2021年4月6日火曜日

ピアノの正しい座り方

ピアノ椅子の座り方の基本は、1)高さと、2)ピアノからの距離です。

1)肘から手までが、ほぼ水平になっていれば良い。

2)肘が、胴よりちょっと前に。

ちょっと前、というのは、人によって違いますが、
私の場合ですと、15センチくらい。

そして、椅子には半座りにします。

高さについては、
高過ぎの方が、たまにあります。
もう体は大きくなられているのに、椅子は小さい頃の高さのまま。
これでは、腰痛のもとになることがあります。

ここまでが、基本です。

あとは、
ガンガン弾いても、まだまだ弾ける、という気持ちがしたら、
それは、いいサインです。
実際、そんなに長くは弾かないのですが、
6〜8時間くらい弾けそう、という感じがしたら、
とてもグッドです。

あと、
若い人に、たまに見られるのは、
なんとなく、タッチがパソコンを使う時と、
似てきてしまっている姿勢です。

私のような昭和の人は、
生まれた時には、パソコンなどありませんでしたし、
タイプライターだって、
かなり強いタッチでないと、打てなかったのです。
それが、
生まれた時から、パソコンが存在していたような世代の方は、
パソコンのソフトな感覚が、よく身についているようです。

そんな時は、ピアノという楽器は、
まだ、
おばあさんが川に洗濯
おじいさんが山に芝刈り、という力仕事の時代の楽器、
というのを思い出すと、イメージが湧いてくるかもしれません。
本腰で、ピアノを弾く姿勢になると思います。

いい音が出るようになりますし、
また、ラクに弾けるようにもなります。
正しい座り方には、
もう一つ、ポイントがあります。
それは、また明日。

(続く)





Chiyo

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2021年4月5日月曜日

復活祭の、タマゴ


ご存知の方もありますが、キリスト教の国では、今、復活祭です。
キリストが十字架にかけられて、
そのあと、よみがえった、というお話です。
それを、毎年、くりかえしお祝いします。

フランスに住む私も、そんなお祝いを見ています。
復活祭の前の金曜日からは、
教会が、鐘を鳴らすのをやめてしまいます。
キリストは、もう息をしていません。
土曜日も、鐘は鳴りません。
そして、精進料理みたいなものを食べるばかりです。
それでもニワトリは毎日卵を産み続けるので、
卵はたまるばかり。

晴れて、日曜日に、キリストが息を吹きかえすと、
鐘が一斉に鳴ります。
カランカラン、と街中に響きます。
喜びの響き、というのは、クリスチャンでない私にも伝わってきます。
そして、
卵をプレゼントし合います。
綺麗にデコレーションされた、ゆで卵もありますが、
今では、もっぱら、チョコレートエッグ!

復活祭=チョコレート、と思っている子どももあるくらい。
私は、チョコレートは苦手ですが、
この時期に、
「復活」という気持ちがするのは、いい気分です。
枯れていたかと思っていた木々も、
新しい芽を吹き始めています。

毎年、毎年、同じ習慣ですけれど、
毎年、「復活」っていいな、と思います。
卵、というのも、
これから何かが大きく育っていく感じがして、
楽しい。
中に何が入っているのか???

興味シンシンです。
生まれ変わりの、時期です。
新しい何か、の予感がします。



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2021年4月2日金曜日

どんどん進む、練習

まだ、曲ができ上がっていない時、つっかえ、つっかえ、弾いてしまいます。
それは、しかたがないことです。

ですが、
ある時点で、あることをすると、効果があります。

間違っても、そこで転ばないで、そのまま続けることです。
転びそうになっても、
音が違っても、
指づかいが変でも、
そのまま、どんどん進む。

それは、
真面目な人にとっては、なかなか難しいらしいです。
一言で言えば、
チャランポランに、弾く。

そういう練習をするのは、とても効果があります。
それは、
拍をリスペクトしていることにもなります。
どんなにひょうきんな音でも、
少なくとも、同じペースで進んでいます。
それができると、上達も、速くなります。

