2022年3月9日水曜日

ピアニストの顔


 これは、ピアニストの顔がいいとか、どう、ということではありません。
どういう顔をして弾いているか、ということです。
それが、聴こえてくる音楽と、関係あるのか。

私は、ピアノを弾いている時の自分の顔が、
好きではありません。
恥ずかしいので、なるべく、動画などは見ないようにしています。

ピアノの巨匠、リヒテルというピアニストが、
「演奏中の自分の顔は見てほしくない。
できることなら、びょうぶの後ろでピアノを弾きたいくらいだ」と
言っていました。

おそれ多くも、リヒテルと私との間に、一つだけ共通点があるとしたら、
この部分です。

そういえば、
リヒテルは、弾き終わると、
すぐに、かがみ心地に、そそくさとステージから出て行くことが多い。
ですが、こちらは、感動でいっぱい!

その点、
とても爽やかな表情でピアノを弾く人も多いです。
昔は、横顔しか見せていませんでしたが、
動画やテレビが発達している今では、
あらゆる角度から顔が見えてしまいます。
顔の表情まで、練習しているピアニストもいるくらいです。

試しに、
私も、なるべく爽やかな顔で弾いてみますと、
なんとなく、その方が、
簡単に弾けてしまうような感じもしてきます。
いつもは、ちょっと、ベートーベンの苦虫風な顔をして弾いているのですが
(と、思う)
もちろん、
苦悩を表すようなロマン派の曲では、その方が、ぴったりで、
うまく行くのかもしれません。

いずれにしても、
私が、なかなか爽やかな顔でピアノを弾けずに、
どうしても苦虫の顔になってしまうのは、
たぶん、今まで、音楽表現で、
色々苦労をしてきたからだろうとも思います。
そう一筋縄ではいきませんでしたから。
もうそろそろ、それにねぎらいのスマイルをかけてやってもいいかと、
ふと思いました。

同時に、
ぜひ、同じ道を歩いている方に、私の試行錯誤のお話など、
こんな回り道はしなくていいですよと、
色々なことを、お伝えできたら、と思います。








Chiyo

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