2022年3月23日水曜日

無理してやることはないですが



 
ピアノは、孤独な練習ばかりです。
もちろん、合奏をすることはできるのですが、
趣味ピアノをなさっている方の大半は、
一人で弾いてらっしゃることが多いようです。

一人で弾くのもいいですが、
どなたかと弾くのも、とてもいいのです。
まず、楽しいかもしれません。
次に、聞く耳が育ちます。

細かいこと、
バランス、
リズムの感じ方、などなど、
今まで聞こえていなかった、
たくさんのことが聞こえてきます。

それから、
息の使い方を覚えられます。
特に、歌、管楽器と、ですが、
うまいパートナーとでしたら、
どんな楽器でも。

独学の方は、
パートナーを見つけるしかありません。
一方、
レッスンを受けていらっしゃる方でしたら、
先生に、連弾のお相手を頼む、という手もあります。

また、
連弾、とまでいかなくとも、
ふだんの曲の、
右手のパートを自分で、
そして、左手パートを先生にお願いする、ということもできます。
そして、右左、そのまた逆も。
これは、ゲームみたいなもので、
2人3脚のような面白さがあります。
そして、
実は、かなり勉強になることが多いのです。
これは、やってみるとわかります。

実際、
若い生徒さんに、これをやってみると、
みるみる、ぐんぐん、上達します。




* まとめ

たまには、ドュエットをしてみる。






 


Chiyo

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2022年3月22日火曜日

モーツァルトは、問題


フランスの音楽教育の場では、なんとなくですが、
若いと、ちやほやされるように思えます。
試験でも、若い人がちょっと上手に弾くと、
「こんなに若いのだから」と、いい点をもらえたりします。

国際コンクールでも、
同じようなスコアの人がいたら、
若い人の方に、注目が集まります。

それは、実は、違反に思えます。
年や、見かけは関係なく、
音だけを聞いて、ジャッジするのが本当だと思うのですが。

まぁ、それはどうでもいいのですが、
もう一つ、問題があります。
フランスでは、一昔前、
モーツァルトの「5歳で作曲」という楽譜がありました。
シンプルな曲が集められた楽譜です。
たぶん、
若いピアノの生徒さんに、気に入ってもらえるだろう、というのが、
出版した人のもくろみだったと思います。

ですが、
私が見た限りでは、
若い生徒さんたちを、よく失望させていました。
「えっ、5歳で、作曲したの?
自分は、もっと年がいってるのに、
これさえも、よく弾けない」となります。

ですが、モーツァルトには、
誰も知らなかった、問題があったのです。
それは、若くして一生を終えなくちゃならなかった、ということです。
35才で終わったのです。
だから、あんなに若い時から、
急いで、
たくさんの曲を作曲しなくてはならなかった、のかもしれないのです。

というのは、
冗談ですが、
逆に言いますと、そんなに先を急いで焦るより、
ストレスを、極力少なくして、
長生きすることを考えた方が、いいと思います。




* まとめ

もっとのんびりしても、いい。








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2022年3月21日月曜日

ミスタッチをした方がいい時


 私も含めて、ほとんどのピアニストは、ミスタッチが大嫌いです。
それを避けようと、
もう、必死で練習します。
いろいろな方法で、訓練します。
そこまでは、よいのです。

ミスタッチを避けようとするあまり、
なんとか、つじつまを合わせようとするのは、
これまた、考えものです。
そういう時は、
手がこわばっていたり、
腕に力が入りすぎだったり、
ともかく、正確な音を弾ければいい、と、
ガンバっています。

それは、正しくない姿勢なことが多いです。
それでは、
テンポがそれ以上、上がらない、とか、
しなやかな表現ができない、とか、
さらには、これが一番まずいですが、
ケガの元にもなります。

いいことありませんので、
そんな時は、ミスタッチをしながら、
ゆったりとやっていきます。
赤ちゃんが、おさじでご飯を食べ始める時のように、
とてもギッチョで、
こぼれたり、
口のまわりがよごれたりしますが、
それで、いいのです。

このように、ミスをしながらじゃんじゃん弾いていますと、
だんだん、距離感とか、
ジェスチャーの感覚が自然につかめてきます。
そして、リラックスしたまま、ちゃんと弾けるようになります。


