2021年6月7日月曜日

曲選びについて(講師編)


 ピアノを習っている時に、どの曲を弾くか、ということは、
いろいろ書いています。
では、講師の方では、どのようにチョイスしているのか。

それは、人によって色々です。
私の友人で、音楽院にいる限りは、
絶対に、生徒さんにモーツァルトの曲は与えない、と
言っている人もいます。
難しすぎるから、もっと後になって、
大人になってから、勉強するべきだ、と言っています。

彼女は、国家試験の時にも、
そのようなことを主張したそうで、
私は、びっくり。
それはそれは、
ものすごい勢いで答弁したらしく、審査員も、
へぇ、なるほど、と言って、
何も言ってこなかったそうです。


それはともかく。

私は、どうかと言いますと、
まず、大きく分けて、2種類のケースがあると
考えます。

1)試験や、コンサートなどで、
その人の持ち味が生かされるもの

2)その人が苦手としている部分を伸ばすもの

なにも、コンクールに参加するのに、
苦手な曲を選ぶ必要はないわけです。
その人にあった曲が、いいです。

けれど、そんなことばかりしていますと、
栄養がかたよりますので、
そのあたりは、バランスを見ながら、
時々、2)のような曲も、選びます。
そうして、
様子を見ながら、長い目で、やっていきます。

それは、
はっきりしたルールがあるわけでもなく、
また、その方の、その時に弾きたい、という内なる声に、
耳を傾けながら、
やっています。

いずれにしても、ピアニストにとっては、
レパートリーは、ものすごく豊富ですので、
チョイスがたくさんある、というのは、
ラッキーなことだと思っています。



Chiyo

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2021年6月4日金曜日

ピアノ曲の、難易度


 ピアノ曲の難易度を決めるのは、なかなかややこしいです。

A さんにとって難しいことでも、
B さんにとっては、た易い、ということはあります。

また、
譜面づらを見ると、なんだかスカスカかしていて、易しそう、
と思っても、
いざ、弾いてみると、難しかったりします。

ゆっくりテンポなら大丈夫だけれども、
テンポを上げたら、
途端に難しくなることもあります。

その逆もあります。
譜読みが難しかったけれども、
技術的には、結構、手におさまりやすかった、
ということもあります。

たとえば、
シューマンの曲は、見かけより、
難しく(私は)感じます。
また、
同じエチュードでも、
もちろんどちらも、とても難しいには違いありませんが、
ショパンより、リストの方が、
ちょっとまし、という気がします。

また、
音の数が少ないから易しい、とも言えません。
ある程度、力を抜いて、
寄りかかって休む場所、みたいなものがある方が、
弾きやすいこともあります。
そのために、
ちょっと力が要りそう、という曲の方が、
弾いているうちに筋力もついて、
弾けてしまうこともある。

チョン、チョン、と絶えず軽い音で、
早いテンポで刻まなければならないようなのは、
音の数が少なくても、
とても弾きづらかったりします。
(例 リスト「小人の踊り」)

何れにしても、曲の難易度、というのは、
各人の持っている筋肉、手首の使い方、
腹筋の使い方、
などによって、ずいぶん変わってきますので、
一概には言えない、と思います。

いろいろなところに書かれている難易度順位は、
大体のことがわかるにしても、
各人にとっては、
当てはまらないことが多いと思います。

みずから経験を積んで、実感されるのが、
一番だと思います。




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2021年6月3日木曜日

「隠れ右利き」


 きのうは、「隠れ左利き」のお話をしました。
その続きで、きょうは、「隠れ右利き」です。

右利きだと思っていたら、
実は、左利きの気(け)があった、ということ、
そして、それに気づいたら、
ピアノのギッチョが、ちょっと改善したというケースの
お話をしました。

さて、
ふつうは、「隠れ左利き」になります。
世の中は、右利きのために、右利きによって作られているからです。
ですが、
「隠れ右利き」に出会った時には、
ずいぶん、おどろきました。
今でも、思い返しては、うなってしまいます。

