オンラインではなくて、オンラクイン(音楽院)での話です。
こういうことは、珍しいです。
この生徒さんは、
まず、ギターのクラスに入って(きっと、うまく行かず)
次に、バイオリンのクラスに入ってから (さらに、匙を投げられて)
ピアノのクラスに入ってきました。
今、小学生の男の子です。
左手と右手をとりちがえたり、
フランス語がよくわからなかったり、
楽譜もよく読めないですし、
まぁ、この先、どうなるだろう、と思っていました。
ピアノを習うより、
もっと基本的な、読み書きや、算数の方が、
大切なのでは、と思ってしまいます。
一年休んで、少し大きくなったら、また来てください、と
お話しても、
お母さんは、ガンコです。
「のろくてもいい、音楽は、絶対、
人生にいいことをもたらせてくれる」と言って、
ピアノを続けさせようとします。
男の子は、
お母さんがそう言うのだから、仕方ありません。
無口で、がんばってやっています。
その男の子ですが、
それが、最近、ちょっと、
できるようになってきました。
あんなに、何もわからなかったのに。
少しずつ、できることが増えてきます。
すると
私も「トレビヤン!」(= とてもよろしい!)と、
言うことができます。
そうすると、いい循環に入っていけます。
そして、もう、これは、
雪だるま状態になります。
いいことが重なって、
どんどん上達します(のはずです)。
子どもさんでも、
大人の方でも、続けていれば、
だいたいは、上達してしまいます。
すると、
上達するか、しないか、の違いは、
しぶとく続けるか、どうか、の違いしかない、
という私の考えは、
こういう状況を目にするたびに、
ますます補強されていきます。
ちょっぴり、あきらめかけていた自分を、
恥ずかしく思います。
このちいちゃな男の子は、毎日、
無口で、がんばっているのです。
しぶとい、この生徒さんに、
頭を下げて、敬礼いたします。
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