* まとめ

ミスタッチしながら、距離感をつかむ




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2022年3月18日金曜日

絶対音感を、持っているかどうか


 先日、おしゃべりをしていて、「絶対音感」の話になりました。
絶対音感がある方が、いい演奏できるかどうか、という話。

そうなのかもしれませんが、
もし、たとえ、絶対音感を持っていたとしても、
それを使わなくては仕方ありません

私の知り合いに、
自分の絶対音感を、誇りに思っている人がいます。
その人を見たり聞いたりしているかぎり、
私の結論は、こうなります。

ある人の演奏を聴いて、感動した、という時に、
その人が絶対音感を持っているかどうか、は、
あまり関係ありません。
それは、長年、
私の生徒さんを拝見していて思うことです。

また、
音感が良くない、とか、
リズム感がない、と言われながら、
のちに偉大な演奏家になった人を、私は知っています。
だから、
あまり当てにならないことが多い。

ちなみに、
「相対音感」というのもあります。
これは、育てられるものだそうです。
ピアノを練習しながら、
ここをどうしたい、
このアルト声部を、こう歌いたい、などと
一生懸命やっているうちに、
音感は、育っていくと思います。

もともと、
音楽に魅せられた人は、
耳がいいに決まっています。
そして、楽器を奏でて、音楽を追求して行くと、
ますます感覚は、研ぎ澄まされていくと思います。







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2022年3月17日木曜日

テクニックと、弾きやすさの関係

ピアノ曲を弾いていて、
「あぁ、もっと技術を持っていたら、どんないいいことか」と
思うことがあります。

これが弾けない、
あれも弾けなそう、と悲しくなります。

そういうときに、
視点を変えて、
別な方向から攻めて行くのも、ときには効果があります。
ここをどうしたいか、というのが
わかっていないのに、あたふたとしている場合です。

時と場合によっては、
ちょっとゆっくり目でも、きちんと
表現したい内容がわかっていて、それが弾けていれば、
充分にステキな、心に響く演奏になります。

その逆に、
表現の中身がわかっていないのに、
「ここは、4分音符イコール120で弾かなくては」
というやり方ですと、
とても苦しくなります。
手はこわばり、ますます弾けなくなります。

ここでは、このメロデイを浮き彫りにしたいのだ、
ここでは、このリズム感を出したいのだ、
ここでは、もの悲しい雰囲気を出したい、などと、
はっきりさせます。

そのあとに、
では、どうするか、と技術的なことを考えます。
すると、割合と、体がそれについてくる場合が多い、
というのが、私の経験からの感覚です。




* まとめ

楽譜づらだけを見て、技術を解決させようとするのは、
苦しいやり方。

ここでは、何を表現したいか、を見ていくと、
体が喜んで動いてくれる(かも)。




 


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2022年3月16日水曜日

どうしても、うまくいかないと思ってしまう

 


 


ピアノ練習をしていて、

どうしても、うまくいかないで悩むことがあります。

ああでもない、
こうでもない、と、
あらゆる角度から練習してみても、だめ。
だから、ますます手に力がはいって、
カチカチになります。

だから、しばらくお休みにしよう、としても、
やっぱり気になって、だしてきて、
また、トライします。
それでも、だめ。

もう、いいかげん、いやになってきます。

そんなことが、よくあります。
でも、
実際は、そんなに捨てたものではないのです。
片手ずつ練習したことが、
けっこう役にたっています。
ゆっくり練習したことも、身についています。

そんなときは、
だれかに聞いてもらうのも、いいです。
先生とか、友人とか。

「こんな、いいところもあった」
と、新しいことをおしえてくれるはずです。
だいたい、私たちは、自分に対してきびしすぎます。
練習していれば、
よほど、コースからはずれていないかぎり、
かならず、上達しています。

