2020年12月30日水曜日

わかっちゃいるけど、実行できない

ピアノを弾いていて、何が一番つらいかというと、
頭ではわかっていても、実行できない、というような状況です。

「わかっているのだけど、どうしても間違えちゃう」
「譜読みをしちゃえば、あとは楽しいはずなのだけど。。。」
「こういう練習をすればいい、とは知っているけど」
「だれにでもできるらしいけど、私にはムリだから」
などなど。

そういう頭の中のダイアログがなく、
すぐに行動にうつせる人は、幸いです。
あとは、淡々とやっていれば、
ベルトコンベアーに乗ったようなものです、
必ず、進みます。

でも、私には、ムリ、と、
あきらめればいいものの、
でも、心の隅では、私にだって、できるはず、
私にも才能は、あるはず、
いつか、ブレークスルーするはず、と、
悩みます。

そこが、一番つらいところです。
あきらめて、さっさと別なことに取りかかればいいのです。
それができなくて、
いつまでもしがみついています。

そういう時間を、私はずいぶん通過してきました。
そんなとき、
どうやって切り抜けてきたのか、よくわかりませんが、
あとで振り返ると、
ちゃんと切り抜けられてきているようなのです。

一発で解決した、というようなものではありませんが、
ちょっとずつ、
不満足ながら、続けていたら、
ゆるい坂道を登っていた、という感じです。
たまには、ほおっておきます。
また、とりかかって、
だらだらと、やってみます。
少しずつ、ほぐれてくるような気もします。

今、思うのは、
悩めば悩むほど、深みにはまる、ということです。
悩んでもしかたありません。
なんとなく、やっているうちに、
やりすごせます。
大丈夫です。


* まとめ

ダメでも大丈夫





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2020年12月29日火曜日

ピノキオには、できない(手首の使い方)

ピアノ表現力を磨くコツ、その2は、手首の使い方です。

きのうは、フレージングの簡単なやり方をお話ししました。
きょうは、
そのディミニュエンドをする時、どのように弾くか、です。

指だけで、音を弱くすることはできます。
できないことはありませんが、
手首が協力してくれると、もっとラクにできます。

手首を上の方に持っていく。
すると、自然に弱くなります。
その原理を使って、エコモードで、弾きます

そんなことを繰り返しているうちに、
自分のイントネーション(話すときの抑揚)が、
手首で表現できるようになってきます。

人間にしかできない、
柔軟な、手首 & 腕の使い方です。


* まとめ
(ピアノ表現法 その2)
弱くするときに、手首をちょっと上げる





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2020年12月28日月曜日

表現力 その1(フレーズ)

表現力をみがくためのコツ、その1は、フレージングについて。

ここを押さえておけば、大丈夫です。
(逆に言うと、これができないと、「音楽的」から、ほど遠くなります)

フレーズの最後の部分を、ていねいに終わる。

これは、
ディミニュエンドにすれば良いです。
そして、その前に、ちょっとアクセントをつけるといいような音が、
あるはずです。
そこをグッと強調して弾いて、
最後の部分を、弱く終わる。

これは、
気をつけていれば、すぐにできます。

曲の最後だけではありません。
フレーズの最後、です。

ドアを閉めるとき、
バタンとならないように、最後に気をつけるような、
そんな感じです。

* まとめ

一番手軽で、効果的なのは、フレーズの終わり方



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2020年12月26日土曜日

表現力をつける

どんな方でも、音楽的表現力を身につけたい、と
思ってピアノの練習をなさっているようです。

では、どのようにしたらいいのか、と言いますと、
それは、結構、漠然としていることが多いです。

先生は、「もっと音楽的に」とか、
「そこ、もっと歌って」とおっしゃいます。
それは、具体的には、何をしたらいいのでしょう?