そして、
最後まで弾き終えたら、
その、つっかえた場所を、部分練習します。

大ざっぱに言うと、

* どんどん進む、通し練習
* 部分練習

の、2つを行うのが、ベストです。






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2021年4月1日木曜日

「お気楽」度数を、上げる

ピアノを習っている方は、とてもマジメな方が多いです。
楽譜を読んだり、
リズムを正確に弾いたり、
ミスをしないように、と気をつけている毎日をずっとやっていますと、
細かいことにとても気をつける習慣がついています。

それは、とてもいいことなのですが、
たまに、
もうちょっと気楽にやってみましょう、と
言いたくなります。
自分に対しても。

たとえば、
私は、ミスタッチが大嫌いです。
ミスなしで、きれいに弾けたら、と、
いつも思っています。

ですが、
ミスばかりにこだわっていて、
肝心なことの横を、素通りしてしまうことになってしまいます。
つまり、
音楽的に、つまらな〜い、退屈な演奏になってしまう。

そのことを考えますと、
もうちょっと気楽にやってもいいです。
実は、
ほんとうは、私も、かなり気楽にやっている部分があるのです。
どうせ、ピアノなのですから、
遊び、と思っているところはあります。

その方が、技術的にも、
うまくいくことが多いです。

ですので、
私は、動画を撮るときにも、
ミスはしても、音楽的にいい方を、選んでいます。
もっと気軽に、
できないところ、
苦手な部分を、そのままキープしながら、
できる部分を、どんどん伸ばしているつもりです。



* まとめ

ミスは、そのままでよし!
 


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2021年3月31日水曜日

昔のバッハは、もう古い!

バッハが苦手というピアニストは、
趣味の方でもプロでも、たくさんいらっしゃいます。
ですが、もう一度弾いてみて、
「あぁ、こんなに楽しかったんだ」と再発見する方もあります。

どこで、どう誤解が生まれたのか。
なんとなく、私が感じているのは、
昭和時代の、バッハ教育の雰囲気かもしれない、ということです。

ともかくバッハを弾いていれば、ピアノが上手になる、
という考えで、
「良薬は口に苦し」と、
ストイックに練習している、そんな雰囲気があったような。。。

バッハを弾いていると、
ピアノの技術だけでなくて、
楽譜の読み方とか、
和音のつながり、とか、
そして、
音楽の楽しさが、身につくのです!
それは、たしかです!

それが、
どうして、こんなに嫌われているのだろうかと、
私は、不思議 & 残念に思います。
小さい時から私とピアノをお勉強している生徒さんは、
ほぼみなさん、バッハが大好きです。
カッコいい、と言います。
弾けなくても、
バッハが大好きという人は、多いです。

それから、もう一つ。
バッハの弾き方は、
時代によって、ちょっとずつ違います。
ロマン派の人は、ロマン派風に弾いていたそうです。
そのあと、
反動で、ストイックに弾くようになったかもしれません。
昭和時代が、そのあたりになります。
そして、以後、
いろいろな研究が行われて、
ここ数十年で、また、見方が変わってきました。

いずれにしても、
バッハは、チェンバロ曲を書いた時に、
カンタビーレの技法を大事にしていました。
どう、歌うか、ということです。
どう、人間の声に近づけるか。

そんな目で、
バッハの曲をもう一度弾いてみますと、
また違った聞こえ方がするかもしれません。
フーガを弾くなんて、まるで歌のパズルみたいで面白い!と
思うかもしれません。

2度も結婚して、
子供をたくさん作って、
家族で音楽をエンジョイしていた、
バッハ先生のエネルギー感性に、
あらためてびっくりなさるかもしれません。




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2021年3月30日火曜日

人前で弾くとき、緊張する


レッスンの時、先生の前で、
ストリートピアノで、
発表会で、と、
どんな時でも、人前で弾くときには、緊張してしまう、という方。

それだけ、「うまく弾きたい」と、
聞いてくださる方に対して、
気遣いしているということなのかもしれません。

そして、
それだけ、相手の方の注目を感じている、
真剣に聞いてくださる、
ということなのかもしれませんから、
存在感がある、ということでもあります。
(カリスマ性とも、呼ばれています)

