2021年8月7日土曜日

譜読みの、つまらなさ


 ピアノを練習していて、譜読みの時期ほど、
つまらない時はない、と私は思います。
譜読みが好きな方も、少ないですが、あることは、あります。

それでも、ここが肝心な時で、
指づかいを決めたり、
上下に加わる架線を数えて、音を確かめたり、
まちがえないように、気をつかいます。

古典派が、一番、譜読みをしやすいです。
だいたい、こんな風に展開していくだろう、と
想像がつくからです。
逆に、現代物は、大変です。
まったく想像がつきません。
そして、作曲家の指示が、とても多かったりします。

今、
現代物を、譜読み中です。
新しい「システム」を発明した人が、書いたもので、
とても不思議な曲です。
それに慣れるまで、時間がかかりました。
苦労しながら、
小さな生徒さんが、始めたばかりの時、
譜面の前で、苦労しておられる、その気持ちになりました。

そういう時は、
毎日、毎日、少しずつ、
淡々と、読んで、弾いていきます。
すぐできなくても、いったん譜面はしまって、
また明日、ということにします。

すると、不思議ですが、
少しずつ、体が覚えていくのがわかります。
徐々に、あの奇妙なメロディが、
鼻唄になって、出てくるようにもなってきます。

その過程は、おもしろいです。
がんばらなくとも、淡々と、繰り返しているだけで、
自然と、身についてくるのが、よくわかります。
はじめは、あんなに変に思えた音に、
少し、愛着がわいてくるようにもなってきます。

そうなったら、こちらのもの。
そろそろ、私の好きな段階に入っていけます。
音楽作りの段階です。





Chiyo

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