音楽院の生徒さんで、
とてもまじめで熱心な女の子でした。
小さい時から、高校卒業まで、
長い間、お伴してきました。

それが、
大きくなるにつれて、なんとなく、ギッチョな感じがしてきます。
あんなに弾けていたのに、だんだんおかしくなってきます。
その感じが、なんとも言えなく、
どうして、そんなことがそんなに難しいのかな、と、
経験から考えたり想像したりしても、
わからない。
なんだか、逆さまのような気がする。

変だなぁと、思っているのですが、
どうも解決がつきません。
ある日、話をしていて、
ええっと、思います。
高校生になって、もう卒業前、という時です。

実は、
彼女は、コンペにも出るくらいのレベルの
フェンシングの選手でした。

それが、
自分は、左利きと言われて、
左手でサーブル(武器)を持つけれど、
実際は、自分は右利きだ、というのです。

小さかったころ、フェンシングの先生が、
「あなたは左利きだから、左手でサーブルを持つように」と、
仕込まれた、というのです。
でも、自分では、右利きだと思っている。
もし、そのエラーこそ無かったら、
今、自分は、もっといいレベルに行っていたはずだ、
もっと勝てるはずだ、と、
カンカンになって怒っているのです。

いつもは、静かで、
はにかみ屋さんで、
あまり何も言わないお嬢さんが、
そのことでは、かなり強い口調で、
お話ししてくれましたので、
わたしも、びっくり。
なんと気の毒な。

そして、ピアノのことを、振り返ってみますと、
あぁ、そういうことか、と、
ものすごく、ふに落ちます。
両手が水面下で戦っていた感じ、というのが、
いつも感じていた、あの違和感だった、と
納得がいきます。

それではギッチョになるはず、と思いました。
それに、
それなら、右手に取り替えればいいのに、と思ったのですが、
もう遅かりし、だというのです。
その悔しさと言ったら!

その後、ピアノは卒業して、
他の地に行かれましたので、ピアノのことはわかりませんが、
(今、もう、すんなり弾いてらっしゃると思いますが)
そして、この話は、「隠れ右利き」なんていう特別な例なのですが、
まぁ、それはともかく、

もっとシンプルな例で、
もしかすると、自分は左利きかもしれない、
ということを疑ってみると、
ピアノで、
こじれていたものが、すっと、取れるような、
そんなことが、起こることもある、という話でした。




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2021年6月2日水曜日

右利き左利きが、ピアノに関係しているか

科学的に調べたわけではありませんが、
私の経験から、おかしなことを目撃しています。

実は、
生徒さんを観察していますと、
右利きか左利きかが、なんとなくわかってきます。
(ピアノは、両手を使うので、
どちらが得、ということはないと思います)

ところで、
隠れ左利き、と私が呼んでいるのもあります。
「いえ、断固として、私は右利きです」と言う人も、
話を聞いているうちに、
「でも、ボールは左手で投げる」とか、
「そういえば、知らないうちに、
左手でご飯を食べていた」ということがあります。

自分は右だけど、でも、よく考えると、
親も、おじさんも、いとこも皆、左利き。
もしかすると、自分も? ということもあります。

こうやって、当てっこをしているのも
楽しいですが、
それだけでなく、
だんだんとわかってくることもあります。

まず、
一口に右利き、といっても、
いろいろなグラドュエーションがあるようです。
例えば、
私などは、とても右利きです。
左手で何かをするのは、
別の国か、別の星に行ったくらい不自然です。

ところが、もう片方の手で何かをするのが、
あまり苦にならない人もあります。
どちらでもいい、という人もあります。
どちら寄り、と考える方がいいみたいです。

次に、
ピアノに関係してくることをお話しします。

隠れ左利き、というのは、
本当は左利きなのに、
「世の中は右利きのためにできているから、
将来困らないように」と、
右手を使う訓練をしたから、そうなることが多いようです。
そのほか、上に書いたように、
やや左利き、という場合は、
気づかずに、「みんなと同じように」やってきたのかもしれません。