アーチストの中にも、
そこを乗り越えるために、薬物をとる人さえ、
あります。

私は、もっと、
合理的な方法があると思っています。
ピアノは、しょせん、針金をたたいている楽器です。
ピアノ線と言いますが、あれは、
工具店で売っている針金と全く同じです。
ピアノ線が切れたら、工具店へいけば良いです。
それで、
音楽をやっているのです。
よく観察すれば、
合理的に、こうすれば、こういう印象になる、という
法則みたいなのがあるのです。

それが、
表現法です。

どこをおさえておけばいいか。
これは、
次回に書きます。


* まとめ

音楽的に弾くには、
こうすればいい、というような方法がある



 


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2020年12月23日水曜日

指使いの、フシギ

ピアノの指使いというのに、けっこう時間をかけています。

初心者の方は、
まずは、指番号を見たら、それで弾くという反射運動を、
身につけておくのが、定番です。

だんだん、レベルが上がってくると、
書かれている指使いは、自分にあってるとは限らない、と
いうことに気がついてきます。

そういう時は、もちろん変えてもいいのです。
主に、

* 楽チンであること

* 音楽性に基づいていること

が、ポイントになります。
音楽性、というのは、
レガートに弾けるか、とか
その音にアクセントがついてしまわないか、とか、
フレージングをするのに、都合がいいか、というようなことです。


指番号は、踊りの「振り付け」みたいなものです。
ただし、
見て美しいとか、手で表現しているのでなくて、
自分にとって、一番楽チンにする

が、目的です。
そして、聴こえてくる音が、
表現したいものと合ってる、のが理想的です。

そこまで考える人は、あまりいないのですが、
「楽チン」にすることで、
練習時間が、グッと節約になることは、よくありますし、
そのおかげで、
ラクに、音楽的に弾けることも多いです。



*まとめ

「効率的」なのが好きな人は、
指使いに、時間をかけるといい







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2020年12月22日火曜日

壁に、つき当たったら

ピアノの練習をしていると、もう、壁だらけです。

ここが、どうしてもうまくいかない。
ややこしい楽譜で、どうも頭に入ってこない。
もっと、音楽的に弾きたいのに、どうしていいかわからない。
片手ならうまくいくのに、両手だと、うまくいかない。

その壁を、乗り越えようと、がんばります。

ですが、
かなりの努力をしないと、乗り越えられません。
だから、壁、なのですが、
一度や2度なら、そういう必死の努力もしますが、
もう、いい加減、へこんでくる、という
こともあります。


ですが、
後になって、思うことがあります。
ふりかえって、思うに、
実は、
その壁のあたりで、いつも通り、淡々とやってると、
知らない間に、通り抜けていた、ということが、
あるということです。

結局、そういうことが多かったです。

壁を乗り越えるのよりも、
壁を、すうっと、通り抜けるという感じです。

それには、
地味に、
淡々と、
ゆっくりと、
ちょっとチャランポランに、
ふつうに、いつも通り、くりかえし、
やっている。

すると、なんとか通り抜けていた、、、

という感じのことは、
きっと、あなたにも、以前あったかもしれません。

そんな感じです。
意外ですが、ちゃんとできています。

確かに壁はあったけど、
けっこう、ちゃんと通り抜けてこられたな、と
思えるはずです。
誇りに思ってください。

応援しています。






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2020年12月21日月曜日

還暦をすぎて

ずいぶん前のことになりますが、
シャモニーモンブランに、スキーに行った時。

夜、テレビでを見ていましたら、
日本の三浦氏が、スキーで、
モンブランのそばの、高いところから降りてきた、
というニュースがありました。
それが、99歳というお年で!

さっき、私もスキーをはいて通ったところに、
三浦さんも、通られたと知って、ちょっとうれしくなります。

ニュースでは、
カメラを首に下げて、ゴツゴツの山を、
スキーで降りている様子が、見えました。
すごいです。
次の日、スキー場で、
いろんな人から、「ミウラを見たか」と、聞かれます。
同じ日本人ですので、誇りに思ってしまいます。

さて、
この方は、もともとスキーヤーでした。
ですが、こんなに山岳スキーや、
エベレスト登りなどを始められたのは、
還暦をすぎてから、ということです。

前にも書きましたが、
過酷なスポーツ、トライアスロンの長年者でも、そうです。
定年退職のあと、始められたという人を
2人も知っています。

ということは、
人生長くなった今、
やることが、見えてきます。
還暦をすぎて、でも、いろんなことが、
できるということです。
今まで、そんなことはできなかったと思われていたことが、
できるようになったりします。