たしか、
マリアカラスだったと思いますが、

「ぼくは、上がらないんです」と得意にしている若い人に、

「大丈夫ですよ。
『上がり』は、才能とともにやってきますから。ご安心なさい」

と答えた、という話があります。

そういえば、
上がらない、というミュージシャンを、
私は、見たことはありません。
そう、なまはんかな気持ちで、演奏会に出ることは、
たぶん、ないのでしょうね。

ただ一つ、
ヒントになるかもしれないことがあります。
上がらない、という人たちがいます。
上がる、というコンセプトそのものが、ない、と言われています。
それは、ジプシーの、街のバイオリン弾き。

もう、
弾きたくて、弾きたくて、しかたないそうです。
楽譜もなく、
ただ、弾く。
聞き手に、喜んでもらいたくて、弾く

ジプシーは、社会的な制約があまりないです。
社会的に成功する必要もない、ですから、
プレーッシャがないわけです。

私は、
彼らの存在に、とてもヒントをもらいましたので、
書いてみました。






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2021年3月29日月曜日

曲選びの、ヒント

曲選びは、ピアノ上達のためには、とても重要なポイントです。
特に、中級、上級の人にとっては、大事です。

趣味ピアノでも、効果的に上達したかったら、
曲選びが、拍車をかけてくれることがあります。
さぁ、何が、適切なのでしょう。

私が重きを置いているところは、
まず、

1)その曲に惹かれている

ということ。
それが、一番のエンジンになるでしょう。

次に、

2)どこを、伸ばすか

という話になります。
そこが、微妙です。
先生は、よく知ってらっしゃると思います。

では、
もし、独学の場合は、どうするか。

私の答えはこうです。
もし、わからなかったら、
いろいろ、変化をつけてみればいいと思います。
いつも同じパターンの曲想、
いつも同じテクニック(同じリズム、同じ左右パターンなど)、を
弾いていますと、偏るかもしれないからです。

食事だって、
ビタミンや、カロリーのことを知らなくても、
季節のものを、バラエティに富ませて食べていれば、
自然に、バランスが取れるでしょう。
それと同じに、できると思います。

好きなものだけ、弾いている、というのもアリですが、
ピアノのレパートリーは広いですので、
ちょっと違ったものを探しに行ったら、
気に入るものが、見つかるかもしれません。

そんな探検もまた、楽しいものです。

YouTube 先生や、
Spotify は、とっても便利ですが、
その人の好みに合いそうなのばかり提案してきますから、
それだけに、おまかせしているのは、
マズイです。

たまには、
知らない域にも、入ってみると、、
ピアノ技術も、ぐんと前進したりします。

 
* まとめ

バラエティ → バランス




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2021年3月26日金曜日

はじめの一歩

ピアノでも、お片付けでも、なんでも、実行に移すまでが大変です。

「弾きたい」と思っていても、なかなか手をつけられない、
「あそこを片付けたい」と思っていても、いつまでたってもそのまま。
「例のこと、手続きしなくちゃ」と思っている書類がまだ、ある。

ですが、ギリギリの日が来て、
どうしてもやらなくちゃ、と、いざやってみると、
けっこうすんなりと、コトは済んでしまうのです。
呆気ないくらいです。
終わった充実感で、気持ちいいです。

似たようなことで、
ピアノの発表会や、試験の面接の時。
本番の最中よりも、
待っている時間の方が、よっぽどイヤな時間だったりします。
待ち時間。
私など、
ドキドキするのを通り越して、
ただ単に、エネルギーが消え失せてしまうこともあります。

日本では、
案ずるより生むが易し、などと言いますが、
フランスには、そういうのは思い当たらなくて、
「行かなきゃならない時は、行かなきゃ」とか、
アラブの人が
ヤラ!」(レッツゴーみたいなもの?)と言うくらいです。

つまり、
実行中の方が、
実行する前の悩みより、ずっと楽なのです。
あんまり考えすぎずに、
思い立ったら、実行に移してしまう。

そうすると、進めるようです。
次は、何しようか、となります。
どんどん視界がひらけてきます。
そして、だんだん、
楽しい」という声が聞こえてくるようになるのが、
感じられてきます。



* まとめ

「待ち時間を無し」にすると、実行に移しやすい。
 




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2021年3月25日木曜日

いちじくジャム!