いずれにしても、
それを知っておくのは、いいことのようです。
コトが早く進むようです。
それを知らずにいると、なんとなく手が、ひねくれてしまうように、
私は感じています。
そのために、ピアノがギッチョになることが、とても多い。
どういうわけか、スムースにいかない。

利き手の方が、怒っている、という感じです。
「使ってください」と、いくら言っても、
聞いてもらえないから、と、
こじれが起こっているように思えます。

そんな話をして、
「ああ、そういえば、そうかもしれない」ということが
わかりますと、
だんだん、そのこじれが取れてきた、ということが、
ある。

とても極端な例がありますので、
それは、あした、また書きます。




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2021年5月31日月曜日

親指を観察していると、わかる

ピアノを弾いているときは、手は動いていますので、
どのポジションが正しい、とは、言いにくいです。

それでも、親指に注目していると、
だいたい、それでいいのかどうだか、判断がつくこともあります。

タッチの時には、親指は、
平たく寝そべっていることが多いです。
打鍵の後は、リラックスしていいので、
起き上がったり、そのまま次の準備をしたり。

(わざと、そうでなくする場合もあります)

また、
親指と人差し指で、わっかを作る。
そのまま、その丸をピアノのキーの上に持ってくると、
手の形は、いい感じになります。

タッチの瞬間に、そうなっているのが、いいと思います。

何も、そんなことを意識しながら弾くことはないですが、
たまに、
チェックしてみるのも、いいことだと思います。

私がよく見かけるのは、
右手は良くても、左手がイマイチだったり、
または、その逆だったりします。

あぁ、この方は、本当は、左利きかもしれない、と
思ったりします。
ピアノには、関係ないですが、
当たっていることが多いです。

親指がきちんと居場所を知っていると、
弾くのが、ずいぶんラクになりますので、
興味ある方は、観察してみてください。

* まとめ

タッチの瞬間、親指はどうなっているか







 


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2021年5月28日金曜日

指のジムに、ならない

このブログの読者の方は、もう十分おわかりのことですが、
たまに、うっかり忘れてしまう方もあります。
私も、よく忘れます。

私たちピアニストが、指の練習をしていると思っている時、
実は、
同時に、耳を育てています。

たとえば、
先生に「ここはもっと軽やかに」と、言われたのならば、
いっしょうけんめい弾きながら、
耳を傾けて、「カロヤカさ」を探し始めます。

「カロヤカさ」って、どういうものだろう?
こうすれば、軽くなるかな、
いや、全部の音が聞こえなくなってしまう、
でも、
こうすれば、重くなる、

あちら立てれば、こちら立たずで、
なかなかスパッと、決まりませんが、
いろいろ試します。

そのやりくりの、試行錯誤の時間が、素晴らしのです。
これをやらずに、
ただ、
この速度で、これをミスなしで弾けるように、では、
あまり、上達しません。
指のジムになってしまいます。

指の動きと、
耳の要求を、つなげていく作業は、実は、水面下では、
ものすごいことが、起こっているようです。
筋肉の微妙な使い方、
反射神経、
表現能力、
センスが磨かれる、
耳のピクセル?が増える、
などなど、
つまり、平たく言うと、「耳が良くなる」ということが起こります。

それは、
ピアニストにとって、
ものすごく素晴らしいスキルです。



* まとめ

指の練習をしている、と思っていても、
実は、もっと色々な、すごいことが発達している可能性





 


