敗した、と感じている音だったのです。
聞けば、そういう音は、
「不まじめ」であり、
「どうしょうもない音」で、
「使い物にならない、ダメな音」だということです。
タッチは浅いし、
はっきりしなくて、ぼやっとしているからです。
でも、
ちょっと考えてもみてください。
油絵の、素晴らしいと思う絵を、想像してみてください。
いろんな色があるでしょう?
雑巾のような、ばっちい色、とか、
ぼやっとした色、とか、
中間色、ともいえないような、
ともかく、
この色だけ見せられたら、「どうしようもない色」、と
思うかもしれません。
でも、
そういう色たっぷりで、できあがっていることが、多いです。
(逆に、
はっきりした、赤、黄色、青、ばかりでいくと、
子どもの、おもちゃランドの雰囲気になります。
それもまた、それで貫けば、素晴らしくなります。
私は、レゴのアーチストの展覧会で、ものすごく感激したことがあります)
ですので、
音色のパレットの幅を広げたかったら、
たまには、自分がダメ、と思っている音色も、
取り入れてやるのも、いいです。
ますます、おもしろくなってくるかもしれません。
試してみてください。
Chiyo