フラットやシャープが、ずらりと並んでいる楽譜があります。
また、臨時記号がたくさんの曲もあります。
譜読みをするには、ちょっと苦労します。
また、
そういうのが好き、という作曲家がいるような気もします。
たとえば、スクリヤービンなど。
いったいどうして、これが必要なのか、と、
小さい頃から、不思議に思っていました。
だんだん、わかってきたことは、
調によって、音の響きがちがう、ということです。
たとえば、
「♪ハッピーバースデー to you 〜」 のメロディを口ずさむ時でも、
厳密には、音の高さによって、
印象がちがうようになっています。
これは、ピアノで伴奏をしてみると、
もう少し、はっきりわかるでしょう。
むかしむかし、
これは、17世紀ごろですので、
楽器も、調律の仕方がちょっと特種で、
今とは、まったく同じではありませんが、
その時代のステキな作曲家、マルクアントワーヌ シャルパンティエという人が、
下のような表を、作っています。
それが、おもしろく、
あぁ、それなら、私も、たとえば、
ハ長調なら、明るくてシンプルな感じ、というのは、
前から感じていた、と、同感したりします。
ここに、私なりに訳して、あげておきます。
今、あなたが弾いてらっしゃる曲は、何調ですか?
どんな感じがしますか?
***
ハ長調 Gai et guerrier (明るく、戦意に満ちて)
ハ短調 Obscur et triste (暗く、悲しそうに)
ニ短調 Grave et dévot (マジメで、敬虔深い)
ニ長調 Joyeux et très guerrier (ハッピーで、ものすごく戦意に満ちている)
変ホ長調 Cruel et dur (残酷、過酷な)
変ホ短調 Horrible, affreux (ひどい、すごく嫌な感じ)
ホ短調 Efféminé, amoureux et plaintif (女々しく、恋愛中、ブツブツ文句を言う)
ホ長調 Querelleur et criard (喧嘩っ早くて、キーキーうるさい感じ)
へ長調 Furieux et emporté (憤慨していて、見境がつかなくなっている)
へ短調 Obscure et plaintif (暗く、ブツブツ文句を言う感じ)
ト長調 Doucement joyeux (ひっそりと、明るい感じ)
ト短調 Sérieux et magnifique (真剣で、素晴らしい感じ)
イ短調 Tendre et plaintif (やさしく、ブツブツ文句を言う感じ)
イ長調 Joyeux et champêtre (楽しそうに、そして、田舎風)
変ロ長調 Magnifique et joyeux (素晴らしい、そして楽しそうな感じ)
変ロ短調 Obscure et terrible (暗い。そして、ひどい感じ)
ロ短調 Solitaire et mélancolique (孤独で、メランコリック)
ロ長調 Dur et plaintif (硬い感じ。文句を言う感じ)
***
Marc-Antoine Charpentier (1634-1704) " Régles de composition (「作曲の規則」)" より
Chiyo
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