もうじき、桜の季節になります。
新しい季節の予感がします。

ますます、そのまま、上達をつづけてください。






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2022年3月15日火曜日

音のつぶを、そろえたいとき その2


 先日、音のつぶを、そろえたい時にするといい練習の話をしました。
その追加です。
一段階レベルが上がります。

ふてん練習、つまり
タタタタの部分を、タッタタッタ、と弾く。
そして、その逆、タタータター、も弾く、ということを
します。

その時に、フォルテで弾くこと。
そして、
アクセントをつけると、もっと効果が上がります。
ふてんの、長い音にアクセントをつけます。
短い方は極端に弱く。


タッタタッタの方は、割と弾きやすいです。
ですが、
その逆のタタータターの時は、私は、ちょっと
弾きにくく感じます。
それが、きちんとコントロールできるようになるまで、
私は、よし、とはしません。
これができないうちは、
ちゃんとコントロールできないのだから、
つぶそろいにもならない、と思っています。

これができるようになると、
あとは、スラスラ、ピッカピカになります。


* まとめ

ふてん練習に、アクセントをつけて
レベルアップ

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2022年3月14日月曜日

ちょっと変な曲が、弾きたい



子どもさんでも、大人の方でも、話をしていると、
「弾きたい曲」というのがあります。

それを、
なかなか言いだせないでいる方もあります。
お話をきいていると、
だんだん、
その曲のことがわかってきます。

とても風変わりに思えることもあります。
人とちがった曲、
とてもマイナーな曲だったりします。
(ゲーム音楽だったり、有名な作曲家の、知られていない曲だったり)

そういえば、
私だって、どこで知ったのかわかりませんが、
スクリアビンという作曲家の曲を、
今でなら、けっこう知られていますが、
あまり知られていなかったころ、
どうしても弾きたくて、弾いていました。

教師としては、
知らない曲で、それが、
ちょっぴり風変わりだと、
はじめは、めんくらいます。
「はい、それは、教育的にあまり意味がないですから、
レッスンでは、やりません」と言ってしまうことは、
できます。

ですが、そこをぐっとおさえて、
その曲をみてみますと、
それが、おもしろい。

曲がおもしろい、というのではないのです。
もちろん、そういうこともありますが、

そうやって、話をきいていると、
生徒さんの世界が、少しずつ、見えてくるのです。
そこが、おもしろい。

このあいだも、
18才の生徒さんが、
さかんに、あるスタイルの曲ばかりを、
きかせてくれるのです。
しばらくして、わかったことは、
テレビのコマーシャルで、いいな、と思うと、
シャザムというアプリで、曲名をさがして、
追求している、ということです。

なるほど〜。
こういうのが、あなたは好きなのね!と、
感心したのです。
あとは、
かんたんです(教師としては)。
耳コピでもいいですし、
やり方は、いろいろあります。

それよりも、
私がおもしろくてしかたないのは、
それぞれ、みなさんが、
いろんな、すごい世界を、見せてくれるということです。

ですから、
私は、よく、
「あなたは、今、なにが弾きたいですか」と
ききます。
あなたの見ている世界を、
ちょっぴり見せてほしいな、という、
テレビなんかよりも、もっとおもしろい、
そんな興味ごころ、からです。




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2022年3月10日木曜日

心をこめて弾く、とは?

ピアノの先生に、「心をこめて弾いて」と言われることがあります。
楽譜に、そういう作曲者の願いが書かれていることもあります。

では、一体、どうやったらいいのでしょう?

そう言われて、すんなりうまく行く人は、少ないです。
やはり、ちょっと考えてしまいます。
もちろん、
機械的に、ただ音をリズムに合わせて弾けばいい、というのが
だめなのだ、というのは、
わかります。

ですが、その先、
具体的に、
音の中に、どう心をこめるのか、よくわからなかったりします。
考えすぎると、
ますますわからなくなります。

私の答えは、
やはり、これは、人工的なもの、ということです。
いくら心をこめると言っても、
演奏するたびに、
100パーセントそういう気持ちになっているわけではなく、
それを、「そのように見せかける」術をやっているのです。
それが芸であり、術かもしれません。

ですから、
心の中でぼんやりと、もしくは、はっきりと感じていることを、
どういう風にすれば「そう聞こえるか」を、
考えていきます。

ちなみに、
私が師事した先生の中で考えますと、
どうすればいいか、を、教えてくれた先生もいますし、
ただただ、「心をこめて」とおっしゃっているだけの先生もありました。
技巧、術、は、
どのように伝えていくのか。
そこは、教える側のセンスが問われるところだと思います。







 