 オンラインではなくて、オンラクイン(音楽院)でのことです。
がんばり屋さんの、7歳のイスラちゃんに、
バランスの話をしていたときのことです。

右手と、左手の音色をバランスよく、という話です。
7歳の女の子に、「バランス」と言っても、
ちゃんとよくわかってもらえるのか?

それならこの際、
ハンバーガーとか、フライドポテトに、
どんな風にソースをかけているか、という話を聞いてみよう、と
思います。
子供の好きなもの、ナンバーワンは、たいていマクドナルドの食事なのです。

ところが、
イスラちゃんの大好きなものは、
ブロッコリー。

!!

では、
マヨネーズか何かかけて食するのかと思えば、
塩も、かけずに食べるのが好き、ということです。
私の目論見は、失敗に終わります。

次に、それでは、
タルティンヌは、好きか、と聞きます。
タルティンヌは、バゲットパンなどに、何かを塗ったものです。
毎朝、食べる、ということで、
ホッとします。
バターとジャムをつけて食べる、というので、
ああ、なるほど、
ジャムは、イチゴジャム、それともアンズ?

すると、
珍しいことに、
「いちじく」ということです。
いちじくジャムは、作ったり、買ったり。
どちらでもいいが、
いつも、いちじくジャムだそうです。

なるほど。
感心してしまって、
どうしてそんな話を始めたのかも、忘れてしまいます。

「へぇ、いちじくジャム!珍しい。実は、
私も好きよ」
いや、私は、どちらかというとコンポートの方が好き、
おばあちゃんが昔、よく作ってくれた。。。などなどと、
話がどんどんずれてしまいます。
コンポートというのは、
果物の砂糖煮です。
砂糖味が薄いので、いくらでも食べられてしまいます。

そして、
そこまで来て、やっと、元の「バランス」の話に戻って、
ジャムつけすぎ、とか、
ジャム足りなすぎ、の話になります。
どういう味になるか。

と、ピアノの話をしながらも、
私は、私で、
そうか、イスラちゃんは、
あの優しいお母ちゃんに、毎日タルティンヌを用意してもらって、
学校に来ているんだな、と、
シーンが、目に浮かんできます。
アラブの国では、そういえば、いちじくジャムが出てきたりするな、と
思い出したりもします。

私は、東京から。
イスラちゃんはアルジェリアから。

その2人が、フランスで出会って、
同じように、いちじくの煮たのが好きで、
同じピアノの曲を弾いて、
これまた、運命だなぁ、などと
思ったりしました。




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2021年3月24日水曜日

趣味ピアノの、パワー

趣味でピアノを弾いてらっしゃる方を拝見していますと、
その熱心さには、ハッとさせられます。
そして、頭が下がる思いです。

それは、受講生の方、
そして、ツイッターなどで動画を載せている方、
独学の方のご様子、をみて思います。

そして、その楽しさが伝わってきます。
もし、何かお悩みのことがあるのなら、
すぐ、お手伝いしたい、と思ってしまいます。
(私は、今まで、かなりたくさん悩み、
試行錯誤をしてきましたので、色々工夫のアイデアがあるのです。
それをぜひ使ってください〜と言いたくなります)

これだけ夢中になれることがあるのは、
ステキだと思います。
ちょっとくらいイヤなことがあっても、
ピアノに向かえば、もうそれを忘れて、
スッキリ、という方もあります。

私は、毎日ピアノに向かっていますので、
そういうことを、忘れてしまうこともあります。

ちょっと苦労してでも、頑張って、
その暁に、うまくできるようになった時の喜びも、
大きいです。
初心者の方でも、レベルの高い方でも、それは同じ。
わかります、わかります!
それを、側で拝見できるのも、嬉しいことです。

