2021年2月10日水曜日

「言いまつがい」(暗譜 step2)

暗譜のしかたについて、ステップ1をお話しします。

まず、残念な事実をお話しします。
人間は、どうしても、間違えたりする、ということです。

こればかりは、しかたありません。
巨匠音楽家でも、いろいろあります。

*ロシアの巨匠ピアニスト、T. ニコライエヴァさんは、
バッハの平均律を、全部、軽々と暗記なさっていたような方です。
ところが、ある日、
ショパンの小曲を弾いていて(ノクターン?)、
どうしても、終わり方がわからなくなってしまって、
ぐるぐる回ってしまったそうです。

なんどやっても、ぐるぐるしてしまったので、
楽屋に楽譜を取りに行って、やっと終えることができた、という
伝説があります。

*ある、ドイツのピアニストが、
リストのソナタという、大曲を弾いた時。
これは、
「ザ・ソナタ」とも言える難曲で、
技術的にむずかしいのに、さらに、
1楽章から成っているため、27分間、休む部分がない。
がんじょうな集中力が、必要です。

そのソナタを弾いた時に、
終わりのあたりで、また前の方に戻ってしまったのです。
そのせいで、27分が45分くらいになってしまった。
観客も、気の毒なご本人も、
ハラハラと、くたびれ果てたそうです。

* 有名な女性チェリスト J. ドュプレさんは、
ある時、ある協奏曲のカデンツ(ソロ部分)を弾いていて、
そのソロが、途中から、別な作曲家のソロになってしまった。
まぁ、カデンツなので、
自由にやって良いのですが、ご本人も驚いたという話。

* 日本にも、
暗譜を忘れてしまって、
「だから、ヤンなっちゃうのよね〜」と、
曲の途中で声を出してしまう、
チャーミングな女性ピアニストがおられます。

* ついでに書いてしまうと、
私の好きな「フーテンの寅さん」では、
おいちゃんが、

おい、さくら。枕、取ってくれよ

と言うのを、間違えて、

おい、マクラ。さくら、取ってくれよ

になってしまった、というのがあります。
あまりにも、いい感じなので、
映画には、それが収録されているのです。


というふうです。
そのことを、まず覚えておいて、
「言いまつがい」や、ど忘れするのは、仕方がない、と
あきらめましょう。


それでは、どうするか。

私のしていることは、

1)そういうことを想定して、暗記すること、

2)めちゃくちゃでも、インプロでもいいから、
その場しのぎをする、です。
続けるのです。
そこで、止まって、頭をぽりぽり、かかない。
なんでもいいから、ともかく続ける。

そのやり方を、次に説明します。

(続く)


* まとめ 

「言いまつがい」や、ど忘れをするのは、
人間の性質、と悟る


Chiyo

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