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2022年3月9日水曜日

ピアニストの顔


 これは、ピアニストの顔がいいとか、どう、ということではありません。
どういう顔をして弾いているか、ということです。
それが、聴こえてくる音楽と、関係あるのか。

私は、ピアノを弾いている時の自分の顔が、
好きではありません。
恥ずかしいので、なるべく、動画などは見ないようにしています。

ピアノの巨匠、リヒテルというピアニストが、
「演奏中の自分の顔は見てほしくない。
できることなら、びょうぶの後ろでピアノを弾きたいくらいだ」と
言っていました。

おそれ多くも、リヒテルと私との間に、一つだけ共通点があるとしたら、
この部分です。

そういえば、
リヒテルは、弾き終わると、
すぐに、かがみ心地に、そそくさとステージから出て行くことが多い。
ですが、こちらは、感動でいっぱい!

その点、
とても爽やかな表情でピアノを弾く人も多いです。
昔は、横顔しか見せていませんでしたが、
動画やテレビが発達している今では、
あらゆる角度から顔が見えてしまいます。
顔の表情まで、練習しているピアニストもいるくらいです。

試しに、
私も、なるべく爽やかな顔で弾いてみますと、
なんとなく、その方が、
簡単に弾けてしまうような感じもしてきます。
いつもは、ちょっと、ベートーベンの苦虫風な顔をして弾いているのですが
(と、思う)
もちろん、
苦悩を表すようなロマン派の曲では、その方が、ぴったりで、
うまく行くのかもしれません。

いずれにしても、
私が、なかなか爽やかな顔でピアノを弾けずに、
どうしても苦虫の顔になってしまうのは、
たぶん、今まで、音楽表現で、
色々苦労をしてきたからだろうとも思います。
そう一筋縄ではいきませんでしたから。
もうそろそろ、それにねぎらいのスマイルをかけてやってもいいかと、
ふと思いました。

同時に、
ぜひ、同じ道を歩いている方に、私の試行錯誤のお話など、
こんな回り道はしなくていいですよと、
色々なことを、お伝えできたら、と思います。








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2022年3月8日火曜日

ここを、押さえておく


 初心者の方でも、上級の方でも、ここを押さえておくといい、という
ポイントがあります。

それは、接続の部分です。

電車の連結機のようなところ。
もし、リピート記号があったら、そこ。
ブルグミューラーの中にも、poco rit. と書かれているところがあります。
いったん落ち着いて、そのあと、
また、次のお話が始まるようなところ。

たいていの方は、
部分部分は、よく練習なさっています。
あとは、それをつなぐだけ、と思ってらっしゃいますし、
そうなのですが、
そのつなぎの部分を、よくさらうと、
もっと、迫力が出てきます。
もっと、カッコよくなります。

それには、
全体をさらうのでは足りないです。
連結器の部分を、集中的にさらう方が効果的です。
そうですね、
その2〜4小節前、そして、そのあとも。
そこを、どんな風に接続させたいか、
それは、あなたのセンスの見せどころとなります。

rit. するのもよし、
音色をガラリと変えてみるのもよし、
大きくブレスをとって、また同じテンポで進むのもよし、
色々可能性があります。

エンジョイなさってください。
出来上がりが、いっそう素晴らしくなりますし、
弾きやすくもなると思います。



* まとめ

接続の部分を、よくさらうと音楽的に大きくなる





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2022年3月7日月曜日

連続和音の、レガート


 前回は、連続オクターブの弾き方について、
お話ししました。
きょうは、連続和音の場合です。

指づかいは、オクターブの時と同じように、
4と5の指を駆使して、なめらかになるようにします。

また、
とくに右手で、連続和音をレガートで
弾くには、どうしたらいいのか。

全部の声部をレガートに弾こうと思っても、
なかなか、うまくいきません。
それでは、どうすればいいのかと言いますと、
ソプラノ、つまり一番上の声部だけを、レガートにします。

それ以外の声部は、申し訳ないけれど、
適当に、あしらっておきます。
ちょっとくらい、つながっていなくても、いいとします。

オーケストラや室内楽では、
各声部の人が、きちんとレガートにしていますが、
ピアニストは、
たった2本の手で、複数の声部を取り扱っているのです。
このくらいでないと、
なかなか、うまくいきません。