そういう例が、2、3あるだけでも、
あぁ、人間は、そういう風に設計されてるものなのだ、と
納得してしまいます。
大人になってピアノを始める方、
大人になって、再開される方、
大丈夫です。
続けていれば、必ず、
すごいことができるようになると思います。






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2020年12月18日金曜日

たまには、ほっとくという手もある

ピアノを練習していて、
なるべく早くに手を打ったほうがいい事があります。
それは、
間違って譜読みをしてしまった時。
これは、すぐ直すのがいいです。

これは、いつになってもやらかしてしまいます。
人間だから、ミスをするのはしかたないです。
譜読み間違いは、なるべく早く直します。

さて、
そうではなくて、
そんなに急がなくてもいい、という部分もあります。

いちおう、仕上がったように見える、
でも、なんとなく物足りなくも思える。
そういう時、
頑張って、がむしゃらに弾くのもいい事ですが、
たまには、しばらく寝かせておく、というのも、
いいと思います。

こんな風になれたら、と、方向を決めて、
しばらく練習した後は、
寝かせておきます。
その先、
例えば、3〜6ヶ月あと。1年後、3年後。

また引っ張り出してきて、
弾いてみる。
また、違った雰囲気で弾けるはずです。
少々、錆び付いてるかもしれませんが、
しばらく弾いてみると、わかります。
変化しています。

ワインが、時とともに熟してくる、あの感じです。
それもまた、ピアノの楽しみです。







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2020年12月17日木曜日

今はロマン派、Judy さんの場合


「レッスンが楽しくて、毎日3〜4時間の練習をするようになりました」
と、おっしゃるのは、受講生のJudy さんです。
こんなに時間がとれるなんて、すばらしいことです。

そして、なにより、
楽しいから、3〜4時間の練習、なんて、すばらしいです。

私など、
練習しないで、うまく弾けるようになりたい、と
思ってしまいます。
でも、
実際には、いくらテクノロジーが発達しても、
そういうことは、まだできるようになっていません。

ですので、
いつも、私は、効率の良さを考えて、
どうやったら、近道できるか、
どうやったら、無駄がなくなるか、
どうやったら、ラクに弾けるようになるか、
どうやったら、ラクか、

と、
そんなケチなことばかり考えています。

そんな風に、いろいろ
試行錯誤してきましたので、
いろいろなコツも、見つかったりします。
ユニークでもあります。
一見、地味にも見えたりします。
でも、やってみるとわかりますが、
かなりの近道だったりします。

Judy さんにも、
そういうコツを、たくさんお見せしていますので、
ますます、ぐんぐん、上達なさることと思います。


このたび、
とても細かくレポートを書いてくださいましたので、
興味のある方は、
どうぞ。


 





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2020年12月16日水曜日

お子さんが、早熟系ピアニストの場合


「ふだん塾」には、今、いろいろなタイプの方が、受講なさっています。
クラシック、ポップ系、フォーク音楽。
初心者の方、再開の方。などなど。

さて、
その中で、私が、はじめ、
想定していなかったタイプの方があります。

あぁ、こんな使い方もできるのだ、と
自分でも、ちょっとびっくりしています。

ここでも、効果が出てきているようで、
私もうれしいですので、
ご紹介いたします。

それは、
アメリカ在住の、Lily さん、という日本のお嬢さん、
10歳になったばかりです。


Lily さんは、早くから才能をあらわされました。
若くして、コンクールに優勝なさるようなお嬢さんです。


その一方、
ピアノで早熟型というのは、実は、かなり神経をつかうのです。
先へ先へ、と進まなくてはならない一方、
基礎を固めることも大切。
それに、大人向けに書かれた曲を、
小さい子どもの体で、弾いていることもあります。
いろいろな、
バランスがむずかしいのです。