2021年5月27日木曜日

神経どうしが、手をつなぐ


 先日、テレビを見ていましたら、体操の先生が、
いいことを教えてくれました。

何か新しいことをすると、神経と神経が手をつなぐ、というのです。

神経に手がついていて、
あちらのにも、手がついている。
新しいジェスチャーをすると、
その2つの手が、にぎりあって、つながる。

そして、繰り返し練習すると、
そのつながりが、もっと強くなる、ということでした。

私が小さいときの、ピアノの先生からは、
「繰り返せば繰り返すほど、
神経のつながりができて、
それが、どんどん太くなっていきますよ」という
説明でした。

だいたい、似たような感じですが、

今回のは、手がついていますから、
まるで、「東急ハンズ」のような絵を思い浮かべてしまいます。
なるほど、
そうやって、手のつながりを強くしていこう、と
もっと、さらに具体的にわかったような、
感じがしました。


* くりかえし練習で、神経がつながる


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2021年5月26日水曜日

女性ピアニストに、拍手

このブログの読者の中には、男性もいっぱいいらっしゃるので、
申し訳ないですが、
女性ピアニストならでは、の苦労も、あるのです。

初心者の方ですと、まだお気づきになりませんが、
しばらく進んできますと、
連続オクターブが出てきたり、
弾く音、盛りだくさんの和音を、いっぱい弾くことも、出てきます。

すると、
やはり、男性と、女性の差が出てきます。
オリンピックでは、
競技は、男性、女性と分かれているのに、
どういうわけか、ピアノだけは、
男女一緒です。

それでも、コンクールなどでは、
男女が混ざって競ったりします。

一昔前、
あるロシアの(ソ連の)大先生の公開レッスンを見ていましたら、
ドイツのか細い女性受講生が、
リストのエチュードを弾き終わった時に、
「女性としては、まあ、よく弾けている」などと、
今の時代でしたら、絶対、問題になるような発言も、
聞いたことがあります。

発言が問題になっても、ならなくても、
その、筋肉の問題は、今でも、残ります。
筋肉がある方が、絶対にトク、ということはあります。

ですから、
女性は、一生懸命練習をして、
そして、手や、体の柔軟さを効果的に使って、
センシビリティを磨いて、
色々工夫をしたりして、
手の小ささをカバーしています。

コンクールで優勝なさった日本人女性が、
ものすごく華奢だったりして、
ハグした時に、もう、びっくりしたこともあります。
それは、それは、
人一倍の努力をなされたのではないか、と
想像しています。

腕立て伏せをしたり、
腹筋を鍛えたり、も、しているはずです。

女性に拍手いたします。





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2021年5月24日月曜日

ピアノ占い?


 ピアノが好き、という方がいると、私もうれしくなります。
聞くのが好き、でも、なんでも、
ピアノの魅力をご存知なのです。
もう、これは、絶対、習っていただきたいものです。

さて、
ピアノが好き、というのは、
どこがいいのだろう、と
私は、想像してしまいます。
私は、物心ついたら、ピアノを弾いていましたので、
ピアノのどこがいいのかな、というのが、
よくわからないこともあります。

音色?
弾いている姿?
易しそうに見える?
ピアノ曲の、バラエティの広さ?

私が、今考えて、いいなと思うのは、
音色の広さです。
いろんな楽器のモノマネができるくらいです。
ピアノ一つあれば、
オーケストラを所有しているようなものです。

ところで。

お話をしていて感じるのです。
ピアノの、ここが好き、というようなお話を聞いて、
そこが、
その方の個性、才能ではないかと思うことがあったりします。

たとえば、
音色が好き、という方は、
ご自分の声が素敵、とか、
手がパラパラ動くから面白い、という方は、
運動神経がすごい、とか、
ピアノ曲で、まるでお話をしてるみたい、という方は、
ご自身が、お話をするのが上手だったり、
ピアノで、哀歌を弾けるのがいい、という方は、
なにか、そういうセンシビリティを持っていらしたり、、、と、

なんだか、ピアノ占い、なんていう怪しげなコトも
できそうな感じです。

あなたは、
ピアノの、どこがお好きですか?





