日本の恩師の言葉の一つ。
スゴイことを言ってらしたなぁと、今でも、思い出してしまいます。
演奏会で、間違えてしまう、ことについて
「それは、人間は機械ではない、という証拠。
だからこそ、クリエイティブになれるのです」
などと、のたまっていたのです。
そうは言われても、
ミスって、嫌な気持ちがしているのに、
そんなこと言われても、なんの慰みにもなりません。
第一、
先生だって、演奏会で、うまくいかないと、
すぐ、不機嫌になるじゃないですか、って、
言いたくなりましたが。
それにしても、ミスも創造の一つ、というのは、
理屈では、そうかもしれませんが、
では、
実際、楽譜通りに弾くことをなりわいとしている人は、
どうしたらいいのでしょう??
まぁ、私なりに考えますと、
まず、予定通りに弾く、というスタンスをやめることかなと思います。
大体のあらすじを決めておいたら、
あとは、即興、と考える。
いくら、即興と言っても、
これだけ繰り返し弾き込んでありますから、
覚えておいたものが、スラスラと出てきちゃいます。
でも、
その時の気持ちの込め方、とか、
音の出し方というのは、毎回、毎回が、
新しい回、というふうに考えてみます。
どんなふうに、このお話をしてやるか。
まるで、
子供さんのグループに、
おとぎ話を話するような設定にしてしまいます。
毎回、毎回、新しいパフォーマンスです。
そして、
子どもたちの目が、キラキラしてくるのが見えます。
えっ?
とか、
「うわぁ!」という声も、聞こえます。
話しているうちに、
そのお話の場所にいるような感じがしてきます。
そんな体験を、演奏会では、
毎回、しているのかもしれません。
でしたら、
こうしよう、と決めていくことはないです。
いったん準備をしてしまったら、
毎回、相手の目を見て、話しかける、
歌いかければいい。
そんなふうに、私は思います。
Chiyo