そのことを、お母様は意識なされたようです。
この夏、「ふだん塾」へ見えました。

以来、私はサブとして、
もっぱら技術や音楽表現の基礎を掘り下げるお手伝いを
させていただいています。

Lily さんには、
大人になっても、さらにしっかり、大きく育っていかれますよう、
楽しみにしています。



* 興味のある方は、
こちらの4番目のケースです。







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2020年12月15日火曜日

冬の、ストリートピアノ

今は、フランスでは、ウイルスの関係で一時お休みになっていますが、
ストリートピアノというのがあります。
おもに、駅ピアノです。

私も、たまに弾いて、遊んでいます。
生徒さんも、好きな人は、ずいぶん弾いているようです。
それが夢の人もいます。

さて、
寒い時期に、体が冷えているのに、
いきなりストリートピアノに向かうのは、ちょっと気がひける時。

ちょっとした、温め方がありますので、
書いておきます。

まず、体全体を動かす、というのはいいです。
小走りに、その場所に行けたら一石二鳥です。

次に、
両手をこすったり、さすったり、というのは、
人間のみなさん、誰でもやってしまうことなのですが、
これは、あまりよくありません。
手がシビれてきたりします。

その代わり、
手首の付け根(内側)を、両方合わせて、
優しくマッサージしてあげるのです。
そうすると、血管が、開いてくるのだそうです。

これは、秋のある日、
ポルトガルのあるオペラ座で、コンチェルトを弾いた時。
今はどうか知りませんが、
その時は、会場に、暖房がなかったのです。
寒いというほどではないですが、
緊張していると、もう少し、暖かくしてほしい、と思ってしまう室温です。
そんな時、指揮者さんが、教えてくれたのです。
手をこすると、弾けなくなるよ、と言って、
教えてくれたのが、これです。

オケの皆さんも、こうやって、乗り越えているみたいでした。


今では、冬でも夏でも、
ふつうのコンサートの時は、
こうしています。

冬のストピの方にも、ぜひ、おすすめします。


* まとめ

両手首を合わせて、優しく、グリグリ






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2020年12月14日月曜日

駆けっこの「ヨーイドン」的に座る

きのうは、ピアニストの椅子の座り方について、書きました。

お食事をするときや、
パソコンを使う時とは、違う座り方です。

一番多いミスは、
「ちゃんと」椅子に座ってしまうことです。
そうではなくて、
浅く座る。
これから駆けっこをする、ヨーイドンぐらいの感じ、
がいいのです。
少し、前にのめるくらいに。

そうすると、
体の重心が、ピアノの方に行きます。
鍵盤に、重みを入れることができます。
スタンバイオッケーの態勢になります。

それから、

肘の位置にも、注目してみてください。
肘は、胴体より前に出ている方がいいです。
「かしこまって」いるのは、NG。

指揮者さんが、
これから曲を始める、というとき、
両手を、前に出すでしょう。
それくらいの感じがいいのです。

この二つを押さえておくと、
技術的に、ぜんぜん違うことが見えてくるはずです。
感じられてくるはずです。
弾きやすくなります。

* まとめ

1 椅子には、浅く座る(ヨーイドン
2 肘は、体より前(指揮者っぽく






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2020年12月11日金曜日

行き詰っている感じ


生徒さんを拝見していて思うのですが、
行き詰っている、と感じてらっしゃる方は、
たまにあります。
結構、あります。

いずれ、なんとかなるのですが、
その嫌な気持ちは、なんとも言えません。

そんな時、どうすればいいのかと、
ズバリ言いますと、

「手綱をゆるめる」です。

うまくいかない、
やる気が出ない、
たくさん弾いたのに、結果が出ない、
練習する時間がない、
練習する気がおこらない、
数ヶ月以来、なんとなくパッとしない、
などなど、

いろいろな種類の「行き詰まり」がありますが、
解決法は、
だいたい、これに尽きると思っています。

理由は、こうです。
ただでも、うまくいかなくて困っているのに、
「だめだ、だめだ」と、さらに自分にムチ打っていることが多いです。
だいたい、まじめな方が多いですから、
ことさら、そうなります。

そういう
「ダメだ」渦の中にいると、わからなくなります。
客観性を欠いてしまいます。
考えれば考えるほどに、悩みは増えます。
やればやるほど、よけいな力が入って、
かえって、うまくいかなくなります。

ですので、
いったん、その曲を、おあずけにする、とか、
練習はやめて、お茶を飲みに行く、とか、
ピアノは、しばらくお休みにして、違うことをする、
何もしない!
とか、なんでもいいですが、
手綱を緩めるのが、いいと思います。