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2021年5月21日金曜日

親指の大罪


 親指は、ピアニストにとっての大罪、という人もあります。
世界共通の、問題、とも言われています。

まず、指くぐらせをしなくてはなりません。
それに、
関節の数が、一つ足りません。
短いです。
横に寝そべっています。
などなど、他の指とは、まったく違う行動をしています。

さて、
一つ、おさえておくと得なことがあります。
それは、
親指で、メロディを弾き始める時です。

これも、また、
スマホで動画を撮って観察してみるとわかりますが、
親指は、指として機能しているようには見えません。
まるで、腕が弾いているような格好になっています。

つまり、
メロディの出だしを、
指ではなくて、腕で、弾いていることになります。
すると、
だいたい、ドスン、ドカン、というような、
ぶっきらぼうな音になります。
しかたのないことです。

ですので、
そこで、あえて、
ちょっとは指らしい動きをつけてやります。
手は鍵盤の上に準備しますが、
腕の動きは、使いません。
親指を、ちょっと上にあげて、
その動きだけを使って、音を出します。

それは、ふつうでは、やらないことです。
これを使うだけで、かなりデリケートな音色で、
フレーズを始めることができます。



* まとめ

親指の、知られざる使い方




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2021年5月20日木曜日

「間をとる」、なんて


 日本には、「間をとる」という言い方があります。
これは、なんともいえない、素晴らしい表現です。
フランス語で、なんと言うのか、考えても、見つかりません。

落語でも、
漫才でも、たぶん、間のとり方だけで、
ずいぶん、面白さがちがってくるのでしょう。

ピアニストにとっても、これは、
知っておくと、とても便利です。

フレーズが終わって、次のフレーズに入る時。
ブレス、とも言います。
時には、空気が止まって、固まってしまったような、
そんな「間」もあります。

また、
曲を始める前。
両手を鍵盤の前にかざして、
さぁ、スタート、と言う時。
次にどんな音が出てくるのか、と言う瞬間を、
聞いてみてください。
これも「間」の一種に思えます。
素敵な、「間」。

だいたい、
ピアノを弾いていると、
先へ先へと、気持ちが行きます。
次の、あそこは、うまく弾けるだろうか、と、
考えていることが多いです。

そんな時、
「間」のとり方に注目してみると、
また、ガラッと、変わった見方ができます。
これも、また、やってみると演奏に深みが出たりします。

日本独特の、この感じを、
たまには、ピアノ音楽に当てはめてみるのも、
おもしろいように思います。





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2021年5月17日月曜日

ミスタッチを、おそれる人たち

ピアノを弾いていて、ミスタッチをすると、
すごく残念な気持ちになります。

特に、以前弾けたのに、思ってもいなかったところで
ミスタッチをすると、理不尽、という気持ちもします。
本番でミスるなんて、もってのほか、
悔しくてたまらないです。
私は、ミスタッチをしてしまうのが、ものすごくいやです。

でも、
練習するときは、
私は、ミスタッチを大いに歓迎しています。

まずは、だらりとした腕、手首で弾く。
そして、どこに指が行ってしまったか、というのをよく見ます。
そこから、スタートです。

右に行き過ぎだったら、左寄りに。
左に行き過ぎだったのなら、右寄りにする、

という単純作業をやっています。

そうでなくて、
ちぢこまって、
一生懸命頑張って、
やりくりして、
なんでもいいから正確な音を弾く、というやり方は、
「ニセモノ」とみなしています。

これは、その場しのぎです。
実は、
体の使い方としては、正しくないです。

長いスパンで見れば、
体のどこかに無駄な力が入っていますから、
故障はしますし、
技術は上達しません。
音楽的にも、自然な、なめらかさは出ません。

ですので、
家では、
大いに、ミスタッチをしながら、
ラクな姿勢を、追求して行きましょう。
そして、
徐々に、正しい音に近づけていく、というのを
試してみてください。
それが、上達のヒントになると思います。