* まとめ

連続和音をレガートにするときは、
ソプラノをとてもレガートにするだけで大丈夫





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2022年3月2日水曜日

簡単に、「音楽的に」


 フランスでは、私のピアノ演奏について、
「指は動くけれど、音楽的にイマイチ」
と言われることがよくありました。
ですので、どのように「音楽的に」演奏できるか、ということを、
ずいぶん考えてきました。

今でも、そんなに上手くいくわけではありませんが、
長いこと、遠回りをしてきて思うことがあります。
「音楽的に」弾くことは、
どんな人にとっても大事なテーマなのですが、
その点、指が器用な人は、
指の動きと、内容とのギャップが開きすぎてしまう、
ということではないかと思います。

さて、
音楽的に弾く、ということは、
たとえば、メロディを弾く時に、
その意味を感じて弾く、ということだと思います。
それは、そんなに難しいことでもありません。

たとえでお話しすれば、
朗読する時に、
内容もわからずに、ただ読み上げるのより、
ちゃんと意味がわかっていて、
さらには、「これを伝えたい!」という気持ちがあれば、
自然と、説得力のある読み方になってしまう、
というのと似ていると思います。

「何を」言いたいのか、と、
まるでメロディに歌詞をつけるような気持ちで、
よく練習していれば、
割と簡単に、自然と音楽的になるのではないかと
思います。






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2022年3月1日火曜日

調律で、楽器の価値を上げる


きのうは、我が家のピアノが調律されました。
また、スッキリ、さわやかな響きになりました。

今はそれほどではありませんが、
ガンガン長時間弾いていた時は、すぐに調律が狂ってしまいました。
できれば、1週間にいっぺん、
できたら3日おきくらいに調律をお願いしたくなります。
そんな贅沢はできませんでしたが。
ですので、
調律師と結婚していればよかった、と、
思ったこともあります。

レコーディングの時には、
調律師がそばについていて、すぐに手入れができるように
なっています。

また、
予算のたっぷりある音楽大学、コンセルバトワールですと、
1週間に一回くらいは、調律を受けているということです。

私の勤めている音楽院は、小規模ですので、
まぁ、年に3〜4回、
私が必要と思われる時に、お願いします。

普通の家庭では、
一年に一回くらいでいいと思います。
もちろん、弾くレパートリーにもよります。
ガンガン弾く方は、もう少し必要になるでしょうか。

私は、小さい時は、
「狂ってきた」という感覚がわかりませんでした。
でも、
調律が終わってみると、
「あぁ、素敵な楽器!」と、思いました。
改めて美しい音を、味わっていたのを覚えています。

もう終わりましたが、コロナのために、
ここ音楽院では、しばらくオンラインレッスンを
しました。
生徒の皆さんのピアノも見られることになりました。
中には、調律をすぐにお勧めするような状態の
ピアノもありました。

そんな時に思いますが、
生徒さんが気がつかなくても、
よく調律された楽器で弾くと、
響きがいいですから、魅力も高まると思います。
その結果、
知らず知らずのうちに、モチベーションが上がるのではないか、と、
感じています。







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2022年2月28日月曜日

趣味ピアノのレパートリー(その9)


 一昔前の生徒さんから、突然ですが、
ピアノ録音付きのメールが届きました。
ロシア文学、そして、ロシア文化一般が大好きで、
ロシア語も習って、旅行にもよく行く女性です。

さて、
それに添えられていたのは、スクリアービンのエチュード。
深い悲しみが伝わってくる演奏でした。
きっと、今の情勢について、思うところがあって、
こんなメッセージをくださったようです。

なんだか、今の私の気持ちも、
よく表してくれると思いましたので、ここに紹介いたします。

オクターブ以上の開きがあります。
そこは、適当にアルペジオにして弾きます。
ペダルを使って、ゆっくり弾くと、
なんとかなります。

嘆き、
優しさ、
希望、
思うようにならないもどかしさ、
など。

たくさんの気持ちが、この2ページほどの、小さな曲に、つまっています。

* スクリアービン エチュード エチュードop. 2 - 1番






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2022年2月24日木曜日

ピアノに合っていない体質


 私の勤めている音楽院では、
いろいろな国の出身の生徒さんがいます。
40年前、勤め始めた時は、
フランス人ばかりだったのですが、
今では、他の地から移り住んできた人が、
7割以上になっています。

