これは、ピアニストの顔がいいとか、どう、ということではありません。
どういう顔をして弾いているか、ということです。
それが、聴こえてくる音楽と、関係あるのか。
私は、ピアノを弾いている時の自分の顔が、
好きではありません。
恥ずかしいので、なるべく、動画などは見ないようにしています。
ピアノの巨匠、リヒテルというピアニストが、
「演奏中の自分の顔は見てほしくない。
できることなら、びょうぶの後ろでピアノを弾きたいくらいだ」と
言っていました。
おそれ多くも、リヒテルと私との間に、一つだけ共通点があるとしたら、
この部分です。
そういえば、
リヒテルは、弾き終わると、
すぐに、かがみ心地に、そそくさとステージから出て行くことが多い。
ですが、こちらは、感動でいっぱい!
その点、
とても爽やかな表情でピアノを弾く人も多いです。
昔は、横顔しか見せていませんでしたが、
動画やテレビが発達している今では、
あらゆる角度から顔が見えてしまいます。
顔の表情まで、練習しているピアニストもいるくらいです。
試しに、
私も、なるべく爽やかな顔で弾いてみますと、
なんとなく、その方が、
簡単に弾けてしまうような感じもしてきます。
いつもは、ちょっと、ベートーベンの苦虫風な顔をして弾いているのですが
(と、思う)
もちろん、
苦悩を表すようなロマン派の曲では、その方が、ぴったりで、
うまく行くのかもしれません。
いずれにしても、
私が、なかなか爽やかな顔でピアノを弾けずに、
どうしても苦虫の顔になってしまうのは、
たぶん、今まで、音楽表現で、
色々苦労をしてきたからだろうとも思います。
そう一筋縄ではいきませんでしたから。
もうそろそろ、それにねぎらいのスマイルをかけてやってもいいかと、
ふと思いました。
同時に、
ぜひ、同じ道を歩いている方に、私の試行錯誤のお話など、
こんな回り道はしなくていいですよと、
色々なことを、お伝えできたら、と思います。
Chiyo
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