* まとめ

まずは、「自然体」で弾いてみて、観察



 
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2021年5月15日土曜日

曲選びで、冷や汗

ふたたび、曲選びのハナシです。

フランスにはなくて、日本にあるもの。

それは、日本の楽譜のうしろの方にある、表です。
便宜上、初級、中級、などと、レベルが書かれています。

何を基準に、レベル表を作ったのかは、
だいたい、わかりますし、
それが、買う人にとって、道調べになっているのだろう、ということは、
よくわかります。

ただし、
たまに、あれ?と思ってしまうカテゴリーづけはあります。
その曲、そんなに易しくないですよ、と言いたくなります。

易しそうに見えたって、むずかしい曲は、いくらでもあります。
国際コンクールの一次の課題曲で、
ピアニストが頭を悩ます曲に、
Bマークがついているのだって、あったくらいです。

また、
練習曲のランクづけも、これは、
どう考えても、ちょっとオーバーに思えます。
ただ、弾ければいい、(指がいうことを聞けばいい)という基準のようです。
どう弾くか、は、個人に任されています。
そこが一番肝心で、そこがむずかしいのに。
その点が、ちょっとあぶなく感じられます。


こんなふうに、
ピアノ音楽を、A B C D と、ランクづけすると、
「競争社会」に入ってしまうおそれがあります。
まぁ、そこまでいかなくても、
「階段」をのぼっているような気がしてしまいます。

でも実は、
階段をのぼる、というよりも、
みなさん、どんどん個性を広げて、
どんどん輝いていく、というのが私には感じられるのです。

ですので、
私は、受講生の方のプライドを傷つけないように、と、
そして、かつ、
その方にぴったりの教材を、と考えて、
ものすごく気を遣って、
曲選びをしています。



* まとめ

ピアノ曲は、
ABCDではカテゴリ分けできないくらい、
もっともっと豊かなもの




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2021年5月14日金曜日

お得な、曲選び


 ピアノを習う時に、経験値がモノを言う、ということがあります。
色々なパターンに出会って、
それをこなしてきた経験があればあるほど、
トクな場合もあるわけです。

ですので、
複数の違ったスタイルの曲を、並行して練習するのは、いいことです。

それから、
今日のポイントなのですが、

むずかしい曲を、何ヶ月もかかって、やりあげるよりも、
ちょっとレベルを下げて、割と短い期間で仕上げる方が、
効率がいい、とも言えます。

レベルを下げる、というのは、
つまり、曲を、少し易しめにする、ということです。
ですが、
要求度は、上げます。

これはむずかしいから、と、
中途半端でやめるより、
思う存分、自分に要求をして、
完成度の高い仕上がりにするのです。


と、
こう書いていくと、ものすごく複雑に見えてしまいます。
でも、
実は、カンタンなことなのです。

一言で言えば、
易しめの曲を、要求度を高めて弾いていく、というのを、
わりと短いスパンで、くりかえしていく、
です。

経験値が、ぐんぐん上がっていきます。


* まとめ

「ちょっと易しめの曲を、要求度ハイレベルで」を重ねる





Chiyo

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2021年5月12日水曜日

サクセスストーリー(発表会トラウマ克服)


 先日、「ふだん塾」受講生の Judy さんが、
うれしいニュースを届けてくださいました。

東京で、ご友人のピアノ発表会に、ビジター参加なさるというので、
数ヶ月前から、レッスンを行っていました。

準備期間は、
ちょっと緊張のご様子でしたが、
ものすごく熱心に練習を重ねられました。

そして、本番はもちろん、大成功でした。
動画がすぐに送られてきました。
演奏は、素晴らしいですし、
おまけに、ステージを楽しんでいらっしゃるようです。

そして、
そのあと教えてくださったお話というのは。。。






Chiyo


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2021年5月10日月曜日

不まじめな、音色

初心者の方は、まだ、あまり気になさらなくてもいいですが、
知識としては、持っていただきたいことがあります。

左手の伴奏の音を、もっと弱く、とか、
このアルペジオの音は、もっと弱く、というお話をしても、
いっこうに変化がないことがあります。

先日、音楽院でのレッスンで、
やっと、誤解(?)が解けたので、
ああ、なるほど、と、
こちらが納得してしまいました。

弱く、と思って、一生懸命ボリュームを下げようとしても、
楽器によっては、限度があります。
それでは、ちっともうまくいきませんが、
音色を変えるということは、できます。