(私も、よその地から来た、その一人です)

さて、
ヨーロッパ、
アメリカ大陸、
アジア大陸、
アフリカ大陸から来た人々を生徒さんに持って、
思うことがあります。

それぞれ、体つき、手の作りが、ちょっとずつ違いますから、
当然、ピアノに合ってるかどうか、というのも、
出てきます。
大ざっぱに言ってしまうと、
ピアノにあまり適していない体つき、というのもあります。
気の毒ですが、
人一倍か、もしくは2倍3倍の努力が必要になってくる。

その点、
アジア大陸出身の人は、
この楽器に、合っているように思えます。
いともすんなり、こなします。

もっとも、
楽器を奏でるには、
ただ体が動けばいいということでなく、
奏でる内容を、どう感じて、
どう表現するか、が、とても大事だと思いますが、

それにしても、
こうも体の使い方に差があるとは、と、
びっくりすることも多いです。

この観点から言いますと、
これを読んでらっしゃる日本の方は、
とても得をしていると思います。









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2022年2月23日水曜日

リズムやテンポ感を、育てる


 テンポが走ってしまうので、
メトロノームを使いました、という話を
たまに、ききます。

けれど、
私は、ちょっと、不思議に思います。

そうではなくて、
メトロノームを使って調べてみたら、
テンポが走ってる、ということが判明した、
のではないか、と思うのですが。

テンポが走ってしまう、ということがわかっているのなら、
もう、話は、速いです。
仕事の半分は、片づいたようなものです。
その部分を、
ゆっくり目にすれば、いいのです。

メトロノームは、薬では、ありません。
メトロノームと一緒に練習するのは、
少しは、いいですが、
あまり、やりすぎない方がいいというのが、
私の考えです。

それより、
そういう松葉杖とか、
自転車の補助器みたいなものを、使わないで、
リズム感を育てる、という方が、
将来、すぐに、役に立ちますし、
やってみると、がぜん、楽しいのです。

ご自分の中に、
有能な「指揮者」さんを、育ててみてください。
イキイキと、はずむようなリズム、
しっとり流れるパルス、
グルーヴたっぷりの、などなど、

ぜひ、あなたの持ち味で、ステキなリズム感性を、
開拓なさってください。



Chiyo

2022年2月22日火曜日

作品番号を、覚えられない


 私は、数字とはあまり仲が良くありません。
たとえば、ピアノ曲の作品番号を言われても、すぐに、
「あ、あれだ!」とは思いつかなく、困ることが多いです。

というふうに、数字に弱い私ですが、
その一方で、時計を見て、
11時11分、というのを目撃してしまうと、
妙に嬉しくなったりします。
とくに、意味はないのですが。

ですので、
今日を、ちょっと楽しみにしていました。
2022年2月22日なのです!
仕事で、日付を書く時、ニヤッとするかもしれません。

それから、
今日の、2時22分ごろには、それにちなんで、
なにかを弾いてみよう、
縁起がいいかもしれない、と、
もくろんでいます。
ですが、調べて見ますと、
作品番号2、(op. 2 )という作品は、
少ないです。

若いころの作品で、ボツになったとか、
あまり出来が良くなかったのだか、わかりません。

でも、珍しく、
ベートーベンソナタで、2番、そして、
op. 2 の 2 番というのがあります。
これは、ぴったりです。
おまけに、私の楽譜では、
p. 20 のところにあたります!
すっかり納得して、今日の2時22分用に決めます。

それ以外に、
op. 22 では、
シューマンのソナタ2番。
スクリャービンのプレリュード。
ラフマニノフの、ショパンのプレリュードによる変奏曲が
見つかります。

この、最後の、ラフマニノフの変奏曲は、
ショパンの原曲、このプレリュードは、わりと簡単に弾けますが、
ラフマニノフの手にかかって、
ものすごく複雑な、大曲になりました。
きょうは、ちょっと弾けそうにありませんが、
とても美しい作品です。

ほかにも、op. 22 のいいのがあるかもしれません。
作品番号を覚えられない私には、
よくわからないのですが、
ほかにもご存知の方は、あるかもしれません。








Chiyo

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