趣味ピアノの、パワーではないかと思います。



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2021年3月23日火曜日

時間が、ない時

大人になって、ピアノを弾いていますと、子どもの時とはちがって、
なかなか思うように時間がとれない時もあります。

そういう時は、みなさんどうなさっているのでしょう。

私は、あまり気にしないで、やり過ごすのがいい、と思っていますが、
一方で、
そのあと、いつものペースに戻った時に、どういう状態になっているか、
ちょっと心配でもあります。

まぁ、サビついてしまうこともありますが、
しばらくやっていれば、またすぐ元に戻るのですが。
それが、ちょっと悔しいのは、確かです。

でも、
今、思いますが、
弾けない時は、弾けない、と腹をくくって、
それに抗わないのが、一番、ということになります。
あとで、後悔するから、なんて思うことの方が、
よっぽどストレスになります。

さて、
それでも、
興味のある方のために、
そういう時、ピアノなしでも練習できる方法を、
書いておきます。

*初級の人向け

むずかしいな、と思っているパッセージを、
ピアノなしで、机とか、膝の上で練習。
(とはいうものの、4〜5回が限度)

楽譜を見るのもよし、なくてもよし。
テレビを見ながら、とか、
バスの中、でもよし。


* 中級、上級向け

楽譜を出して、頭の中で、弾く。
机の上で、音無しで弾いても良い。
暗譜できる人は、これで暗譜する。

(これは、ものすごく集中力がいることですので、
10分もやったら、限度になります)

ちなみに、
これは、指揮者の人が、やっている練習法です。
指揮をする人は、オケを前にする以前は、
これ以外、準備する方法がないのです。

また、悲しいことなのですが、
政治犯でプリズンに入っていたピアニストなどが、
こういう練習をしていたという話は、いくつかあります。

時間がない、という一種のプリズンに入ってしまったあなた、
いかがですか?
というのは、冗談ですが、
これも、
かなり、強力な効果があります。



* まとめ

ピアノなしの練習法は、ある





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2021年3月22日月曜日

指が、どう動くか

ピアノを練習していて、つき当る壁のうち、

1)指がどう動くか、の問題
2)指がどう動くか、とは関係ない問題

と、2通りあるようです。

1)どうすればいいか、わかっていても、
指が思う通りに、やってくれない。

私にとっては、
それが、ほぼ毎日の一番の悩みです。
そして、
それだけを解決しさえすれば、
なんとか、うまくいく、と思ってしまうのですが、

その次に、

2)の壁も、あります。
いくら、うまく弾けても、思った通りにならない。
こんなはずではない、
もっと、かっこいいはず、
もっと、グッとくるはず、
と、悩みます。
どうやって、自分は表現したいのか。


2)の解決法は、
意外と易しかったり、意外と難しかったり。

それから、
2)がはっきりしてくると、
指も、自然についてくる、楽になってくる、ということもあります。

いずれにしても、
指が動くようになって、
むずかしい曲が弾けるようになったら、
音楽的にも、上達するだろう、というのは、
あまり、ないように思います。

それより、
ちょっと、易しめの曲を、
ていねいに、自分で表現することを心がけるのが、
1)も、2)も、上達すると思います。

逆に言いますと、
どんなレベルの方でも、
1フレーズ、1フレーズを、心を込めて弾いているのが、
一番ステキなピアノになりますし、
上達も速いと思います。



*まとめ

指がどう動くか、だけではなく、
どう表現するか、を入れると、相乗効果になる。





 


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2021年3月20日土曜日

両手で弾くのは、ムズカシイ

ピアノ練習の時、まずは、片手ずつ練習していくのがスタンダードです。
そのあと、両手を合わせます。

それが、なかなかムズカシイのです。
片手ずつなら、どうにかいける、と思っていたのに、
いざ、両手で一緒に、となると、難しさは、2倍ではなくて、
3倍も、4倍か、という感じです。