すると、しばらくすると、
いい感じになってきます。
違う景色が見えてきたりします。
ガラッと、楽になったりもします。
そして、
なんだ、私にもできるんだ、と思えるようになります。


* まとめ

行き詰った時は、
手綱を緩める楽しい方法を、考える





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2020年12月10日木曜日

フラットの数が多すぎ


 きのう、ハ長調はむずかしいというお話をしました。
けれど、フラットやシャープが、楽譜の始めに、ぞろぞろっとついているのも、
これまた、辛いことです。

最高で、いくつまであるかといえば、
6つです。

まぁ、多くても6つまで、と自分に言い聞かせるのですが、
それでも、めんどくさいなという気持ちは、なかなか消えません。
長年、譜読みをしていますが、
いつも思います。

ともかく、黒鍵に行ったり、来たり。
かと思うと、
ミのシャープは、白鍵なので、面食らいます。
たいてい、間違えます。

ドやファのフラットも、雰囲気的に、むずかしいです。
たいてい、ミスります。(臨時記号)

それに対して、
私は、たいした解決法はないですが、
「ちょっとは、まし」になるコトをしています。

4つ以上、フラットやシャープがある場合に、使っています。
そういう時は、いったん、

「全部フラット」と考えます。

次に、
どの音が、「フラットになってないか」とみる。

すると、
例えば、レ♭長調でしたら、
フラットになってないのは、ドとファです。
ということは、「2つしか」変則になっていない、と
思えます。
それだけに注意して、
あとは、全部フラットと考えて弾きます。

「5つフラット」と考えるのではなく、
「2つ、フラットになっていない」と考えるわけです。

苦肉の策です。
こうやって、乗り越えています。



* まとめ

どの音が、
シャープになってないか
フラットになってないか、という発想






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2020年12月9日水曜日

ハ長調は、むずかしい?!

「ハ長調は、かんたん」と思っている方も良くあるのですが、
実は、ハ長調は、弾きにくい、と言われています。

(逆にいうと、ハ長調がうまく弾ける人は、
誇りに思っていい、ということです)

スケール(音階)を弾いてみればわかりますが、
黒鍵から始まるスケールは、むずかしく感じられるでしょう。
手をちぢこめて、いろいろ工夫しないとなりません。

それと同じ理屈です。
ハ長調は、黒鍵がないため、
白鍵の上だけに、指をおくので、やはり
手をちぢこめないとなりません。

一番楽なのは、まん中に黒鍵がくる、ラから始まるイ長調とか、
レのスケール(ニ長調)など。

黒鍵がないから、かんたん、と思ってしまったのは、
子ども時分に、譜読みに手こずっていたころの、
印象かもしれません。
楽譜も、スッキリしていて、シンプルに見えますから。

さて、
そんなことを知っても、解決はしない、と
思われるかもしれませんが、
そうとも言えません。

そこを意識なさると、
指が、どういう苦労をしているのか、見えてきます。
そこに気づいてあげると、
指が、感謝する(?)なんていうことはないにしても、
少し、指のことが理解できるはずです。
すると、なぜか改善することがあります。

よく観察すると、
親指を、いつもより余計に前に出さなくてはならないため、
他の指たちは、それに合わせるのに、
ずいぶん苦労をしているのが、わかるはずです。
けっこう、くたびれるポジションなわけです。


* まとめ

ハ長調の時は、指たちを、うんとねぎらうと、
元気を出してくれる(かもしれない)





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2020年12月8日火曜日

何が、弾けなくさせているか

きのうは、「逆ハノン」で、
長くからの問題を、クリアしてしまった話をしました。

登りはいいのに、
下りが、いつもうまくいかない、という方に、
「下りから始めて、登りで終わる」ということを提案したら、
一発で、うまく行ってしまったのです。

さて、きょうは、
これはどういうトリックなのか、という話です。

いろいろな仮説がたてられますが、

この、
半分ジョークのような提案がトリックだったのではなくて、
それ以前に、
弾けなかった時期が、トリックだったという考えが有力です。
「トリックにかかって、弾けなくなってしまった」