その時に、私が、「そうそう、それ!それ!」
と、興奮状態にオッケーを出している音というのは、
まさに、
生徒さんが、こりゃ、失敗した、と感じている音だったのです。

聞けば、そういう音は、
「不まじめ」であり、
「どうしょうもない音」で、
「使い物にならない、ダメな音」だということです。
タッチは浅いし、
はっきりしなくて、ぼやっとしているからです。

でも、
ちょっと考えてもみてください。
油絵の、素晴らしいと思う絵を、想像してみてください。
いろんな色があるでしょう?

雑巾のような、ばっちい色、とか、
ぼやっとした色、とか、
中間色、ともいえないような、
ともかく、
この色だけ見せられたら、「どうしようもない色」、と
思うかもしれません。
でも、
そういう色たっぷりで、できあがっていることが、多いです。

(逆に、
はっきりした、赤、黄色、青、ばかりでいくと、
子どもの、おもちゃランドの雰囲気になります。
それもまた、それで貫けば、素晴らしくなります。
私は、レゴのアーチストの展覧会で、ものすごく感激したことがあります)

ですので、
音色のパレットの幅を広げたかったら、
たまには、自分がダメ、と思っている音色も、
取り入れてやるのも、いいです。
ますます、おもしろくなってくるかもしれません。

試してみてください。

 

Chiyo


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2021年5月3日月曜日

音量と音色について

YouTube で、いろいろな音楽が聴けるようになったことや、
MP3プレーヤーで音楽を聴けるようになったことは、ものすごく便利なことです。

私は、うれしく思っていますが、
一つだけ、欠点があります。

それは、
強弱の幅が、平らになっている、ということです。
音量がいつもだいたい同じです。
ピアノでも、フォルテでも、音量が同じです。

そこは、
ふだんから、生のピアノや、オーケストラを聴いている人なら、
かまわないのです。
この音色なら、この音量、というのが、
体で、つかめています。

ですが、
いつも、MP3, MP4ファイルで音を聞いている人は、
その区別が、まだできるようになっていません。

そのためには、
やはり、生の楽器の演奏にふれていると、いいです。

楽器を演奏するには、
弾けるようになる指、手の動きを習うだけでなく、
いい耳を育てることが必要です。

今は、あまりコンサートも行われないのですが、
行かれるようになったら、
どんどん聴きましょう。
そして、耳を育てて、
音のエキスパートになりましょう。
ものすごく小さいピアノ、
ものすごく大きいフォルテ、が出せるピアニストになってください。




* 耳を育てるには、生の演奏を聴くことが必要

 
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2021年5月1日土曜日

部分練習のときは、できるのに

部分練習のときは、できるのに、通して弾いてみると、できない場合に、
どうしたらいいか、というご質問を受けました。

答えは、簡単です。
簡単すぎて、がっくりします。

まず、
部分練習をする、というのは、いいことです。
なんとなく、うまくいかない部分を、
集中的に、くりかえし、くりかえし、弾いていると、
だんだん、できるようになります。
ゆっくり、ゆっくり、くりかえし
リピート練習、とも言います。

この練習法は、すぐれものです。

ですから、
答えは、同じく、
「通し」の練習をします。
つまり、
通して弾くときに、つっかえる部分を、見つけ出します。
そこを中心として、前後を加えて、
つまり、連結部を、くりかえし練習するのです。

虫メガネで、よく観察すると、
だいたい、つっかえる部分には、一つの音、一つのジェスチャーがあります。
たった一つ、のことが多い。
それを見つけたら、もうしめたものです。
そのあたりを、集中的に、ゆっくり、ゆっくり、くりかえし。

と、
私は、くりかえし、申し上げます。

* まとめ

どこでつっかえるのか、を、見つける



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