そこで、あきらめたくなります。

日本では、サジを投げる、と言いますが、
フランスでは、スポンジを投げ捨てる、と言います。

ですが、
おサジも、スポンジも、投げてしまうのは、もったいないです。
そこで、
説明いたします。

片手ずつ、までは、よかったのです。
その次の、どこに留意すればいいか、は、

1)両手合わせるには、ものすごくゆっくりにする

2)片手ずつ練習も、並行して、続ける

3)片手ずつ、では、速く弾けるようにして、
両手では、ゆっくり、トライして行く

などです。

ここを、おさえておけば、なんとかなります。
しばらく、デコボコな道が続くかもしれませんが、
ある時、
「!」
と、変化を感じられる時が、くるはずです。

と、
だいたい、どんなレベルのピアニストも、
こんな風に、乗り越えていると思います。
ちょっとした峠です。
思うようにいかなくて、ちょっとめんどくさい場所です。

「ああ、来たな」と思って頑張ってください。
峠の先は、スイスイ、気持ちの良い景色が待っています。


* まとめ

ピアノを弾いていると、
おサジや、スポンジを、投げ捨てたくなることがある



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2021年3月18日木曜日

「弾き終わってあんなに充実感を感じたことは初めてです!!」

「ふだん塾」のオンライン受講生の方が、ステージで弾かれたあと、このように報告してくださいました。

すみれさん、という大人の方です。
数年前の発表会では、
気後れしてしまって、舞い上がってしまって、
がっかりするような演奏しかできなかった、とおっしゃっています。

それは、
よくわかります!
家では、結構弾けていたのに、本番で、実力を出せなかった、
というのは、本当に、悔しいことです。
大好きな音楽が、「音が苦」になってしまうこともあります。

そこを、綿密に、しっかりと準備されて、
今回は、3/7、浜松のイベントに参加され、満足のいける演奏をなさいました。
その成功は、
すみれさんの、熱心な準備と、
「弾きたい」という強いお気持ちからきていると思います
私も、とてもうれしいです。

その体験談を、
私とのメッセージのやり取りから、ご紹介したいと思います。
読んでいるだけで、
こちらまで、本番が楽しみになりそうになります。





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2021年3月17日水曜日

ピアニストの、コレステロール

以前は、コレステロール値が上がるというので、卵は、たくさん食べられませんでした。
今では、考えが変わって、
コレステロールも大事ですし、卵も一日に2個食べてもいい、となりました。

ピアニストにも、そういうことがあります。
それは、
大人になってから、再びピアノを始められた方を拝見していて、思います。

* リズムを正確にするには、メトロノームを使う(使わねば)

* バッハは、感情をおさえて、弾く

* 手の形は、常に丸くする、、、など。

ということを身につけられていた方に、
私が、まったく別なことや、
時には、正反対なことを提案せねばならないことも、あります。

すると、
びっくりされたり、
ああ、良かった、という気持ちになられたり、
色々です。

いずれにしても、
「じゃあ、今までのあれは、なんだったのか?」
という気持ちがします。

時代が変わって、
研究も進んで、
新たな観点も、生まれてきます。
ですので、そういうことが起こります。

私には、
どちらにも、一理あるように思います。
バランスが取れるのがいい、のかもしれません。
ともかく、
新しいやり方を試してみるのがいいと思います。
そして、どんな風に感じが変わるか、を
体験してみるのが面白いと思います。

今まで見ていた同じピアノが、
全然、別物に感じられたり、
まったく違う音が聞こえたり、
タッチが、しっとりしてきたり、と、
新しい雰囲気が、感じられたりします。

それが楽しいと思いますし、
ますます進んでいくエンジンにもなったりします。
それをお供するのが、
とても楽しいです。

* まとめ

時代は、どんどん変わっている。
新しいやり方を、試してみると、ドンドン進める可能性。




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2021年3月16日火曜日

リミットレスな、私たち

きのう、日本のテレビを見ていましたら、東北の農家の様子がうつりました。
炭焼きがとても上手な、80歳を越した夫婦の方が、見えました。

ずいぶんハードな力仕事だと思いますが、
もう何十年もやっているそうです。
木を切るのが、82歳のおばあちゃんの仕事。
揃えられた木を、かまどに入れるのが、82歳のおじいちゃんの仕事。
楽しそうに仕事しています。