つまり、
いったん、頭の中で、
「私は、下りが苦手」と思ったことが、
トリックになってしまったのです。

すると、
登りはいいですが、
下りのところへ来ると、
筋肉も緊張して来ます。
「あ、ダメかも」が、
「あ、本当にダメだ」となって、
「あ、やっぱりダメだ」となる。
さらには、
「いつもダメだ」となります。

そこを、
私が、冗談のような提案をしたので、
「また、あの先生は、変なことを言っている。
ダメ元で、やってみるか」と、
弾いてみたときに、
上記のような心の中のダイアログが、消えていた、

というのが、私の仮説。

考えると、
そういう思い込みは、いくらでもあります。
なければ、弾けるはずです。



* まとめ 「思い込み」が、トリックになる







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2020年12月7日月曜日

なぜ「逆ハノン」でうまくいったのか?

オンラインではなくて、
オンラクイン(音楽院)での、レッスンのことです。

高校生のガールです。ハノンを見せてくれました。
それが、
上に登る、前半は、うまくいくのだけれど、
下に降りる時に、うまくいかない、というのです。

下降のときに、必ず、失敗する。
ハノンのどの曲でも、必ず、そうなる、と。

う〜ん、と、
私も、うなってしまいます。
いろいろ考えるのですが、
どうして、下降だけが、ダメなんでしょう。
上りは、とてもうまくいっているのに、
下りだけが、それほど難しいとも、思えません。

しかたないので、半分ジョークで、
「じゃあ、下りから始めて、登りで終わる、というのを、
やってみたら?」と提案します。


すると、
なんのことなく、うまくいってしまったのです!
下りも、上りも、です。

もう、大笑いです!
言葉も、出てきません。
あっけなく解決してしまったのと、
不思議なのと、
うれしいのと、で、
二人で、笑いが、止まりません。
大きな声で、笑って、笑って、
手を叩いてしまいました。
ずいぶん長いこと、笑っていました。


さて、
どうして、うまくいってしまったのでしょう?
このトリックは、なんなんでしょう。


カンの良い方は、もう、おわかりかもしれませんが、
そのことは、また、あした、書きます。






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2020年12月4日金曜日

家族の人の、背中を押す


 「ふだん塾」の受講生の方には、実に、
いろいろな状況にあられる方があって、
老若男女、バラエティーに富んでいます。

その中で、
家族の方が、「ピアノ、やってみたら」と、
勧めてくれたので、という方もたまにいらっしゃいます。
それは、
心強いなぁと、こちらまで、嬉しくなります。

そう言えば、
以前、夫に、
ピラテスという体操のレッスンを、数ヶ月分、
プレゼントしたことがあります。

自分からは、どうも行きそうにない、と思ったのです。
大半が女性のクラスですし。

でも、年をとるにつれて、
いつも、
どこが痛い、ここがどうの、こうの、と、
言っているのです。
それなら、きっと運動したほうがいい、と思いましたので、
当時、自分も行なっていたピラテスを、
試しに、プレゼントしてみたわけです。
その先生は、とってもいい先生でしたし。


結果、
それ以来、夫は、ずっと続けているのです。
腰や、足の調子は、グッとよくなり、
スタイルも、少しよくなりました。
もう、私は、やめてしまったのですが、
一人で、行っています。

(口では言いませんが、
ちょっぴり感謝されているような気もします)

大半の方が、
ご自分で決めて、レッスンにいらっしゃいますが、
たまに、背中を押されて来られる方もあるわけです。

親御さんに、手をひかれていらっしゃるお子さんもあれば、
こうやって、はじめの一歩を踏みきられる方もある。

いろいろな人生があるなぁ、と思います。





Chiyo

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2020年12月3日木曜日

あと味が、良くない

きのう、「ミスをしても、そのまま弾き続ける習慣」ということを、
お話ししました。

もう一つ、それがむずかしい理由に、

そうやって、
ケガ人や死人を放って、突き進んで、
ゴールにたどり着いても、
あと味が、全然良くない、というのがあります。

少なくとも、
私は、いい心地がしません。

みなさん、
良かった、と言ってくださっても、
私としては、なんか釈然としません。
あとあとまで、
「あ〜あ、やっちゃった」という気持ちが、
残ります。

けれども、
考えてみますと、
あまりミスをせずに、ちゃんと弾けたけれども、
音楽的に、あまり面白くなかった演奏、というのも、
やったことがあります。

やはり、
ミスしない、ことばかりに気が行って、
音楽が、縮こまってしまったのかもしれません。

やはり、
あと味が悪くても、
ケガ人は、放っておくのが正解かもしれません。






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2020年11月30日月曜日

「インド式」練習法






































8分音符や、16分音符が、ぞろっと並んでいて、
それを速く弾きたい時。

ゆっくり練習をしたり、
リズム練習をしたり、いろいろやってみます。
それで、大分キレイになるのですが、

やっぱり、なんだか、「もさっ」と聞こえる時。

私は、そんな時、
弾きたい、その音符たちを、
口で、唱えてみます。

例えば、トルコマーチでしたら、
出だしのところを、
「タカタカた、タカタカた、タカタカタカタカタカタカた」と、
口の中で、言ってみます。

それを、ちゃんと、スカッと言えるようになるまで
練習します。
テンポも、上げて。
そして、
それを、もう一度、鍵盤の上で、再現する。

すると、
けっこう、うまく行ってしまうのです。

そのためには、
口の中で、早口言葉を言うように、
ちゃんと、言えるようになることです。

もし、それを、
「タタタタた、タタタタた、タタタタタタタタタタタタた」と言っていますと、
これだと、かなり、もたつきますから、

鍵盤の上でも、もたついたりします。

これは、不思議ですが、
やってみると、わかります。

インドのパーカッションの人たちは、
先生について、毎日毎日、丸一日中、練習するそうですが、
まずは、
口で、リズムをこのように、
「タカタカ」だとか、「ながながながなが」など、
オノマトペで、練習するのだそうです。
それが、うまく言えないうちは、
楽器に触らせてもらえない、ということです。
インド音楽をご存知の方は、わかると思いますが、
そのリズムの複雑さと言ったら、
ものすごいものです。

そのやり方を、ちょっと拝借して、
ピアノに応用して、
練習しています。




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2020年11月28日土曜日

スピードを上げるには


ピアノを弾いていて、テンポを上げるには、
みなさん、どのようにやってらっしゃるのでしょう。

私は、ほとんど、
徐々に、テンポアップして行きます。

たまに、
ゆっくり練習から、そのままアップテンポにする時もあります。
それは、
ゆっくりの時と、
速くなった時と、ジェスチャーがあまりにも違う時です。

それは、
ダンスレッスンの時にも、
同じことを、見ました。
まず、先生は、ゆっくりでステップを見せてくれます。
次に、
すぐに、ノーマルテンポに移ってしまう先生と、
徐々に、テンポを上げてくれる先生とがあります。

私は、
徐々に上げてくれないと、できないことが多いです。

ダンスの種類にもよりますが、
ゆっくり練習ができないダンス、というのも、
あるのかもしれません。

体操だって、
フィギアスケートだって、
ゆっくりでは、できないものがあります。

そのあたりは、
いろいろ試してみると、
おもしろいかもしれません。

いろいろなことを試しているうちに、
思っても見なかったことが、
できるようになった、なんていうことも、
あります。






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2020年11月27日金曜日

テクニック編(親指のくぐらせ方)

スケールや、アルペジオを弾く時には、親指をくぐらせます。

また、戻ってくる時は、親指を軸にして、他の指がまたぎます。

そのやり方は、
文章で説明すると、ややこしくなりますのが、
実際は、シンプルなことです。

さて、
そのやり方に、東西違いがあるのか、ないのか。
フランスに来てみると、
私が日本で習ったやり方と、違うことに、びっくりしました。

フランスでは、
親指をくぐらせるにも、軸にするにも、
手は、動かしてはいけない、というのです。
例の、
手の甲の上に、コインを置いて、スケールを弾く、という
あのやり方の、延長線上にある、やり方です。

私の先生のところでは、動かしても良かったのに!と、
びっくりします。

どちらが、ベストなのか、
読者の皆さんは、お分かりだと思います
省エネ、という見地に立てば、
手首の関節が、ゆるゆるに、なっているのが理想です。

ので、
派手に手を動かすのなら、ムダが、ありますし、
「手を動かしてはいけない」と、固定するのも、
ムダなエネルギーを使っています。


* まとめ

古今東西、省エネが、ベスト












 




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2020年11月26日木曜日

新しいタイプの生徒さん


 これは、アーモンドの実です。
南フランスの駐車場で、見つけたのです。
はじめは、桜か桃の木だと思っていました。
コワイもの知らずの私は、もちろん食しました。
この硬い殻を割って。
おいしかったです!