「炭焼き」という、その仕事は、
全く知らなかったことなのですが、ものすごい微調整を必要とする、
名人芸なのだそうです。

いい炭が焼ければ、
それは、煙もあまり出ず、匂いもせず、
熱く、よく燃える。

それができるようになるには、
何十年も必要だそうです。
そして、
次の世代に、その芸を、教えてらっしゃる。
それが、楽しい、と。
(あぁ、わかります。私もです)

いい空気の中で、
野菜も育てて、
毎日、力仕事をなさって、それは、健康にいいに違いありません。
だから、
そのお年でも、お元気なのかもしれませんが、
同時に、
そのお年でも、そういう力仕事ができる、という
ステキなお姿を拝見して、
思います。

人間は、続けてやっていれば、
高齢になっても、いろんなことができるように設計されているのだと思います。


「いつまでできるかねぇ」
「ずっと。死ぬまで」
「そうだべな、死ぬまで」と、

ニコニコ顔の、おじいちゃんでした。

日本のお年寄りは、すごいなぁと、
改めて、力をいただきました。




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2021年3月15日月曜日

ピアノ技術を、インストールする方法


 きのうは、YouTube で、マルタ・アルゲリッチ巨匠の演奏を聴いていました。
YouTube という、こんな便利なものができて、いろんなことができる時代です!
バッハのパルティータ、去年の秋、
観客のいないフェスティバルでの演奏でした。

一昔前は、
アルゲリッチの大ファンが、私のまわりにもたくさんいて、
コンサートがある、と聞くと、遠くても、がんばって聴きに行っていました。
ドタキャンをするので有名なピアニストです。
運よく、コンサートにありつけた人があれば、
そのみやげ話を、
私は、興味深く聞いていました。

どうやったら、あの技術を少しでも盗めるか、と
真剣に、話を聞いていました。

さて、
私は、アルゲリッチのコンサートには、
残念ながら、ありつけたことがありません。
ですが、生のご本人を、近くで見たことがある、というのが、
私の宝物です。

これまたずいぶん昔のこと。
パリで、偉大なる、ポリーニ巨匠のリサイタルに行った時のことです。
ホールの階段を上っていましたら、
気がついたら、
私の目の前に、アルゲリッチが、同じく、階段を上っていたのです!

誰かを探すように、うしろをさっと、見たときに、
私は、気がついたのです。

小柄で、
普通のプリント地のスカートでした。
ショルダーを肩にかけていました。
ふつうの人でした!
こんな小さな体から、
どうしてあれほどのエネルギーが??!!

(ついでに書いてしまうと、
ふと上を見上げたら、
あの小澤征爾さんが、立っていらっしゃいました!)

さて、
そんな強い印象で始まったコンサートは、
ポリーニ巨匠が、バッハ平均律を全曲(I,II)という、
珍しいプログラム。
ペダルをふんだんに使った、これまたすごい演奏でした。
忘れることのできない40年くらい前の、コンサートです。

そして、時間はコロナ時代へ。
きのうYouTube で聴いたアルゲリッチのバッハは、 
シナゴーグというユダヤ教の教会で、でした。
響きが豊かでした。
まるでペダルをふんだんに使っているみたいですので、
例のポリーニのバッハを思い出したりしました。
アルゲリッチさんも、あのパリのコンサートを、
覚えているかしら、なんて、想像しました。

いつまでもお元気で、
こうやって素晴らしい演奏を聴かせてくれるのが嬉しいです。




こうやって、
動画で巨匠の技術を見ることができます。
見ているだけで、自然に、身についてくることはあります。
ちなみに、
そして、
ずいぶん前の、ラフマニノフの協奏曲も、リンクを載せておきます。

彼女の技術は天才的ですので、
見ているだけで、圧倒されます。
手の動きが速すぎて、見えないこともあります。
それでもずっと見ているうちに、
だんだん、技術が、こちらにインストールされてきます。
ピアノっていうのは、こうやって弾くんだなぁというのが、
自然にわかってきます。

興味のある方は、
試されるといいと思います。



Chiyo

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