さて、
新しいタイプ、というのは、正確ではないのかもしれないですが、
動画添削レッスンを始めて、
そういうタイプの方に、私が気がついた、ということです。
そういう方が、けっこう、いらっしゃいます。

私のところにいらっしゃる生徒さんには、
実に、いろいろなタイプがあります。
十人十色と言いますが、まさにそうです。

その中で、
言葉少ない方があります。

ラインや、WhatsApp アプリを使って、
動画をやりとりしていますが、
その時、
あまり、何もおっしゃらない。
そして、
ピアノで、反応なさる。
黙々と(いうふうに見える)、上達なさっています。

ある、フランスの生徒さんの方です。
私が楽譜をお送りしても、
到着したかどうか、よくわからないので、
「着きましたか?」と尋ねれば、

「ウイ(はい)」とだけ、送られてきます。

私は、ぜんぜん、かまいません。
それでいいのです!

人それぞれです。
個性をどんどん出して、
どんどん表現されて行かれますように!






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2020年11月24日火曜日

 三日坊主にならないコツ

毎日、練習しよう、とか、
週に3回は練習しよう、とか、
いろいろ目標を立てて、
スケジュール表も作りますが、
なかなか、うまくいかないこともあります。

だいたい、
まじめな方が多いですから、
「それでも、大丈夫ですよ」と言っても、
なかなか、納得なさらない方もあります。

自由気ままに、弾いてらっしゃる方は、
もともと、ノルマがありませんから、
そういうプレッシャーも、ありません。
いつも、楽しそうに、弾いて、
少しずつ上達もしています。

ズバリ、コツを言ってしまうと、
三日坊主にならないためには、
「反省をしない」です。

もし、うまくいかなくて、そのことで
気分が落ちても、
反省だけは、しない、と決めてしまうのがいいと思います。

気がつくと、
けっこう、続けながら、
やっていけます。

山あり、谷あり、というのが、
人生だと思いませんか。
三日坊主でも、3ヶ月坊主でも、
なんでも、ありです。

 

* まとめ 

反省は、しない



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2020年11月23日月曜日

弾きたくない曲

どうしても、弾きたくない曲、作曲家、というのはあります。

たまに、友人から、
「こんな素敵な演奏があった」と、YouTube のリンクが、
送られてきます。
ほんとうに、すばらしくて、
同感、うれしくなることは多いです。

ですが、
たまに、あ〜、これは、、、と、
数日間、ほったらかしになることもあります。

きのう、
重い腰を上げて、
やっと聴いたのが、ショパンエチュードでした。
実に、すばらしい、感激モノでした。

私は、ショパンの大ファンですし、
エチュードは、最高にすばらしいと思います。
問題は、

それにくっついている思い出が、苦しい、のです。

学生時代に、エチュードで、
自分が苦心した思い出、
まわりの学生が苦心している音、
繰り返し、繰り返し弾く音が、聞こえてくるのです。
ちょっと、辛い思い出です。

コンクールでも、エチュードは必須で、
短い時間で、超ダッシュで弾く、
身体的に、難しいラウンドでした。

ということを、思いますと、

受講生の方が、
たまに、
「私、〇〇が苦手なんです」とおっしゃる時。
これと似たことなのかな、と
想像したりします。

なかなか、そのくっついている思い出は、
とれないですが、
でも、
新たな気持ちで、もう一度、取り組んでみると、
またまた違った景色が見えることも、
あるのかもしれません。

また、
ショパンエチュードを、ひっぱり出してみようか、
どんな気持ちがするか、弾いてみよう、

と思います。





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